ドム・ヘミングウェイ Dom Hemingway

●「ドム・ヘミングウェイ Dom Hemingway」
2013 イギリス Recorded Picture Company (RPC),BBC Films,and more.94min.
監督・脚本:リチャード・シェパード
出演:ジュード・ロウ、リチャード・E・グラント、デミアン・ビチル、エミリア・クラーク、ケリー・コンドン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ジュード・ロウって、あんなに禿げてたっけ、というのが第一印象。ww 日本劇場未公開
(さもありなん)なのだが、公開されたらR-15+必至な内容。セックス&ドラッグだものね。

金庫破りのプロ、ドム(ジュード・ロウ)は、親分の罪をかぶって12年間という長きに渡り
口を割らず務め上げた。その間、嫁さんは他の男と再婚し、ガンにかかって死亡、産まれた
ばかりの娘の少女時代を見ることもできなかった。娘はセネガル人と結婚し、クラブで歌い、
小さい子供を育てていた。

自ら「怒りをコントロールできない」というほど、激昂型の人間だが、なぜか約束はバカみたいに
守るのだ。裁判で証言さえすれば、妻の最期にも立ち会えただろうし、娘の少女時代を
見守りながら生きることもできたはずだ。あとから大反省するのだが、もう時は戻ってこない。

このドム・ヘミングウェイという男の有り様を描く短めの映画だが、最初、頭が悪くすぐに
切れるバカな男のバカな人生の話、と思っていたのだが、だんだんしんみりするタッチに
変化する。ドムという男、頭は悪いし、切れやすいのだが、根は約束はばかみたいに守る
純情な面を持つ男なのだ。そのあたりの自分の中での折り合いのつけようの心理描写が
面白い。

12年経つと、パブは禁煙になっているし、いろいろと分からない仕組みもあり戸惑うが、
まずは、罪をかぶってやったロシア系ギャングのフォンテーヌの所に分前をいただきに
行く。そこで見つけたパオリーナというフォンテーヌの女に一目惚れ、12年も我慢したのだ、
という気持ちが先立ち、分前とプレゼントとしてパオリーナをよこせ、と酔に任せて
言いたい放題を言う。しかし、やりすぎてしまい、フォンテーヌを怒らせてしまう。仲間の
ディッキーに諌められ、慈悲にすがり、謝れ、と説得され、根が正直なドムは、夕食の席で
先ほどの悪態について謝る。フォンテーヌは赦し、分前25万ポンドと利子として50万ポンドを
与えた。有頂天になり女を侍らせコカインを吸い、フォンテーヌやデッキーらと大はしゃぎをする。
そこでメロディーという女性を知る。

彼らはオープンカーでフォンテーヌの家からドライブに出るのだが、なにせ酒に酔いドラッグを
吸っての運転なので、大事故を起こしてしまう。フォンテーヌはフェンダーが体に刺さり、
おそらく死亡。そこでドムは瀕死のメロディーを蘇生術で生き返らされる。メロディーから
「命の恩人よ。人の命を助けた人は神様から幸運をさずかるわ」みたいなことを言われるのだが
ドムは大金を心配する。いそいでフォンテーヌの家に戻ると、すでにパオリーナがカネを奪って
逃げるところだった。後を追いかけるが、クルマのパオリーナに逃げられてしまう。

カネが無くなり、娘には嫌われ、幸運など訪れるどころか不幸の連続。ドムはかつての敵に
仲間に入れてくれと頼む。かつてドムは敵の猫を殺していて、彼はそのことに大きな恨みを
持っていた。そこで、一定の時間に電子金庫を開けたら仲間にする、しかしだめだったら
お前の「息子」を切るぞ、と条件を付ける。自分を天下一の金庫破りと自称しているドムだったが
ディッキーは12年の間に電子金庫が登場し、簡単には破れないと心配する。
しかし、ドムは、敵の事務所にある電子金庫を変な方法で開てしまう。しかし、敵が開けろと
言っていたのは金庫の中の小さい金庫であり、まんまと罠にはまったドムは「息子」切断の
危機に瀕する。しかし、ビルのセキュリティが入ったため、逃亡に成功したのだった。

ある日、道で、助けたメロディーに出くわす。メロディーに「幸運なんて全然だ。不幸ばっかりだ」と
こぼすが、何が願いなの?と聞かれると「カネ」と。本当にそうなの?と更に聞かれると
「娘に受け入れて欲しい」と本音を語る。

ドムは娘と会い、妻の墓参りに一緒に行ってくれないか、と頼むが、断られる。一人寂しく
亡き妻の墓石の前で、反省の言葉を口にし、泣き崩れるのだった。そこにマゴの姿が。
娘もマゴを連れてきていたのだ。父親の態度を見て、次第に心を開き始めた。

それが嬉しいドムであったが、更にカネを奪って逃げたパオリーナが男とレストランに
入ることころを目撃。すぐに後を追い、さんざっぱら脅しに脅す。おそらくカネは帰すのだろう。
そして、レストランから出てきたドムの手にはパオリーナが付けていた高価な指輪が
握られていた。「幸運がやってきた」。ドムの顔に笑顔が浮かぶのだった。

そんなお話。ジュード・ロウの一人芝居風なのだが、一人の真面目馬鹿な泥棒の切ない
人生が面白かった。冒頭、刑務所で裸のドムが自分の「息子」を自慢しながら、同房のやつに
奉仕させる光景と、妻の墓で泣き崩れ、娘に赦しを乞う光景の対比も面白い。
万人におすすめできる映画ではないし、何を言わんとした映画かよく分からない、という声も
納得できるのだが、「真面目馬鹿な金庫破りの反省人生」という人生の断面を見る作品と
して、まあ全体に面白かったです。
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この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-07-28 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)