ジゴロ・イン・ニューヨーク Fading Gigoro

●「ジゴロ・イン・ニューヨーク Fading Gigoro」
2013  アメリカ Antidote Films GAGA(Distribution) 90min.
監督・脚本・(共同)製作:ジョン・タートゥーロ
出演:ジョン・タートゥーロ、ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、シャロン・ストーン、リーヴ・シュレイバー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
才人、タートゥーロは、これまでスパイク・リーやコーエン兄弟と作品を共にし、独特の
スタンスを上手く演じる俳優として知られているが、今回は自ら本を書き、演出もし、
ウディ・アレンをゲストに迎えて短めのコメディを作った。アレンより濃いNYのジューイッシュな
雰囲気が出ているか、とも感じたが、タートゥーロは脚本を書く段階からアレンに相談していた
というから本作がまるでアレンの映画のようなテイストになることも仕方がないか。だが、
タートゥーロの演出は、アレンほどのシニカルなキツさはなく、全体のタッチは優しい感じがした。

ユダヤ教とかユダヤ人の考えがわからないと、今ひとつ突っ込んだ笑いが出づらいのではないか、
とも感じた。私も特にユダヤ教に強いわけでもないので、パトカーのようなカラーリングで
しかし、頭に帽子を乗せ、鬢をくるくる巻にした男の登場は、え?NYPDにもこういう巡査がいる
のか?と思ったら自警団なんだよね。
衣装もよく似ているし、NYでは許されているのか、と学習した。

全体として落語の「小話」を聞いていたかのような心地なのだが、大向うを唸らせるような、
また教訓が詰め込まれた作品でもないのだが、ブルックリンのユダヤ教コミュニティで
展開される、ブルックリンで生きる人と戒律が厳しい正統派ユダヤ教の人々のふれあいを
スケッチしたドラマとして、ジゴロとポン引きvs戒律厳しい宗教の人々という対極の関係を
ハートフルにコミカルに描く。だがガハハと笑うところは少ないのだ。

ドラマの中にはジャズやカンツォーネ、シャンソンが効果的に使われていた、この辺りは
アレンの好みもそうだがより強くタートゥーロの趣味が生かされていてカッコよかった。
ある意味主人公の厳しい戒律の中で生きる未亡人アヴィガルを演じたバネッサ・パラディ、
口を閉じれば綺麗なのだが、鼻から下が失礼ながらコーネリアス顔で、すきっ歯である。
(ジョニー・デップはすきっ歯好きなのかなあ) シャロン・ストーンに比べれば美人度は
落ちるけど、今回の正統派ユダヤ教の戒律に生きる女性としてはハマっていたと感じた。
シャロン、「氷の微笑」にオマージュしたシーンが出てきたのは笑えた。
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ジゴロとなる長身で寡黙なタートゥーロと、ポン引きとなる小男でおしゃべりのアレンの
凸凹コンビはいい組み合わせとキャラクター付けだった。特にアレンの金に汚いなまじ
知恵の回る小男のキャラクター付け、人物描写はさすがにアレンらしく達者だなと思った。

冒頭のGene Ammons "Canadian Suset" そして映画の半ばで効果的に使われる
Tory Andrew "Neph"が、なかんづくカッコよかった。
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<ストーリー>
巨匠、ウディ・アレンが14年ぶりに自作以外への出演を果たした、ジョン・タトゥーロ監督・
主演による大人のためのラブストーリー。
思いつきで男娼ビジネスを始める事になった元本屋店主と彼の下で働くジゴロが繰り
広げる騒動を描き出す。シャロン・ストーンやヴァネッサ・パラディが男娼を求める女性
たちに扮する。

ニューヨーク・ブルックリンで祖父の代から続く本屋をたたむことになったマレー(ウディ・
アレン)は、友人のフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)相手にボヤいていた。妻は働いて
いるが、4人の子供を抱えて失業したマレーは、かかりつけの皮膚科の女医パーカー
(シャロン・ストーン)からレズビアンのパートナーとのプレイに男を入れたいと相談を受け、
1000ドルで紹介すると持ちかける。
マレーは、定職に就かず、数日前から花屋でバイトを始めたフィオラヴァンテをおだて、
ジゴロデビューさせる。パーカーと2人だけのお試しから戻った彼は、500ドルのチップまで
持ち帰ってきた。

ポン引きの才能を発揮したマレーは軽快な営業トークで客層を広げ、フィオラヴァンテは
女性の気持ちを理解すると言う隠れた才能で女性を惹きつけていく。マレーは、彼と違って
厳格なユダヤ教宗派の高名なラビの未亡人アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)に熱心な
営業をしていた。若く美しい彼女がずっと喪に服しているのを見たマレーは、
フィオラヴァンテの“セラピー”を受けるよう説得する。

フィオラヴァンテのアパートで背中をマッサージされたアヴィガルは涙を流し、その理由を
聞いたフィオラヴァンテは心を揺さぶられる。そして2人は、普通の恋人同士のように
デートするようになる。しかし2人の恋は、ジゴロにとってはご法度、ユダヤ教徒にとっては
禁忌だった。アヴィガルに想いを寄せる幼馴染のドヴィ(リーヴ・シュレイバー)の告発に
より、ユダヤ法の審議会にかけられるマレー。ポン引きの罪は石打ちの刑だという、
まるで中世のような裁判だった。そのころ、フィオラヴァンテも自分の恋のせいで窮地に
陥っていた……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-14 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)