2015年 03月 25日
グランドピアノ 狙われた黒鍵 Grand Piano
2013 スペイン・アメリカ Nostromo Pictures.91min.
監督:エウヘニオ・ミラ
出演:イライジャ・ウッド、ジョン・キューザック、ケリー・ビシェ他
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
いやはや、大変な映画だった。ピアノは好きな楽器だし、それに纏わるミステリー、
ということで観てみたのだが、まあ、荒唐無稽な展開に、思わず笑ってしまう。
もう、突っ込みどころ満載どころの騒ぎじゃなくて、突っ込みどころしか無い作品と
言える。漫画みたいなものなので、それ狙いで観ると結構楽しめる人も居るかも
しれない。
短い映画なのだが、背景がよく分からない。演奏不可能と言われたピアノ曲の
演奏に失敗し、5年間のブランクを経たピアニスト、トム・セルズニック(イライジャ)は
新進女優のエマと結婚することにより(どうして出会ったのかわからないが)、舞台
復帰を果たすことになった。演奏する楽器は、曰く付きのベーゼンドルファー。
不安を胸に満員の会場で演奏に臨むトムであったが、その譜面には、完璧に
演奏しないと、客席のエマを殺すどころか、お前の眉間に銃を打ち込むぞ、という
脅迫の文章が書き込まれていた。
結局、脅していたの犯人が錠前師のジョン・キューザックであり、彼は、ベーゼン
ドルファーに隠されていて、超難曲「ラ・シンケッテ」を引くことにより、中に隠された
鍵が出てくるという仕組みになっていて、トムに弾かせることにより、キーを手に入れ
スイス銀行にある大金をせしめようとした。(ピアノとガギとスイス銀行の関係は
見落としたか、分からなかった)故に犯人はトムに完全な演奏を求めて脅迫してきた
わけだ。ちなみにこの難曲を引けるのは二人であり、そのうち一人のトムの恩師で
「ラ・シンケッテ」の作曲者であるパトリックは前の年に亡くなっていた。さて、犯人の
目論見は果たせるのか!
そういう流れで映画は演奏シーンを中心に描かれるのだが、楽章の間に楽屋に
帰っちゃったり、耳に差し込んだ送受話器で犯人と話しながら完璧な演奏を
続けるとか、譜面の後ろに携帯を入れて、ピアノを弾きながらメールを打つ(!)とか、
アンコールの後に、妻に歌を歌わせるとか、話を転がすためだけに登場し、舞台の
トムから電話を受ける友人と女友達(二人共殺される)とか、難曲の譜面を捨てて
しまったので、ネットで演奏を聞いて、パンフレットに写譜して演奏するとか、
メチャクチャになったピアノを演奏したら、鍵が落ちてきた、とか、まあ、ありえないことの
オンパレードで大体、ベーゼンドルファーと鍵とスイス銀行の大金と難曲と犯人の関係がよく
分からなかった。
まあ、このところ味わったことのない、「びっくりする」映画だった!
<ストーリー>
「若き天才ピアニスト、トム・セルズニック(イライジャ・ウッド)は、極度のステージ恐怖症に
陥っていた。音楽界の奇才と呼ばれたパトリック・ゴーダルーが作った演奏不可能の曲
「ラ・シンケッテ」は、世界中で彼自身とトム以外は弾けない難曲といわれたが、5年前、
トムはその演奏に失敗してしまったのだ。
世界的な人気女優である妻エマ(ケリー・ビシェ)に背中を押され、今は亡き恩師パトリックの
追悼コンサートで復帰することを決めたものの、すっかり自信を喪失したトムの頭の中は
ネガティブになっていた。大勢のファンが詰めかけたホールは4000人の観客で埋め尽くされ、
その中にはセルズニック夫妻の友人のカップル、アシュリー(タムシン・エガートン)と
ウェイン(アレン・リーチ)の姿もあった。
楽屋で恐怖にも似たプレッシャーと孤独を噛み締めたトムは、意を決して指揮者ノーマン
(ドン・マクマナス)とオーケストラが待つステージへ。用意されていたグランドピアノは、
恩師が遺した世界最高級ブランド、ベーゼンドルファーの“インペリアル”。演奏の滑り出しは
順調だったが、奇妙な矢印が描かれた楽譜をめくると「一音でも間違えたらお前を殺す」
「助けを呼んだら眉間を撃ち抜く」という赤い文字を発見。ライフルの照準器から発せられる
赤いレーザー光線を目の当たりにしたトムは、激しく動揺しながらも演奏を続けるのだった。
脅迫文の指示に従い、ピアノパートのブレイク中に楽屋へと駆け込んだトムは、カバンの
中に隠されていた無線受信機を耳に装着、すると正体不明のスナイパー(ジョン・キューザック)の
不気味な声が聞こえてきた。客席の最上部のどこかに身を潜めているスナイパーは、
もしもトムがおかしな行動を取れば、2階のVIP席に座っているエマを射殺すると警告する。
だがトムは第2楽章の演奏中、スナイパーの目を盗んでスマートフォンを操作、客席の
ウェインに助けを求める。
ところが、スナイパーの手下(アレックス・ウィンター)に妨害され、一縷の希望は打ち砕かれて
しまう。スナイパーの次なる要求はプログラムを変更し、あの因縁の曲「ラ・シンケッテ」を
演奏しろというものだった。スナイパーと手下の会話を無線で傍受したトムは、彼らの犯行
目的が「ラ・シンケッテ」の最後の4小節と、恩師の遺品であるグランドピアノの黒鍵に関係して
いることを知るが……。」(Movie Walker)
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