人生はマラソンだ! De Marathon

●「人生はマラソンだ! De Marathon」
2012 オランダ Eyeworks Film & TV Drama  113min.
監督:ディーデリック・コーパル
出演:ステファン・デ・ワレ、マルティン・ヴァン・ワールデンベルフ、フランク・ラマース、マルセル・ヘンセマ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
オランダ映画というのは初めてじゃないにしても、めったにお目にかからない。WOWOWならではの
作品。こういう映画を見せてもらえるのは単館になかなか行けない身としては嬉しいことだ。
本作、邦題通りで、4人の中年オジサンが人生を掛けてフルマラソンに挑戦する話。と書くとコメディ
っぽいが、ブラックな点もあるが結構シリアスな人生ドラマだ。ストーリーは難しいことはなく
ありがちな内容だが、オジサンの頑張る様と回りの人間が見つめる目の変化に心温まる一編と
なっている。まあ、あんなメタボオジサンが半年でフルマラソンを完走出来るようになる、とは
無理がありそうだが、それが出来てしまう感動が映画なんだろう。ガンが転移して血を吐くような
主人公格のオジサンも、残り300メートルまで走るんだものね。(途中で歩くけど)

自動車修理工場を経営するギーアとレオ、キース、ニコの中年というか初老のオジサン4人と
足が不自由なエジプト人青年ユース。オジサンたちはビールを飲んでカードばかりやっている。
働いているのはユースだけだ。そんな自堕落な生活があだとなったか、工場は4万ユーロの
税金を滞納し、差し押さえ寸前。かつて賞金がかかったマラソンを走ったことのあるユースの
話に触発されて、オジサンたちはロッテルダムマラソンに挑戦し、そのユニフォームにスポンサーの
名前を入れ、広告代を稼ごうとした。

ユースの叔父さんが大きな高級外車の中古車店を経営していてかつてスポンサーになってくれた
というので、みなで頼みに出かける。渋っていた叔父さんだが、ギーアが4人完走したら4万ユーロ、
出来なかったら、工場を差し出すという条件を出し、スポンサーになってくれることになった。

さてそれからが大変。ちょっと走っただけで息があがってしまうような腹の出たオジサンたち。
コーチを引き受けたユースは、まずスポーツショップへ連れて行き、かっこいいランニングウェアを
買う。しかし、タバコは吸うわ、ビールは飲むわで、なかなか怠け癖が抜けない。
「工場を渡してもいいのか!」というユースの励ましに、タバコを絶ち、ビールを止め、ジムに通い
鍛えはじめたオジサンたち。シューズショップの若い男性店員が気になって仕方のないゲイっけの
あるニコ、娼婦と結婚し赤ちゃんが居るにもかかわらず、娼婦グセが抜けない女房がいるキース。
お金持ちの妻と結婚いたが、敬虔なクリスチャンであるため日曜は必ず教会に行かなくては
ならず、そのことが窮屈でしょうがないレオ。そして、工場を経営するギーアは食道ガンが肺に
転移し、咳き込むと血を吐く身。しかしそのことは家族に知らせず人生の証として走ることを諦め
なかった。息子は反発ざかりで親のことを聞かない。

そんなオジサンたちでも頑張ってついに30キロ走を制覇。試走をしようとエントリーしたマラソン大会に
クルマは怖いから列車で来いとユースに言われていたのに、オジサンたちはクルマで出かけ、
駐車場が見つからず、遅刻。彼らは出場を止めて、酒場や売春街に繰り出す始末。
帰ってきた4人に対し、当然ユースは激怒。レオが、ユースを雇ったのは足の悪い身障者を
雇うと政府から補助金が出るからだよ、と言ってしまい、ユースは飛び出ていってしまう。後を
追ったギーアは、自分の病気のことを説明する。驚き、止めるように説得するユースだが
自分の意思として走るんだ、と聞かないギーア。コーチを続けることになるユースであった。

いよいよロッテルダム・マラソンの日がやって来た。前の日、日曜日には教会に行かないと
奥さんから出て行け、とわれてしまうレオは、マラソンを止めると言い出す。これで計画は
パーになってしまった。怒るみんなだが、しょうがない。またビールを飲み自堕落な感じに
戻っていく。しかし、当日の朝、教会から抜けだしたレオは皆のもとに駆けつける。さっそく
ユニフォームに着替え、走ってスタート地点へ。
黄色と紫のユニフォームには中古車屋のロゴが。意気込んで走り始める4人。それぞれの
家族たちも応援にかけつけた。初めのうちは順調だったが、やはりフルマラソンは簡単では
ない。それでも、オジサンたちの意思は固く、遅れたギーアを残し、3人はゴールイン。

遅れたギーアは途中でテレビ中継班の移動バイクからインタビュー受け、賭けをしたんだ、
4人の仲間で完走できたら4万ユーロ、だめなら工場を手放すのさ、と。その様子をギーアの
息子が仲間たちとテレビで観ていた。オヤジが頑張っている・・・。息子の眼の色が変わる。

ついに最後の一人になってしまったギーア。彼の後ろには数十台の白バイが。凄いVIPが
走っているようだ。苦しい中、渾身の力を振りきって、走るギーアだったが、あと300メートルという
ところで倒れてしまう。そして救急車で病院へ。緊急手術が行われるが、駆けつけた仲間や
家族の祈りも虚しく、ギーアは帰らぬ人になってしまう。
その後、仲間3人とユースは何をしたか。それが冒頭に掲げたポスター写真だ。あの写真の中の
車いすのギーアは、もう亡くなっているんだ。仲間があと300メートルを車いすに乗せてゴール
させたのだ。そして半年後、自動車工場ではギーアの息子がオジサンたちと働いていた。
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よくよく考えると、どうってことないお話なんだが、なんかオジサンたちが頑張っている、回りの
見る目が変わる、そしてラストの友情、息子の変化と、こころホンワリとなってしまう。
大向こうを唸らせる作品ではないが、ホノボノと心温まるそしてシンミリする佳作といえよう。

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-07-15 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)