2015年 10月 20日
プロジェクト・アルマナック Project Almanac
2014 アメリカ Insurge Pictures,Platinum Dunes,MTV Films,Paramount Pictures.106min.
監督:ディーン・イズラライト (共同)製作:マイケル・ベイ
出演:ジョニー・ウェストン、ソフィア・ブラック=デリア、サム・ラーナー、アラン・エヴァンジュリスタ他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は6から7の間、といったところなんだろうけど、また突っ込みどころも満載なんだ
けど、どうも憎めない作品。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のような素人がビデオを
回した、という体裁の映像で構成されていくタイムパラドックス系のタイム・マシンもの。
出ている俳優が、ネクストジェネレーションといった感じで知っている人はいなかった。
またそれが実写フィルム風に仕立てるにはマストだったのだろうけど。
日本劇場未公開で、WOWOWで鑑賞した。
タイム・マシンものであり、また青春ドラマでもある。父親を幼くして亡くしたデヴィッドは
発明オタクみたいな高校三年生。受験で入学金が足りなくてMITを諦める他ないのか、
という事態になる。そんな折、父親の屋根裏部屋で見つけたビデオカメラ、点けてみると
自分の7歳の誕生日パーティーの模様が映されていた。そこになんと今の自分の姿が
映っていたのだ! 彼には妹がいるのだが、二人で地下室に父親の実験室を発見する。
そこには国防総省のタイム・マシン計画「プロジェクト・アルマナック」の概要と設計図と
作りかけのマシンがあった。
彼は、学校のクイン、アダムそれに妹とジェシーという彼女を加え、5人のチームを作り
タイム・マシンを完成させ、最初のうちは昨日に行ったり、3日前に行ったりしていたが
次第に年数単位で移動出来ることになり、またマシンの完成度もあがり、面白がって
落第したテストに再挑戦したり、いじめっ子に復讐したり、いけなかったライブに行って
盛り上がったり、宝くじをあてて母親を喜ばせたりしているうちは良かったが・・・。
観始めてしばらくは、う~ん、突っ込みどころばっかりで漫画みたいだなあ、とダラケ始めた
のだが、後半過ぎる辺りから、少年たちは必ずグループで行動する、という約束だったのに
デヴィッドがジェシーの恋心を射止めたいばっかりに一人で過去を訪れたりするうちに
だんだん過去に与えた影響で未来が変わってしまい、また頻繁に行き来するうちに
何がなんだかわからなくなってくる、というあたりから面白くなってきた。
デヴィッドは、この機械は存在しないほうが良いと思い、最初にビデオカメラを発見した
時まで遡り、マシンを壊すのだが、なぜかビテオカメラは2台あり、一台には数分前に
自分たちがしゃべっていたことが再生されていた。つまり誰かがまた未来からここに
来て数分のラグが出ている、という・・・。そこで映画は終わる。
過去をいじると抜き差しならないことになるよ、という警告なのかな。歴史は自ら修正しようと
する力がある、とはどこかの映画でみた構図だが、本作では完全に修復されていなかった。
これがオチである。
さて本作の突っ込みどころ。数々あるけど、映画は基本デヴィッドと妹が記録用に撮影した
素人映像、というはずなのに、何故かそれで全編見きれてしまうほど、撮影が上手いのだな。
え、こんなところどこから誰が撮っているの?というシーンもあったりで。
最初のほうで3年位前の父親のビデオカメラのスイッチを入れるとすぐに中身が再生される
のだが、そこまでバッテリーは持たないだろうに。デヴィットとその仲間たちが慎重にタイム
マシンを作り上げるのだが大量のバッテリーや、プリウスから引いた電源などを使って
やっていたのに、あっというまにバックパックに入るくらいの小型化に成功してしまう。
過去に行くとその時代の自分に出会うわけだが、その時、カメラの映像で、二人が消えて
しまうというシーンを作っていたが、実際はどういうふうに見えていたのか分からない、etc.
科学好きは少年グループ(これに恋バナがからむ)~国のプロジェクトに極秘に参加していた
父親の作りかけのタイム・マシン~過去に行ったり来たりのドタバタなどという構図は
ありきたりな感じだったが、マイケル・ベイの監修を受けたのか、ところどころのガジェット
(昨日から今日に連れて来てしまった犬とか 強電界の磁場が形成され、地下実験室の
金属の道具が宙に浮いてくるくる回るとか、最初の実験でおもちゃのラジコンを数分過去に
送り、元に戻したら壁に半分埋め込まれて出現したとか。)が割とうまくい効いていて、
駄作と言って切り捨てるには惜しい作品だ。青春の臭いもいっぱいするし。
何故か未来には行かないんだよね。何故だったかな?
タイム・マシンものがお好きな方は一度見てみるといいかも。
<ストーリー>
マイケル・ベイが製作に携わり、タイムトラベルによって次第に制御不能な事態へと陥る若者
たちの様子をファウンド・フッテージの手法で描いたSFサスペンス。
亡き父の作業場でタイムマシン開発計画を発見したデイビッドとその仲間たちは、組み立てた
マシンで過去へ戻る事に成功する。浮かれたデイビットたちは好き勝手に過去を変えて楽しむが、
やがてその“変化”が未来に悪影響を及ぼしコントロールできない事態へと陥ってしまう。
(allcinema)
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