2015年 10月 11日
きみがくれた未来 Charlie St.Cloud
2010 アメリカ Universal Pictures.99min.
監督:バー・スティアーズ 原作:ベン・シャーウッド 『きみがくれた未来』(角川書店刊)
出演:ザック・エフロン、アマンダ・クルー、チャーリー・ターハン、レイ・リオッタ、キム・ベイシンガー他
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
原作は未読。悪い映画じゃないのだが、青春映画臭さが強くなってしまい、今ひとつ
シンパシーを感じることが出来なかった。原題のチャーリー・セント クラウドとは
ザック演じる青年のフルネーム。珍しい名字だが、どこか本作の内容が匂ってくる。
テレビ界が産んだモテ男、ザック・エフロンも30が近くなり、最近はシリアスな役どころも
演じるようになってきた。しかし、本作ではかっこいい好青年を演じている。
邦題に付けられた「きみ」が誰を指すのか、人によるかもしれない。弟サム?チャーリー=
ザックをAEDで助けた救命救急士(レイ・リオッタ)?、最後に結ばれる同級生テス=
アマンダ・クルー?
半ばあたりで、おっ、そう来たか、という展開はあるが、自分のせい(運転していた)で
弟が死んだ、と自分を責めるチャーリーが、いつまでも弟の魂に束縛されて、
「死んだも同然」(自分でも言うが)の暮らしをしているのが、どうもまどろっこしい。
彼女にも言われるのだが「あなたは生きているのよ」ということがなかなか分からない。
弟サムもいい加減にお兄ちゃんを開放してあげればいいのに・・・、とか。
ヨットで大学の奨学金を取れるほどのチャーリーが、いきなり墓守かよ!というほどの
落差もありすぎ(まあ、原作があるからしょうがないのだろうけど)な感じだ。
そんな生活にカツを入れたのが、ガンに罹り自分も先がない救命救急士フロリオ。
「きみは神に生かされたのだ。意味のない奇跡などない」と言われ、もがき始める。
そんな折に、高校の同級生でヨットの名人テスが世界一周に出かけるという。
彼女はキャプテンの忠告を無視し、嵐に突入する訓練を一人でしてしまい遭難する。
チャーリーは霊が見える特異体質だったのだね。弟の霊も、戦死した級友の霊も、
そして海難で瀕死のテスの姿も見えたのだ。彼女は死んでいない、とキャプテンの
船を奪うようにして救助に向かう。そして岩場の洞窟の中で低体温症で瀕死の
テスを発見、自分の体で温めて彼女を救うのだ。(この下り、結構無理があり
臭い) 弟の事故死以来、5年間ヨットに触らなかったチャーリーも、大枚はたいて
外洋クルーザーを買い、(スクラップ寸前というわりには結構綺麗ででっかい!)、
自ら手を入れて、テスと二人で世界一周に出かけるのだった。
ザック・エフロン全面フィーチャーの、ファンにはたまらない映画でしょう。本国ほど
日本では客が入らなかったんじゃないかな。救命救急士レイ・リオッタや兄弟の母に
キム・ベイシンガーを配したが、効果はいかばかりであっただろうか、と疑問符が付く。
くどいようだが、悪い映画じゃないのだが、どうも、後半の臭さが気になるのであった。
<ストーリー>
「ハイスクール・ミュージカル」の人気スター、ザック・エフロン主演のファンタジー。
固い絆で結ばれた弟を亡くし、苦悩する青年が弟のゴーストと出会い、自らの人生を
見つめ直す姿が描かれる。
兄弟の母親役に扮したキム・ベイシンガーや、レイ・リオッタといった往年の名スターが
脇を固める。
チャーリー・セント・クラウド(ザック・エフロン)は、女手一つで家計を支える母のクレア
(キム・ベイシンガー)、自分を慕う11歳の弟サム(チャーリー・ターハン)とともに暮らす
高校生。
ヨットの才能に恵まれた彼は、スポーツ奨学金を得て大学進学が決まっていた。だが、
卒業式の夜が運命を変えた。大規模な自動車事故に遭遇した彼は、奇跡的に命を取り
留めるが、同乗していたサムは帰らぬ人となる。
弟を守れなかったことに強い罪悪感を覚えるチャーリー。葬儀の最中、いたたまれなく
なった彼は、逃げるように墓地の裏手の森へ駆け込む。かつて2人は、ここで一緒に
野球の練習をすることが日課となっていた。だが今はもう、キャッチボールの相手はいない……。
その時、目の前に赤いジャンパーを着たサムが現れる。驚きながらも弟との再会を喜ぶ
チャーリー。
2人はこれから毎日、夕暮れの時間に何があってもこの場所で練習を続けるという約束を
交わすのだった。そして5年後。進学もヨットも諦めたチャーリーは、約束を守るため、
サムを埋葬した墓地の管理人として暮らしていた。ところが、高校の同級生で、ヨットレースの
ライバルだったテス(アマンダ・クルー)が故郷へ戻ってきたことを知り、彼の心は揺れ動く。
自分が失った夢を追い続けている彼女に、眩しさと羨ましさを覚えるチャーリー。心の中で、
日増しにテスのウェイトが重くなっていく。そんな兄の変化を敏感に感じ取るサム。
テスと一緒にいると、サムが遠くなってしまう。弟を失いたくない気持ちと、テスへの想いの
間で揺れ動く。
やがて訪れる選択の時。嵐の海でテスが遭難。捜索が難航する中、チャーリーは迷うこと
なく救出に向かう。事故以来、出ることのなかった海へ。テスを捜し続けるチャーリー。
サムとの約束の時間が過ぎてゆく。“ごめん、約束を破るよ”チャーリーが森で待ち続ける
サムにそう呼びかけた時、想像もしなかった奇跡が起こる……。」(Movie Walker)
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