ファーナス/訣別の朝 Out of the Furnace

●「ファーナス/訣別の朝 Out of the Furnace」
2013 アメリカ Red Granite Pictures,and more.116min.
監督:スコット・クーパー
出演:クリスチャン・ベイル、ウディ・ハレルソン、ケイシー・アフレック、フォレスト・ウィテカー、
    ウィレム・デフォー、ゾーイ・サルダナ、サム・シェパード他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
豪華出演者、プロデューサーにデカプリオが入っていたりで、海外の評価も悪くなかったので
観てみたが、「重い、暗い、やるせない」作品だった。それなりに意味があるから、見応えが
無いわけじゃないけど、ラストも含めて救われない感じが横溢している。
気分が落ち込んでいる時に観ないほうがいいと思う。

製鉄所がある小さな町。息が詰まりそうな閉塞感の中で、父親も兄も製鉄所に勤める。
弟は、これを嫌って軍に入隊し、イラクに4度も派遣され、精神を壊して帰ってくる。

一家を次々と襲う不幸。兄は懸命に生きようとするが、神に見放されたかのように不幸が
連鎖する。弟の件も含めて。どうあがこうと町を出て生きていくすべもなし、父は長患い。
彼らは一体どうすればいいのか・・・。絶望の淵で懸命に生きようとする兄弟の様子を
観客の生活に近いレベルで描き、「開放されない閉塞」の世界が提示される。この暗い
重い映画から、観客は何を受け取ればいいのだろうか。観終わってもカタルシスのない
やりきれなさに心が重くなるのである。

出演者は豪華。兄にクリスチャン・ベイル、弟にケイシー・アフレック、兄弟の人生に
重く暗い影を投げかける大悪党にウディ・ハレルソン、兄の愛人にゾーイ・サルダナ、
兄が飲酒で交通事故を起こしてしまい服役中にゾーイと懇意になる地元警察のシェリフに
フォレスト・ウィテカー、兄弟の伯父にサム・シェパードという配置。
特に、悪党のウディ・ハレルソンの個性が光った。もちろん、金もないし、困った弟と
病身の父を抱え、製鉄所の安月給で何とか幸せをつかもうとする兄クリスチャン・ベイルも
好演だったが。

途中で兄が伯父と出かける鹿狩のシーンがあり、兄は獲物と目が合うと撃てない。だが
伯父が仕留めた鹿を二人で解体し、首は飾りの剥製に、という進行と、弟が闇でやっている
賭けの殴り合いの光景がカットバックされる。「ディア・ハンター」を想起させるところで
あるが、兄と弟のポジションを明確化するメタファーとはなっているわけだ。

しかし、ラストで弟を殺した悪党を猟銃で一発では仕留めず、保安官が来て止めるのも
聞かず、2発食らって尚逃げる悪党を遠くから仕留める兄の姿に、鹿は撃てなかったが
弟を殺った悪は殺すぜ、という兄の心情のカタルシスを形成する。

アメリカという国の底辺にある側面・病理を提示している作品なのだろう。ファーナスとは
英語で「溶鉱炉」という意味だそうだ。
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<ストーリー>
 「ダークナイト」「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベイルが、ウディ・ハレルソン、ケイシー・
アフレック、フォレスト・ウィテカー、ウィレム・デフォーら実力派キャスト陣との共演で贈る
クライム・ドラマ。不況に苦しむ工場地域を舞台に、犯罪組織とのトラブルに巻き込まれた
弟の復讐を果たすべく立ち上がった主人公の運命を描く。
監督は「クレイジー・ハート」のスコット・クーパー。
 
ペンシルベニアのブラドック。そこは、溶鉱炉(ファーナス)が立ち並ぶさびれた鉄鋼の町。
年老いた父親の面倒を見ながら製鉄所で地道に働く寡黙な男ラッセル。恋人リナの存在を
励みに、貧しくも真っ当な人生を送っていた。
そんな彼の気がかりは、イラクから帰還した弟ロドニー。仕事もせずにギャンブルに手を
出して借金を重ねていた。問題ばかりを起こす弟の尻ぬぐいに奔走するラッセルだったが、
不注意で人身事故を起こしてしまい収監されてしまう。数年後、ラッセルがようやく出所した
とき、彼がギリギリで守ってきた平穏な生活は跡形もなく消え去っていた。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2015-09-03 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)