博士と彼女のセオリー The Theory of Everything

●「博士と彼女のセオリー The Theory of Everything」
2014 イギリス Working Title Films.124min.
監督:ジェームズ・マーシュ  原作:ジェーン‥ホーキング
出演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー‥コックス、エミリー‥ワトソン他
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<2014年度アカデミー賞主演男優賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<<感想>
本年のオスカーを賑わした作品鑑賞シリーズ、第3弾。シネコンは春休みのお子様たちで
大賑わい。本作は、中高年の男でそこそこに埋まった小さい小屋で。

本作に描かれているホーキング博士は世界的に有名な宇宙物理学者で、ALSを病んでも
なお、学究の情熱を失わない学者としては知っていたが、その背後にこうした感動の物語が
あったとは、元妻ジェーンが原作を書くまで知られていなかったのだろう。
映画にならないとしてもお話は感動的な実話であるので、本当は★9個献呈したいところ
だが、割り引いて8とした。原作に基づくとはいえ、感動的な出来のいい映画ではあった。個人的に
予想したとおり、ラスト辺りではウルウル来てしまった。

ホーキング博士の研究テーマである宇宙の始まりや時間の始まりなどの理論はさっぱり
判らないが、この映画は物理の映画ではなく、しっかり人間とその愛情を描いた作品であり、
ホーキング博士と妻ジェーンの人生と伴侶に対するスタンスが、並ではないので感動する
のであろう。
背景は宇宙物理学ではあるが、映画から伝わってくるのは、人間の強さ弱さ、友情や愛情の
強さであることを理解することは容易だ。特に大学時代に知り合い、ALSという難病を抱えた
夫を支えるジェーン、そのジェーンを信頼しつつも、自分の側から離してあげて、他の生活を
させようとするホーキング博士の人間性。支える友人、家族、子どもたち。その心のありようや
交流に胸が熱くなるのだ。

感動はラストシークエンスに怒涛の様にやって来た。アメリカ講演にさそわれたホーキングが
さりげなくジェーンに別れを切り出す、それに応じつつ決して彼への愛を棄てないジェーンの
姿。アメリカでの講演で「生きていればきっと何か希望がある」というホーキングの言葉、さらに
宇宙の出来事より素晴らしいとホーキングがジェーンに示す3人の子どもたち。「僕達が
生み出した素晴らしいもの」というセリフ。ここらあたりのたたみかけでもう涙腺が徹底的に
緩みます。宇宙の成り立ちを研究しているけど、心の底は実に人間らしく、神を信じないと
いうホーキングが、自らの子供を宇宙の創世よりも素晴らしいと語る姿に胸熱くならない
人間がいるだろうか。

繰り返すが、原作があるとはいえ、映画としての出来も極めて高いことは言うまでもなく、
エディ・レッドメイン(ホーキングに似ていたから選ばれたんじゃないか、と思える節もあるが)
を始めとするキャスト陣たちの抑制の効いた演技は、感動を倍加する。
ジェーンと、教会の聖歌隊指導者で、ホーキング一家を支え、やがてジェーンと想いを通わせる
ジョナサンとの関係や、ホーキング博士と介護士エレノアとの淡い恋心のような交流など
決して下品にならず、むしろ偉大な愛情物語に仕上がっているのは、素晴らしいと感じた。
「生を諦めず、愛情を信じるホーキング博士だから宇宙のことに想いを致せるのかも」とすら
思えてくるのだった。

蛇足だが、レッドメイン、オスカーを獲るいい演技だったのは間違いないけど、個人的には
「エニグマ」のベネディクト・カンバーバッチに軍配を挙げたいのだった。面白いことに、
2004年に、テレビ映画で、そのカンバーバッチがホーキング博士を演じているんだね。

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<ストーリー>
「理論物理学者として宇宙の起源の解明に挑むなど、数々の研究で現代宇宙論に多大な
影響を与えたスティーヴン・ホーキング博士。難病ALSと闘いながら、研究に打ち込む彼を
献身的な愛で支え続けた元妻ジェーンの手記を映画化したヒューマン・ラブストーリー。
『レ・ミゼラブル』のエディ・レッドメインが若き日のホーキング博士を演じる。

天才物理学者として将来を嘱望されていたスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)が
ケンブリッジ大学の大学院に在籍中、詩を学ぶジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い、
二人は恋に落ちる。
だが直後にスティーヴンは難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症、余命2年の宣告を受ける。
そんな彼と共に生きると覚悟を決めたジェーンは、一緒に病気と闘う道を選択し、やがて
二人は結婚、そして出産……。
自分たちに与えられた時間がどれほど貴重なものかを知る二人は、歳月を重ねるごとに増す
試練に強固な愛の力で立ち向かっていくが、時には壁に突き当たり、限界を感じ、自身の
無力さに打ちひしがれるのだった。しかし、刻々と悪化するALSとの闘病生活の中、
ホーキング博士は持ち前のユーモアで乗り越え、“車椅子の科学者”として最先端の研究を
精力的に行い、講演活動や執筆活動へ意欲的に取り組んでいく……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-03-29 15:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)