ヒット・パレード A Song Is Born

●「ヒット・パレード A Song Is Born」
1948 アメリカ The Samuel Goldwyn Company. 113min.
監督:ハワード・ホークス  脚本:ビリー・ワイルダー、トーマス・モンロー
出演:ダニー・ケイ、ヴァージニア・メイヨ、スティーヴ・コクラン、ルイ・アームストロング、ヒュー・ハーバート他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
RKOやMGMなど1940~60年代前半のミュージカルはだいたい観ていると思って
いたが、本作はずっと漏れていた。この度NHK-BSで放映したので、録画して鑑賞。
日本では食糧難で四苦八苦の時代に、アメリカはこれだけ豪華なノーテンキ映画を
作れるのだから、いやはやだ。それにしても、出演者、スタッフの殆どが存命でないのも
隔世の感である。(若い人にはそうでもないかもしれないけれど)

ミュージカル、と書いたが、厳密に云えば「ミュージカル風」である。ダニー・ケイや
メイヨ、サッチモが歌わないのではないけど、所謂MGMなどに代表されるような
ミュージカルではない。本作は、監督、製作、脚本も同じスタッフで1941年に製作された
「教授と美女」のリメイクである。個人的に刮目したのは、凄いジャズミュージッシャンが
並んで登場していることだ。サッチモのほか、ベニー・グッドマン、ライオネル・ハンプトン、
トミー・ドーシー、チャーリー・バーネット、メル・パウエル、などなど。制作された年代は
ジャズがボールルームミュージックからバップへと移行しだしたタイミングであり、
ニューオーリンズからシカゴ、そしてNYに主な舞台が移り、チャーリー・パーカーや
バド・パウエルらのバップムーブメントが絶頂期を迎えつつある時だ。マイルスにあっては
翌49年にはモダンジャズの金字塔「Birth of the Cool」が完成するときである。

本作の中ではアドリブというよりはアンサンブルを奏でるほうに主体がおかれ、ベニー・
グッドマンらが退場し、アドリブ重視のジャズになりつつある貴重なシーンといえる。
グッドマンやドーシー、グレン・ミラーらは映画によく登場したが、バンドと専属歌手という
構図が崩れる中、映画にジャズ・ミュージシャンが音楽家として出てくるというお話は少なくなる。
ただし、ビング・クロスビーや、フランク・シナトラ、らの作品は50年代いっぱい盛んに
制作はされるが。音楽家で言うと、コール・ポーターからロジャーズ&ハートの時代までと
いったところか。

物語はジャズの歴史編纂を依頼された学者ら8名が一軒家に閉じこもり仕事をしている
ところに、キャバレーシンガーの女性(ギャングの情婦)がやってきた。主人公のダニーは
彼女に一目惚れ。とんとんと結婚話が進むが、女性は騙していることに胸を痛め、次第に
ダニーに惹かれていく。女性の父と偽るギャングとダニーが対面することになるが・・・
ということなのだが、女性シンガーがヴァージニア・メイヨ。所謂ハリウッド美女ではないが、
悪女とダニーのお相手ということからすればまあ、こういうキャスティングかな。

全体にこの時代のミュージカルの鉄則である、愉快でオシャレでユーモアがあってハッピー
エンドという方式は不変だ。ユーモアと言っても、トムジェリ風の時代を感じさせるものであるが。
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<ストーリー>
「虹を掴む男」のダニー・ケイとヴァージニア・メイヨのコンビが同じくサミュエル・ゴールドウィン
の許で主演する1948年度テクニカラー喜劇、往年の「火の玉」の再映画化。
「サンセット大通り」のビリー・ワイルダーとトーマス・モンローが脚色、「僕は戦争花嫁」の
ハワード・ホークスが監督に当った。
撮影は「南部の唄」のグレッグ・トーランド、音楽はエミール・ニューマンとヒューゴー・
フリードホファの共同担当である。上述主演2名の他「われら自身のもの」の脚本を書いた
ヒュー・ハーバート、「我等の生涯の最良の年」のスティーヴ・コクランらが出演するほか、
特別出演として、ジャズ音楽界の一流メンバーである、ベニイ・グッドマン、トミイ・ドオシイ、
ルイ・アームストロング、ライオネル・ハンプトン、チャアリイ・バアネット、メル・パウエル、
ゴールデン・ゲイト4重唱団、ペイジ・キャヴァノ3重奏団らが顔を揃える。

ニューヨークにあるタトン音楽院では録音による音楽史を編纂していたが、民謡部分を
担当しているフリズビ教授(ダニー・ケイ)は黒人の作業員から世間ではジャズやブギが
全盛であることを聞き新音楽探求に街へ出た。

各一流楽団の演奏を聴き、翌朝音楽院へ集まって録音するように頼んでから、彼は
最後に歌姫ハニイ(ヴァージニア・メイヨ)に会った。彼女はすげなく彼を追い帰したものの、
情夫のギャング、トニイ(スティーヴ・コクラン)が警察に追われはじめたことを知ると、
身の危険を感じて音楽院に逃げ込んだ。
謹厳な教授連は異様な美女の出現に閉口したが、彼女は頑として居すわってしまい、
かくて翌朝フリズビ教授の指導でジャズ音楽史の録音が行われた。うぶなフリズビは
ハニイに一目で参ってしまったが、トニイから矢のような呼び出しを受けていた彼女は、
ニュージャージーの父の家で結婚式を挙げようと教授たちを連れ出し、警察の目を
ごまかして情夫に会う算段をたてた。

しかし途中車が故障し、田舎の宿で一泊したことからハニイは初めて教授たちの純真さや
フリズビの愛情に打たれた。ギャングらは宿に押しかけ、ハニイを連れ去ったが、彼女は
頑としてトニイとの結婚を承知しなかった。業を煮やしたトニイはハニイを連れて音楽院に
出かけ、フリズビらの目の前で式を挙げはじめた。この時録音のため集まってきたジャズ・
メンは、フリズビの指揮によって、音楽による攻撃を開始し、ついにギャングらを一掃した。
かくて教授たちは再び音楽史に戻り、フリズビとハニイには新生活が訪れた。
(Movie Walker)
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by jazzyoba0083 | 2015-10-17 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)