複製された男 Enemy

●「複製された男 Enemy」
2013 スペイン・カナダ  Pathé,Entertainment One (presents) 90min.
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ  原作: ジョゼ・サラマーゴ 『複製された男』(彩流社刊)
出演:ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
<決定的なネタバレを書いてます>
これは、映画の内容や結末を巡り、議論が起きるだろうこと間違いない映画だし、
タグラインも、「能力を試す」という挑発的なもので、私みたいな、素直でヘタレな
映画見は、なんのこっちゃかよく分からんかったですよ。メタファーの塊みたいな
映画だな、というのは分かるのですが、街を大きな蜘蛛が歩くというSF風なカットが
その前の怪しいクラブで、銀器の中から登場した蜘蛛が、女性のハイヒールに潰される、
ということや、ラストに妊娠6か月の嫁が巨大な蜘蛛であるというオチに至るまで
蜘蛛が何かのメタファーであろうというのは分かりました。しかし、この映画は、一人の
男の幻想の話であるので、邦題の「複製」というワードは観客をミスリードする。
まあ、厳密に言えば幻想の中で複製された男なのだが・・・。
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何から何までそっくりな男が近くにいる、という時点でありえない、と気がつくべきだろうな。
そして街に巨大な蜘蛛がのし歩く風景を見て、これは幻想であろう、とも気がつくべきだ
ろうな。そんな必死に考えなくちゃいけない映画は私の好みじゃない!ヘタレで悪かったな!

凄い高い評価をする人と、最後の蜘蛛は何なのさ、地球侵略物語か?と混乱する人、
ふた手に別れるのだろう。高邁な映画を高く評価して、高邁な映画見を自認する人は
ウソでもいいからいい映画だ、と言っておけば宜し!私は、トンチンカンだったぞ。

何が混乱するって、この映画には「幻想」と「現実」の線引がないから。マジでそっくりな
男が登場し・・・さてどうなるのか、と「現実」オンリーで考えていくと分からなくなる映画
であります。だまされた、と思って見ると結構衝撃かも知れない。
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<ストーリー>
ノーベル文学賞受賞のポルトガル人作家、ジョゼ・サラマーゴの同名小説をジェイク・
ギレンホール主演で映画化したミステリー。ある日見た映画の中に自分とそっくりな
俳優を見つけた歴史教師が体験する、悪夢のような出来事が描かれる。
監督はアカデミー賞外国語映画賞候補にもなった『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴ。

大学で歴史を教えるアダム(ジェイク・ギレンホール)が同僚から薦められたビデオを見て
いたところ、自分とそっくりな男(ジェイク・ギレンホール/二役)が出演しているのを見つける。
あまりにも似ており恐怖さえ覚えたアダムは、そのアンソニーという俳優について徹底的に
調べ、居場所までつきとめる。気付かれないように監視していたが、そのうちに彼と話して
みたい気持ちが膨れ上がり、ついに接触。
対面した二人は、姿かたちだけでなく、声も、生年月日も、生まれついたものではない
傷痕もまるっきり同じだった。自分とまるっきり同じ存在の出現に混乱する二人。
自己像が揺らぎ、それぞれの妻や恋人を巻き込んだ極限状態に陥っていく……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2015-06-19 23:20 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)