ニューヨーク 冬物語 Winter's Tale

●「ニューヨーク 冬物語 Winter's Tale」
2014 アメリカ Village Roadshow Pictures,Warner Bros.,Weed Road Pictures.118min.
監督・脚本:アキヴァ・ゴールズマン 原作: マーク・ヘルプリン 『ウィンターズ・テイル』(早川書房刊)
出演:コリン・ファレル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、ジェニファー・コネリー、ウィリアム・ハート、
    エヴァ・マリー・セイント、ラッセル・クロウ、ウィル・スミス他。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
前知識無しに、ラブストーリーだと思って見始めたのだが、ここまでファンタジーとは
思わなかった。面白くなかったか、と言われると、そうでもない、まあまあ、な感じだった
のだが、よく分からないところもあったり、悪魔の総親分がウィル・スミスで、こりゃ、
ミスキャストじゃないか?と思ったり、没入出来ない点も多々あった。こうした傾向の
映画は個人的にはあまり観ないので・・・。

「人は必ず誰かのために生きている」というテーマを100年以上の時を経て証明する、と
いう文芸ファンタジー・ロマンス。主役のコリン・ファレルの影が薄くなるほどの豪華脇役陣、
加えて、これがスクリーンデビューとなるイギリス女優のジェシカ・ブラウン・フィンドレイが
なかなか儚げな役どころを美しく演じていて魅力的だった。最後に出てくる御大E・Mセイントも
いい感じ。

19世紀後半、欧州からの移民だった夫妻、夫が結核と診断され、生まれて間もない赤子を
夫妻は、強制帰国の船の中にあった「正義の都」号の模型の船に載せて、大海に降ろした。
運を天に任せ。この赤ちゃんが、ニューヨークの男に拾われ、やがて腕の良い泥棒となる。
親分が悪魔の手先(この世の生き物ではない)ラッセル・クロウ演じるパーリー。そのまた
親玉が「悪魔」そのもののウィル・スミス。という布陣だ。

で、主人公ピーター・レイク(コリン)は、親分と衝突、組織を抜けようとしていて、追い詰められた
ところを一頭の白馬に助けられる。この馬、所謂ペガサスなんだよね。
で、もうぼちぼち足を洗って街を抜けだそうと最後に忍び込んだ邸宅にいたのが美しくも
肺結核で余命いくばくも無いベバリー(ジェシカ)と出くわしてしまうのだった。あまりの美しさに
一目惚れしたピーターは盗みを中止。お茶を御馳走になって帰るのだった。

自分の裏切ったピーターを許さないパーリーは、ベバリーを捉えることによりピーターを
誘き寄せようと計画する。一方ピーターはべバリーの父(ウィリアム・ハート)に本当の事を
打ち明け、ベバリーを心から愛している、というのだった。

心をすっかり入れ替えたピーターは、ベバリーを誘い出してダンスパーティーに出かけたり
楽しんでいたが、結核が伝染ることを恐れて近づけなかったベバリーも、パーティーの夜、
ついに結ばれることになったのだ。しかし、その夜を最後としてベバリーはこの世を去って
しまう。まだ21歳だった。その死には、パーティー会場に潜り込んでいた悪魔の手先が
ベバリーの飲み物に毒をもったようだった。
さらに、悪魔からピーター殺害の許可を貰ったパーリーは、多数の手下を連れてピーターを
追い詰める。万事休したピーターは、ブルックリン橋から落とされて絶命したかに見えた。

しかし、ピーターは2014年に記憶を全く失った青年として現れた。公演で転んだ女の子を
助けたピーターは、彼女の母バージニア(ジェニファー・コネリー)と出会う。彼女は新聞記者で、
彼が誰なのか、僅かな記憶を辿る作業を手伝う。図書館のマイクロフィルムから、かつて
ベバリーと過ごした邸宅を発見。父の名前も判明、何とバージニアの勤める新聞社の
創業者であったのだった。そして、マイクロフィルムにはピーターとベバリーの2ショットの
写真が。バージニアも、タイムトリップと奇跡を信じざるを得なかった。そして、バージニアが
勤める新聞社の今のオーナーこそ、ベバリーの小さい妹、小さなおしゃまさん、ウィラー
(E・M・セイント)だったのだ。ヒシと抱き合う二人。

バージニアの娘は末期がんに冒されていて余命幾ばくもない。原題にタイムスリップした際、
ピーターは頭に浮かぶ少女の画をチョークで描いては誰だか分からず悶々としていたのだが、
バージニアの娘こそ、その少女であり、ピーターは、自分が生かされて現代に蘇ったのは
この娘を助けるために違いないと確信したのだった。

その頃、100年以上も生き続けていた悪魔のパーリーは、ピーターが生きていたことを知り、
再び抹殺を狙い、身を寄せるバージニアの家にやってくる。しかし間一髪、屋上から白馬に乗って
空を飛び、かつてベバリーと生きた邸宅にやってきた。
更にパーリーたちも追いついて来た。ついにピーターとパーリーの最後の戦いが始まった。
しかし、ピーターは最後に持っていた「正義の都」号のプレートでパーリーのクビを切り、すると
パーリーの全身は氷となり、バラバラになっていった。ところがそこで娘が事切れてしまう。

その昔、 ベバリーの小さい妹が、白雪姫の話のようにベッドに寝かせると生き返る、と言って
いたそのベッドに娘を寝かしつけると、娘は息を吹き返したのだった。ピーターは自分が
100年を超えて生かされていた役目を終えると、白馬にまたがり、空彼方へと消えていった
のだった。

そんなお話。ファンタジーなのでまじめに見ると突っ込みどころもいろいろあるけど、まあ、
ファンタジーですから、そのあたりはスルーしながら観るべきでしょう。
「人は必ず役目を持って生まれてくる」という趣旨をピーターは赤毛の女の子を100年の
時を超えて奇跡を起こして助ける、ということだったのだが、なんであの女の子が選ばれた
のかなあ。 まあまあ面白かったです。
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by jazzyoba0083 | 2015-05-06 23:20 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)