とらわれて夏 Labor Day

●「とらわれて夏 Labor Day」
2013 アメリカ Indian Paintbrush,Mr. Mudd,Right of Way Films.111min.
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
出演:ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン、ガトリン・グリフィス、トビー・マクガイア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
久々のケイト・ウィンスレット。だんだんいい味をだしてくるようになったなあ。オスカーも
獲ったことだし、ますます演技に磨きを掛けてほしいものだ。
さて、本作はシュアな作品づくりで定評があるジェイソン・ライトマンが脚本も書いて演出した
もの。なんだか、一冊のペイパーバックを読んだような気分でもあり、設定は全然違うが
どこか雰囲気に「マディソン郡の橋」を思い出していた。全体として、スリリングな面もありつつ
エンディングもそれなりにきっちりカタルシスを取ってくれるので、いいのだが、何か
引っかかるものが残った。それは何か。後半、ハッピーエンドに持っていくための時間の
折りたたみ方がいささか強引過ぎるか、と感じたこと、脱走犯と母子家庭が庭で遊んでいても
何にも起きないのはいささか不自然だったなあ(隣人とかが気が付きそうなものだけど) 
主人公のウィンスレット演じるアデルがちょっと情緒不安定とはいえ、短慮に過ぎるんじゃないか、
と思われる節があちらこちらに。大体、金曜に脱走犯が来て、如何にいい人だったとはいえ、
週明けにはカナダに逃避行って、ちょっとスピード有り過ぎるんじゃないかなあ、とか。 
これはアメリカの刑法だからしょうがないのだろうけど、脱走犯の犯罪は故殺じゃなくて、
傷害致死事件じゃないかなあ、あれで懲役18年は重いんじゃないか??とか。でも本作は
そういう点を乗り越えて観客の心に何か暖かいものを与えてくれている。

まあ上記のような違和感は感じつつも全体のストーリーとしては理解し易いので、パンクした
タイヤを交換できたり、野球が上手くなったり、長じてはよく客の入るパイの専門店を
開いたりで、長男にも大きな影響を与えた脱走犯、パイの店の下りはスピルバーグとか
ゼメキスが喜びそうな展開だな。

全編を通じて絶対的な悪人が出てこないのも、本作のほんわか感を生み出している。
ところどころにフラッシュバックで挿入される過去映像が、ウィンスレットのものか、脱走犯の
ものか、よく分からなくなるところがあった。
結局あの脱走犯は根っからの悪人ではなく、たまたま奥さんを押し倒したらスチームパイプに
頭を打ち付けて殺してしまったわけで、善人なんだよな。ただ何で料理が上手く、いろんな
技術に長けているのか、あたりの説明はない。また奥さんを殺してしまった原因もよく分からな
かった。

いろいろと欠点を上げたが、全体として観て損したとは思わない作品レベルには仕上がって
いると思う。ケイト・ウィンスレット、少年時代の長男、(成人してからはトビー・マクガイア)、
実はいい人の脱走犯ジョシュ・ブローリンも顔つきが悪そうなそうでなさそうな感じが出ていて
良かったと思う。個人的にはラストはもっと悲劇的なものを予想したのだが、時間はかかったが
ハッピーエンドで良かった。やはり家庭はお父さんがいて、お母さんがいて、子供がいて、と
いう構図が望ましいなあ。そうしたエアポケットに、脱走犯がたまたまいい人だったのでハマった
という感じ。そんなお話もあるでしょう。長男がいかに脱走犯に影響を受けて育っていくかが
ラストで短く淡々と語られるが、それはそれで、重要な意味を持つものだ。
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<ストーリー>
『マイレージ、マイライフ』の俊英ジェイソン・ライトマン監督が、シングルマザーと逃亡犯の
純愛を、13歳の息子の視線を通して描いたラブストーリー。
母親役をケイト・ウィンスレット、逃亡犯をジョシュ・ブローリンという実力派たちが演じ、彼らの
運命を変える5日間の物語がドラマチックにつづられる。

アメリカ東部の静かな町。9月初めのレイバー・デイの週末を控えたある日。夫が自分のもとを
去ったことが原因で心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と13歳の
息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)の前に突然、警察に追われる脱獄犯フランク(ジョシュ・
ブローリン)が現れる。

家へ連れて行くよう強要された2人は、そのまま自宅で彼を匿うことになる。危害を加えないと
約束したフランクは、アデル親子と緊張状態を保ったまま過ごすうち、次第に家や車を修理し、
料理をふるまい、ヘンリーに野球を教えるようになってゆく。
いつしかフランクはヘンリーと打ち解け、アデルとはお互いに惹かれ合うように……。
ともに過ごした時間の中で、ついに3人は人生を変える決断を下す。人生の晩夏にさしかかった
シングルマザーと思春期の少年が体験した、運命の5日間の行方は……?」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-04-15 22:40 | 洋画=た行 | Comments(0)