リアリティ Reality

●「リアリティー Reality」
2012 イタリア・フランスFandango,Archimede,Le Pacte,Garance Capital.115min.
  監督・脚本・原案・(共同)製作:マッテオ・ガローネ
出演:アニエッロ・アレーナ、 ロレダーナ・シミオーリ、ナンド・パオーネ、クラウディア・ジェリーニ 他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白いブラックな映画であったが、物語が動き出すまでに30分以上かかるので、しばらく
観ていて、違う映画を見始めちゃったか、と一瞬録画リストをチェックした。このイントロは
個人的にはイラついた。それなりに意味があったのだが、もう少し短く描けなかったものか。
画竜点睛を欠いた。日本では劇場未公開。WOWOWにて鑑賞。

一旦物語が動き出すと、それは面白い。さすがにカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを
獲る実力を持った作品である。

魚屋を友人と営むルチャーノは、気のいいいかにもイタリアンという感じの男。周囲からも
評判はいい。大家族で住み、家族を愛していた。が、料理ロボットを妻と共に詐欺まがいの
セールスをする、という裏稼業もしていた。

普段から目立ちたがりやで、リアリティ番組出身のエンツォに憧れたりもしていた。
そんな折、街の近くのショッピングモールで開催された「ビッグ・ブラザー」というテレビの
リアリティ番組のオーディションに、家族に誘われて参加する。まんざらではなかった
ルチャーノは、仕事があって遅れて到着。そこをエンツォを捕まえたり、プロデューサーに
頼み込んでなんとか参加することが出来た。家族に語ることころによると、1時間も
喋って、スタッフはもっと聞きたい様子だった。これはいい線いくぞ、という自信だった。

しかし、本番収録が迫るがテレビ局からはなかなか予選合格の電話が入ってこない。
そのうちに、自分の家の周りにテレビ局の調査員が来ていて、リアルな自分を監視している
のじゃないか、と思い込み始めた。すると、疑心暗鬼はエスカレートし、周囲の浮浪者も
調査員に見え、家中のものを慈善だといって与えてしまうわ、家の中のコオロギさえ、何か
TV局の意思を持って入ってきた、と思い込むようにまでなってしまう。妻のマリアは
詐欺まがいの料理ロボットを売っているという後ろめたさも手伝い、番組に合格して
大金を掴みたいという気分でいたし、家族も、周囲の友人や村人たちも、ルチャーノが
人気ものになるだろう、と期待していたので、ルチャーノの思い込みの激しさはエスカレート
していく。ついには、魚屋まで売ってしまい、全てを番組合格に掛けてた。

周囲もルチャーノがおかしい、とは思い始めていた。妻のすすめでセラピーも受けてみた。
友人に誘われて教会に行き、神に救いを求めるというところまでい行く。しかし、ルチャーノは
途中から抜けだして、TV局のセットに忍び込み、あたかも自分が既にリアリティ番組に
入り込んでいるような気になってしまうのだった・・・。

「バカは死ぬまで治らない」っていうことかな。ルチャーノの思い込みの激しさもさることながら
家族をはじめとする周囲の期待にルチャーノが乗ってしまし、引くに引けなくなり、やがて
その状態がリアリティ(現実)となってしまうというブラックが描かれているだ。一人の男の
人生があることをきっかけに脆くも崩れていくという。一旦口にした大言壮語は、なかなか
引っ込めるのが辛いのだろう、特にイタリア男にとっては。妄想に飲み込まれてしまった
不幸な男の辛い話である。
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by jazzyoba0083 | 2015-05-13 23:20 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)