マイ・ブラザー 悲しみの銃弾 Blood Ties

●「マイ・ブラザー 悲しみの銃弾 Blood Ties」
2013 フランス・アメリカ Les Productions du Trésor,and more.127min.
監督・(共同)脚本:ギヨーム・カネ
出演:クライヴ・オーウェン、ビリー・クラダップ、マリオン・コティヤール、ミラ・クニス、ゾーイ・サルダナ、
    ジェームズ・カーン他
e0040938_13421541.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かったです。設定は良くある、出来の悪い兄貴と、正義の弟という構図に家族が
巻き込まれるクライムものにして家族ドラマでもある作品。
1974年のNYという設定で、衣装、町並み、クルマ(これが素晴らしい)、音楽、
時代考証と実際のプロダクションデザインが、この時代を知る世代を泣かせる。

刑事の弟役のビリー・クラダップという役者さん、多くを知りませんが、年なのか若いのか
よく分からんかったけど、存在感の大きいクライヴ・オーウェンに負けずに頑張っていた。
女優陣が豪華だった。

結論から言えば、みんな「自業自得」、「身から出た錆」で人生を台無しにしているんだ
けど、特にタイトルになっている兄弟愛は、まさしく「血は水より濃し」というカタルシスに
繋がっていく。極悪人の兄貴なんだけど、いろいろあって喧嘩もしてきたが、やっぱり
血の繋がった弟、そして兄であったのだな。この邦題より原題のママの方が良かったんじゃ
ないかな、と思った。

クライヴ・オーウェン演じる50がらみの長男クリスは、幼い頃からの悪で、これまでの
人生のほとんどを少年院や刑務所で過ごしてきた。相当に大きくなった子どもたちと
初対面だったり、妻は、嘘ばかりの旦那に愛想を付かしていた。

弟のフランクはNYPDの刑事で、その能力は幹部に買われていた。しかし、兄の存在が
ネックとなっていた。クリスは出所後、弟の口利きで自動車修理工場で働き始めるが
まじめに働いたことのないクリスにとって耐えられない仕事であった。そこでレジ係の
女性ナタリー(ミラ・クニス)と知り合い、いい仲になる。

一方弟のフランクは、かつてから交際していた黒人女性で、その後結婚した旦那がこれまた
悪いやつで、服役してしまったのだが、その女性ヴァネッサ(ゾーイ・サルダナ)との縁が
切れないでいた。

そんなか、やっぱり悪事から手を洗えない兄は、付き合い始めたナタリーに、カネがない
ばかりに何もしてあげられないことに焦燥、結局強盗の手配師から、飲み屋を襲って
カネを強奪する仕事を請け負う。結構手荒に人を殺しまくる。働いていた少年すら
一瞬躊躇するが射殺してしまう。根っからの冷血なんだな、と思わせる。
当然、手配師は更にでかい仕事をクリスに持ちかける。現金輸送車を襲うのだ。

警察は事前にこの強盗の情報を入手し、弟も含めて貼りこむが、銀行前では何も起きず、
警察は解散してしまう。しかし、走り去った輸送車の後を追いかける兄の姿を目撃し、
追うフランクと相棒。兄を含む強盗団は、ニセのパトカーと警官を使って輸送車を停めて、
爆弾で扉を開て、中から現金を強奪、ここでも容赦の無い殺戮が繰り広げられた。
フランクはショットガンを持ち、応援を待て、という相棒を無視して、強盗団に銃撃を
浴びせる。しかし、強盗団は逃走。目出し帽の兄は走って逃げるが、弟の銃弾を背中に
受ける。走ってきたトラックを停めて逃走しようとするが、弟が追いつく。覆面の男に
銃を構えた弟は、その男が兄と知り、逮捕することが出来なかった。兄はまんまと逃げる。

当然警察署内では、フランクに兄を見逃したのか、という嫌疑がかかる。そこでフランクは
刑事を辞めてしまう。

フランクと付き合い始めていたヴァネッサは獄中にいる夫に離婚話を持ち出す。激怒する
夫だった。一方大金を手に入れたクリスは、元妻に管理買春をさせ、さらにカネを儲け始めた。
さらに、クリスはナタリーにプロポーズし、結婚することになった。弟に式に来てくれと頼む
クリスであったが、フランクは姿を見せなかった。

そうこうするうちにヴァネッサの夫が出獄し、クラブで兄クリスと対面、嫁に手をつけた
弟を許さないと口にすると、激怒したクリスは夫をボコボコの半殺しにして、「弟に手を
出してみろ、俺が必ずお前を殺す!」と言うのだった。
そんな状況で、弟フランクは、ヴァネッサと、しばらく遠くの街に逃れることにした。
一方、フランクは、警察の手が兄に伸び始めていることを仲間から知り、兄に電話、
幼いころ、それをやらなかったばかりに、兄は補導された「人が近づいたら3回ノックしろ」
という行為を電話機でテーブルで叩いて知らせたのだ。すぐにそれが何を意味するか
理解したフランクは、身重になったナタリーを置いて、弟の家に向かった。

しかし、ヴァネッサの夫は、フランクの大家から所在を聞き出し、復讐しようとグランドセントラル駅に
向かった。そのことを知ったクリスは、パトカーに追いかけられながらも駅に急ぎ、
弟を狙う夫を見つけ、銃撃する一歩手前で、彼を射殺、あとから来た警察に潔く降伏
したのだった。

この物語に、兄弟と家族、特に父親とのことが挿話として語られる。初めは良くあるB級映画か
と思っていたら、なんとなんと、結構面白い構成で、緊張しつつ見ることが出来た。

描かれている人物一人ひとりは欠陥を抱えたダメ人間。管理買春していたクリスの元妻も
警察に捕まった。まあ、彼女が免罪符としてクリスの悪事を警察に垂れ込んだのだけれど。
冒頭にも書いたけど、「血は水より濃し」ということで、宜しいのではないでしょうか。
クルマ好きとしては70年代のクルマを良くも沢山集めたな、と感心してしまった。
日本ではアンダーレイテッドな作品じゃないでしょうか。
e0040938_13424512.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/23312099
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2015-06-22 23:30 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)