ビッグ・リボウスキ The Big Lebowski

●「ビッグ・リボウスキ The Big Lebowski」
1998 アメリカ Polygram Filmed Entertainment,Working Title Films.117min.
監督:ジョエル・コーエン 製作:イーサン・コーエン 脚本:ジョエル&イーサン・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーア、スティーヴ・ブシェミ、サム・エリオット
    ジョン・タートゥーロ、フィリップ・シーモア・ホフマン、デヴィッド・ッハドルストン他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
これ、観たかった。敬愛するコーエン兄弟の快作、怪作。居並ぶ俳優陣も濃い、アクが
強い!これだけの俳優を出して作品をコントロールし完成させる制作力、天才としか
思えない。登場人物は多いけど、キャラが立っているので全然干渉の妨げにならない。
むしろ個々が作品全体の質を上げているといえる。

コーエン兄弟作品の一つのテーマである「不条理」をベースに、人生喜劇を織りなしてみせた。
もう、ブリッジス、グッドマンのお馬鹿ぶりは、アパトーの笑いとは全く別角度のシュールさを
漂わせながら、「いや、こういうヤツいるよなあ」と「馬鹿やる先が読める」面白さが充溢いして
いる。例えば、100万ドルをかすめたという少年が買ったと思しき赤のスポーツカーを
グッドマンがバッドでボコボコにするが、そのクルマは少年のものではなく、近所の人が
買って停めておいたものだった、というシーン(しかも100万ドルはその少年がかすめたのでも
ないという・・・)なども、そうなるだろう、と分かっていての馬鹿だから、呆れるやら腹が立つやらだ。

主役の3人がそれぞれのスタンスを持っていて、それぞれのスタンスで馬鹿の痛さを表現
していく。すなわち、だらしがなくて、気配りが出来ない、人のいいアホのブリッジス、彼の
口癖は言葉尻に「~メーン!」と付けるところ。ノータリンさが堪らない。
瞬間湯沸かし器の様なアホな教条主義で何かというとベトナム戦争を持ち出すグッドマン、
彼は口を開けばフ○ッキン、のオンパレードだ。
傍観者的なアホだけど一番まともに見えるブシェミ。(彼が最後に死んでしまうのも意味が
あるのだろう) 出演者全員が痛いまでに頭のネジが緩んで抜け落ちている。
「もうおまいら、全員豆腐の角に頭ぶつけて死ねば!ww」な感じで、いいなあ。

2時間近くのすべてのプロットが「不条理なアホ・ノータリンな痛さ」で固められている。それが
全体を見渡すといいコメディに仕上がっているというのがコーエン兄弟の面目躍如たるところだろう。
ナレーターを務めつつボーリング場のバーにカウボーイハット姿で現れるサム・エリオットの
胡散臭さも物凄い。ボーリングトーナメントの敵として登場するジョン・タートゥーロ、若いころ
あんな風だったんだなあ。音楽、衣装、カメラワーク、編集もいい。

嗚呼、「人間て、どうしょうもなくバカですよねえ」。
脱力系コメディの金字塔とも言えるのではないか。
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<ストーリー>
富豪の若妻の誘拐事件に巻き込まれたヒッピーくずれの中年男の珍騒動を描いた一編。
「ファーゴ」のジョエル&イーサン・コーエンの監督第7作で、監督・製作をジョエル、
脚本・編集(ロデリック・ジェインズ名義、本作ではイーサンの妻トリシア・クークとの共同)を
弟イーサンとジェエルの共同で担当するというお決まりのスタイルは本作でも同じ。
製作総指揮のティム・ビーヴァンとエリック・フェルナーのコンビ、撮影のロジャー・ディーキンズ、
音楽のカーター・バーウェルはコーエン兄弟作品の常連。美術のリック・ヘインリックス
(「バットマン リターンズ」)、衣裳のメアリー・ゾフレスは「ファーゴ」に続いての登板。
主演は「白い嵐」のジェフ・ブリッジス。共演は「バートン・フィンク」のジョン・グッドマンと
ジョン・タトゥーロ、「ファーゴ」のスティーヴ・ブシェーミとピーター・ストーメア、
「ブギーナイツ」のジュリアン・ムーアとフィリップ・シーモア・ホフマン、「サンタクロース」の
デイヴィッド・ハドルストン、「陰謀のセオリー」のベン・ギャザラ、「トゥームストーン」の
サム・エリオット、「D.N.A.」のデイヴィッド・シューリスほか多彩なキャストが顔をそろえる。

1991年、湾岸戦争下のL.A.。70年代のヒッピー生活を引きずる中年独身男デュードこと
ジェフ・リボウスキ(ジェフ・ブリッジス)はある晩、ふたりのチンピラに襲われる。女房の借金を
返せと言うが、全く身に覚えのないこと。チンピラは同姓同名の富豪ビッグ・リボウスキ
(デイヴィッド・ハドルストン)と彼を間違えたのだ。

怒りがおさまらないデュードは唯一打ち込んでいるボウリングの仲間のウォルター
(ジョン・グッドマン)とドニー(スティーヴ・ブシェーミ)にことの次第を話す。
するとヴェトナム帰りでいまだ血気盛んなウォルターは、富豪のリボウスキにねじこめと
けしかける。
デュードは早速富豪を訪問したがすげなく追い返された。ところが数日後今度は富豪から
呼び立てられ、妻バニーが本当に誘拐されたので協力してほしいと要請される。
ところが百万ドルの身代金の受け渡しの現場に強引についてきたウォルターが勝手に
狂言誘拐と決めつけ、金ではなく下着の入ったカバンを渡したばかりか機関銃まで乱射
して大混乱、あげくは大金の入ったカバンを車ごと盗まれた。

大弱りのデュードを呼び出した富豪の義理の娘でフェミニストにして前衛アーティストの
モード(ジュリアン・ムーア)は、彼に事件は彼女が管理する財団から金を引き出すために
仕組まれたものだと告げる。キナ臭い展開に困惑するデュードをまた呼び立てたのが、
ポルノ映画界の大立者ジャッキー・トリホーン(ベン・ギャザラ)。

ようやく真相が見えてきた。富豪は財団の金をわがものにするために妻の偽装誘拐を
仕組んだのだ。呆れはてたデュードだが、ニヒリスト(ピーター・ストーメア、フリー、
トルステン・ヴォルグ)と名乗る利用された犯人一味は黙っていない。ボウリング場の
駐車場で一戦交えたはいいが、巻き添えを食らったドニーが心臓麻痺を起こしてあの世行き。

ふたりは海辺でドニーの死を弔い、ウォルターは灰を撒き散らした。かくして珍騒動は終わりを
告げたが、デュードたちの日常は変わりなく続いていくのだ。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-10-26 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)