テレーズの罪 Thérèse Desqueyroux

●「テレーズの罪 Thérèse Desqueyroux 」
2012 フランスLes Films du 24 and more.110min.
監督:クロード・ミレール  原作: フランソワ・モーリアック 『テレーズ・デスケルウ』(講談社刊)
出演:オドレィ・トトゥ、ジル・ルルーシュ、 アナイス・ドゥムースティエ、カトリーヌ・アルディティ 他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
モーリアックの名著「テレーズ・デスケルウ」の映像化。クロード・ミレールには遺作となった。
フランス文学が原作らしい雰囲気を持つ思索的、重く暗くもある映画だ。日本劇場未公開。
コケットな魅力のオドレイはここでは、夫の毒殺をもくろむシリアスな役どころだ。
新妻としては老けているが、文学性を表すにはナイスキャスティングだったと思う。

原作は未読だが、殺されそうになってもなお、家のことが大事だとはいえ妻をどこかで愛している
夫の気持ちが不思議だ。そして、家と家の結婚と割り切りながらも、義理の妹の自由な恋愛に
当てられ、二人を別れさせ、かつ夫の毒殺を試みる。彼女は自由が欲しかったのか、何のために
夫に毒を盛ったのか、よく理解できなかった。娘を取り上げられても大騒ぎするでもなく、
心の一部が死んでしまったかのようなこの主人公。 また殺されそうになっても、妻を守ろうとする
夫は、単に家のことだけを考えていたとは思えない。でも、娘に会わせない、さらに離縁するという
行動。これもなかなか難しい心理だ。 最後の別れの時、夫はテレーズに自分を殺そうとした動機を
尋ねるが、説明は出来ない、という。本人が分からないというものを、観ている人が分かろうとする
のはなかなか難しいのではないか。
ラストシーンの主人公テレーズの笑顔は、解放された笑顔なのか、幼いころからずっと自分を縛って
来た家のこと、人間関係をリセットしえた女の喜びととらえるのが正解なのであろうか。

時代は1920年代の終わりころ。舞台はフランスのボルドーからスペインよりの海岸地帯。
松林が美しい地方である。モーリアックの生きた時代だろう。その時代の一人の女性の生き方を
提示した。女性の地位がまだ今日ほどではなかった時代、女性の心に潜む思いや覚悟を
モーリアックは表現しようとしたのだろうか。
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<ストーリー>
1920年代のフランス・ランド県で地主の娘テレーズは親同士が決めた政略結婚で同じ
地主のデスケルウ家に嫁ぐ。当初は愛のない結婚に疑問を持つこともなかったテレーズ
だったが、義理の妹で親友でもあるアンヌの身分違いの恋を目にする等するうちに、
古臭い価値観に縛られたデスケルウ家での生活に次第に息苦しさを感じるようになる。

そして夫ベルナールが心臓の薬としてヒ素を少量飲んでいたことから、医師の処方箋を
偽造して購入したヒ素をベルナールに分からないように大量に飲ませてヒ素中毒にして
しまう。
不審に思った医師らによってテレーズがベルナールにヒ素を飲ませていたことが明らかに
なり、テレーズは処方箋偽造の罪で告訴される。家名を重んじるデスケルウ家とテレーズの
実家によって告訴は取り下げられ、ベルナールはテレーズとの夫婦関係が円満であると
対外的に見せかけることにするが、テレーズは娘との面会を禁じられ、粗末な部屋に
幽閉される。

月日が経ち、気力を失ってやつれ果てたテレーズの無惨な姿を見たベルナールは、
良家に嫁ぐことになった妹アンヌの結婚式が終わったら、テレーズを自由にすることを約束する。
こうしてパリに移り住んだテレーズは健康を取り戻す。ベルナールは改めてテレーズに何故
自分にヒ素を盛ったのかを尋ねるが、テレーズはその理由をどんな言葉で説明しても嘘が交じって
しまうとして明言を避ける。そして赦しを請うテレーズをベルナールは赦し、娘と会うことも認める。」
(Wikipedia)

この映画の詳細はlこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-08-31 23:45 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)