超高速!参勤交代

●「超高速!参勤交代」
2014 日本 松竹 製作委員会(テレビ東京、博報堂、ケイファクトリー他) 119分
監督:本木克英  原作・脚本:土橋明宏
出演:佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児
    市川猿之助、石橋蓮司、陣内孝則、西村雅彦、甲本雅裕 他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった。奇抜なアイデア、(実際にこんなことがあったのかどうかは寡聞にして知らないが)
土台の土橋氏の発想・脚本が素晴らしい。昨年度の日本アカデミー賞脚本賞、ブルーリボン賞
作品賞を獲っている。

出演者も、所謂重鎮やビッグネーム、例えば最近の邦画の常連である佐藤浩市、役所広司、
中井貴一といったところがでておらず、そういう意味で言えば軽めの配役だが、それが物語に
功を奏している。殿様の佐々木、家老の西村、近習の寺脇、上地、知念、柄本、六角、忍びの
井原、幕府老中の陣内、将軍の猿之助と、それぞれキャラクターが生きた配役と演出である。
そこに紅一点、深キョンが花を添える。 

帰ったばかりの参勤交代。田舎の弱小藩に降って湧いた5日間での江戸城出府、という
無理難題に敢然と挑戦する武士たちの物語が、奇想天外な設定で、後の周囲にある
エピソードは水戸黄門にも出てくるような勧善懲悪のものだ。故に彼らの苦労は報われ
正義は勝ち、悪は懲らしめられるので、見ている方は溜飲を下げることが出来る。

仲間に加わったものの、金さえ貰えれば途中で一行から逃げるつもりだった、忍びの
雲隠段蔵(井原)も、殿様の人柄に惚れて、最後は味方に付く。また兄弟藩の殿様
(甲本)が、自分の行列を佐々木らに貸して幕府の役人がいる宿を突破する、など
友情が嬉しい場面もあつらえられている。ラスト、悪老中の悪巧みを暴くことになった
殿様に引導を渡し、将軍吉宗から親しく褒められる殿様という、観客を嬉しくするシーンも
多く用意されていて、観終わって気持ち良い。

加えて、剣戟もきちんとしていて、田舎侍たちだが殿様以下、みな武芸百般に秀で、
一騎当千の武士であり、強いのなんのというものスッキリする。片や、強行軍になる
ため、重い刀を竹光にしたばっかりに、危ない目にあったり、とても江戸城までは無理、
と覚悟した家老が腹を切ろうにも竹光ではどうしようもなかったりのユーモア。
更に女郎である深キョンを殿様が惚れてしまい、最後には側室になる、というオマケ
までつく。

全体にテンポがよく、演出、演技、物語それぞれに出来がよく、満足できる映画となった。
それこそ、佐藤浩市や役所広司が出てくる髷物は重厚で見応えがあるものが多いが
こうしたコメディタッチの作品を見応えあるように作るのは難しいのではないか。
軽すぎても重すぎても、嘘っぽくてもいけないわけだし。そういう点では本木監督は
手堅くまとめたといえる。
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<ストーリー>
優秀な映画向けの脚本に与えられる城戸賞に輝き、小説化されるやベストセラーとなった
土橋章宏の同名作を映画化したコミカルな時代ドラマ。
幕府から無理難題を押しつけられた小藩の藩主が藩と領民を守るため、知恵を絞って、
逆境に立ち向かっていくさまが描かれる。
藩主を佐々木蔵之介が務めるほか、個性派俳優が多数顔を揃えている。

元文元年春、磐城国の湯長谷藩は徳川八代将軍吉宗の治める江戸幕府から、通常8日
かかる道のりにも関わらず突然5日以内に参勤交代をするよう命じられる。
湯長谷の金山を手中に入れようとする老中・松平信祝(陣内孝則)の策略によるものだった。

わずか1万5千石の小藩にとって、ただでさえ貯蓄も人手もない上にあまりにも短い日程を
強いられたこの参勤交代は到底できようもないものだった。あまりの無理難題に憤りながらも、
藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は家老の相馬兼嗣(西村雅彦)に対策を講じさせる。
そして、藩の少人数のみで山中を近道して駆け抜けていき、道中の人が見ているところでは
渡り中間を雇って大人数に見せかけるという作戦を立てる。
さらに東国一の忍びと言われる戸隠流の抜け忍・雲隠段蔵(伊原剛志)を道案内役に任じるが、
一方で幕府の老中らはこの参勤交代を阻もうと手をのばしてくる……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-09-09 23:20 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)