パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 Parkland

●「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 Parkland」
2013 アメリカ The American Film Company,Exclusive Media Group,Playtone.93min.
監督・脚本:ピーター・ランデズマン
出演:ジェームズ・バッジ・デール、ザック・エフロン、ポール・ジアマッティ、マーシャ・ゲイ・ハーデン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1963年11月22日は個人的にも忘れられない日であり、初の衛星放送で送られてきた衝撃の
ニュースは10歳の小僧にも衝撃的であった。日本は勤労感謝の日でお休みであったと思う。

さて、20世紀最大のミステリーとも言えるケネディ大統領暗殺を巡っては陰謀説を始め、多くの
捜査、研究がなされ、映画や書籍にもなっている。私はこのテーマのテレビドキュメンタリーを
初めとした記録に大いに興味があり、映画もテレビも放映があればほとんど観ている。

本作は、多方面からのアプローチが試みられているテーマについて、ドキュメンタリストの監督
らしい、冷静な目線と、「パークランド記念病院」という、大統領と、その後ジャック・ルビーに狙撃
され死亡するリー・ハーヴェイ・オズワルドが相次いで運び込まれた病院を主たる舞台にして、
暗殺の周辺にいた、ジャッキーやジョンソン副大統領、病院関係者、シークレットサービス、FBI、
有名なザプルーダー・フィルムを撮影したエイブラハム・ザプルーダ、そして犯人と目された
オズワルドの兄と母、彼らが大統領暗殺という世界の一大事の中で、翻弄される様子をまさしく
「活写」している。一言で言えば「衝撃」の中で人々はどう振る舞うのか、ということ。右往左往も
あり、冷静もあり、激怒もあり、焦りもある。そんな群像模様を折り重ねて描くことで、あの日と
3日間の合計4日間を粛々と描く。オズワルドの葬儀が印象的であった。

たまたま8ミリカメラを持っていたばかりに、後に世界史にも残るフィルムを撮ってしまうことになった
ザプルーダ(ジアマッティ)が一番特徴的だった。彼は「衝撃」の強さに二度とカメラを持つことは
無かったのだそうだ。そして、大統領とその暗殺犯人という二人の死の治療を施すことになった
パークランド記念病院の医師らの血だらけの苦闘。ことほど左様な大きな影響を、この事件は
全米の国民や世界の人々に与えたのだった。

オズワルドの背後関係や、犯行現場の検証、当時のケネディが置かれていた政治的立場などは
敢えて飛ばし、その衝撃の強さだけを個人を描くことで描出した力量は評価されるべきであろう。
当然、当時の映像や音が沢山使われるが、ザプルーダフィルムがそのまま映画に組み込まれる
ことは無かった。現像されたフィルムの試写でザプルーダのメガネに反射する光景のみである。
それがまた、インパクトを強めていたと感じた。
ダラスから大統領の棺をエアフォースワンに載せるところでは、荷物室に入れられない棺を
シークレットサービスらが苦心惨憺して機内に収めるさまなど、知らなかった事実もあり、
興味は尽きなかった。

出演者たちも、脇役系の実力派で固められていて、それがまたリアリティを獲得していたと思った。
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<ストーリー>
「ジャーナリスト出身でこれが初メガフォンのピーター・ランデズマン監督が、ジョン・F・ケネディ
大統領暗殺に揺れる非常事態下のダラスを舞台に、様々な形で事件に遭遇した人々の視点を
通して多角的に真相に迫る緊迫の実録群像ドラマ。
“パークランド”とは、暗殺された大統領とその2日後に今度は容疑者オズワルド自身が、ともに
瀕死の状態で運び込まれた病院の名前。
出演はザック・エフロン、ビリー・ボブ・ソーントン、ポール・ジアマッティ、ジャッキー・ウィーバー。

 1963年11月22日、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディが、ジャクリーン夫人と
ともにダラスの地に降り立つ。昼過ぎ、パレードを撮影しようと待ち構えていた8mmカメラ
愛好家のザプルーダーは、大統領を乗せたリムジンを視界に捉える。その時、3発の銃弾が
鳴り響き、一帯はパニックに陥る。やがて、市内のパークランド病院に瀕死の大統領が
運び込まれてくるが…。」(allchinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-06-10 23:10 | 洋画=は行 | Comments(0)