ミケランジェロ・プロジェクト The Monument Men

●「ミケランジェロ・プロジェクト The Monument Men」
2013 アメリカ Fox 2000 Pictures,Columbia Pictures,Smokehouse.118min.
監督・(共同)脚本・(共同)製作:ジョージ・クルーニー 
原作: ロバート・M・エドゼル 『ナチ略奪美術品を救え』(白水社刊)
出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ケイト・ブランシェット、ビル・マーリィ、ジョン・グッドマン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
製作から2年経過しての日本公開については、日本軍も同じような美術品強奪をしていた
という過去があるため、日中韓と色々と上手く行ってない関係上、配慮したとか圧力が
あったとか言われる。そんなこと言ったら、英国やフランスはどうするのよ、ってことじゃない
でしょうか?忖度しすぎだと思う。マスメディアを使った積極的な宣伝もなく、トレラーも
見たことがない作品で、公開直後のシネコンでは小さい小屋で午後から2回上映という
冷たい仕打ちだ。でも客席はたくさん埋まっていたよ。

如何にもジョージ・クルーニーらしいテーマを持ってきた。第二次世界大戦の終盤、
ナチスドイツに強奪され秘匿された欧州の美術品の行方を追い、回収するという
任務を負った実在の特殊部隊の活躍の模様が綴られる。ナチスが美術品を強奪隠蔽し
滅亡が迫ると破棄しようとした、という話は有名なので私も知ってはいるが、背後に
こうした事実があることを知ったこともこの映画に出会えて良かった点である。

ローズベルトやトルーマンに、欧州戦線での美術品をナチや、連合軍の攻撃から守る
必要を説く、ハーバード大学付属美術館長ストークス(クルーニー)。大統領らはその意義を
認めストークス自身に部隊を作るように命令する。そこで集められたのは、
キューレーターや、美術商、修復家、美術史家などなど、経歴もバラバラでしかも実戦
経験などまるでない男たち。一応の階級と新兵訓練をイギリスで受けて、欧州へと
ナチの強奪品を回収しに出かける。

なんか既視感あるし、アヴェンジャー型、インディージョーンズ型とも言えるような体裁だ。
まあ、事実に基づく原作があるのだから仕方がないのだけど、美術に詳しくなくても
楽しめるような娯楽作に仕立てあげたクルーニーの手法は正解だ。映画そのものの出来は
ものすごく良い、というものではないが、かつてそういう男たちが、10兆円とも言われる
人類の至宝を守り、また7人のメンバーのうち2人は命を落としてしまうという歴史の現実に
驚きもし、感激もするのだ。フェルメールの「天文学者」も出てくるのだが、そうかフェルメールも
被害にあっていたのだなあ、としみじみ。

個人的に西洋美術、特に絵画について興味があるので、とても面白くみることが出来た。
俳優もクルーニー、デイモン、ブランシェット、グッドマン、マーレイと素晴らしいメンツが
並んだ。個人的には、パリを占領したナチのゲーリングのフランス人秘書を演じていた
ブランシェットが役どころといい、良かったと思う。
欧州戦線を描くにあたり、リアリティを追求した当時のクルマや軍用機、瓦礫と
なった街並みなどはとても良く忠実に描きだされていた。さすがに戦車は出てこなかった
けど。テンポもよく、ナチの動向、そして終戦を迎えて北から侵攻してくるソ連軍との
駆け引きは緊張感を持って見ることが出来た。
また当たり前のことだけど、ドイツ人はドイツ語を喋り、フランス人はフランス語をちゃんと
喋っているのもリアリティという意味ではキチンとしていた。

彼らは前線に行けば、「兵の命より、教会とか絵画か!」とか言われ、決して協力的で
ない雰囲気の中、少ない人数で命を賭して美術品を守ろうとしたのだ。その結果、誠に
多くの人類の遺産が守られることとなったのだ。しかし、敗走するナチスに燃やされてしまった
作品も多数あり、未だに行方不明のままの絵画だども少なからずあるという。彼らの活動は
戦後も長い間知られることは少なく、つい最近やっとアメリカ連邦議会から顕彰を受けたという。
彼らの実際の苦労は映画に描かれたものの数倍、いや何十倍も過酷なものだったのだろう。

戦争モノだから、とか美術は苦手、というなかれ。エンターティンメントとしてもきっちり
仕上がっているので、観て損はないと断じる。(アメリカ「フォーブス」誌には「重要だけど
平凡」て書かれちゃっていて、確かに映画としていささか軽い面はあるけど)
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<ストーリー>
第2次大戦末期のヨーロッパで、ナチスに強奪された美術品を奪還するという使命を受けた
美術分野の専門家チームの活躍を描く、サスペンス・アクション。
ジョージ・クルーニーが、監督・製作・脚本・主演の4役を担うほか、マット・デイモン、
ケイト・ブランシェットら豪華キャストが集結したエンターテインメント作だ。

第二次世界大戦が激化する中、ヨーロッパ各国に侵攻したドイツ軍が、大量の美術品
略奪を重ねていた。危機感を募らせたハーバード大学付属美術館の館長フランク・
ストークス(ジョージ・クルーニー)は、ルーズベルト大統領を説得。歴史的建造物や
美術品を守る特殊チーム“モニュメンツ・メン”を結成する。

そのメンバーは、リーダーのストークス以下、メトロポリタン美術館で中世美術を管理
するジェームズ・グレンジャー(マット・デイモン)、建築家リチャード・キャンベル(ビル・
マーレイ)、彫刻家ウォルター・ガーフィールド(ジョン・グッドマン)、ユダヤ系フランス人
美術商ジャン・クロード・クレモント(ジャン・デュジャルダン)ら7人。

略奪された美術品の追跡、発掘、保護を使命としてヨーロッパへ旅立った彼らは
1944年7月、フランスのノルマンディー海岸に到着する。
だが、激戦を終えたばかりの連合軍から十分なサポートは期待できない。やむなく2,3人
ずつに分かれてヨーロッパ各地へ移動し、別々に任務を遂行することとなる。様々な困難を
乗り越え、着実に成果を挙げて行くモニュメンツ・メン。

ストークスたちは、パリで美術品略奪に加わったシュタールという男から重要な地図を奪取。
坑道に隠されていた数多くの美術品を発見する。パリを訪れたグレンジャーは、クレール・
シモーヌ(ケイト・ブランシェット)という女性の信頼を得て、ナチが運び出した何千点もの
美術品の台帳とそれらの運び先の情報を入手。
その一方で、2人のメンバーが命を落としていた。やがてドイツに集結したモニュメンツ・メンは、
最大の隠し場所と見られる場所に向けて決死の行動を起こす。果たして、そこには消息不明と
なったミケランジェロの作品も隠されているのか?だがその行く手には、横槍を入れてきた
ソ連軍の影がちらつき、ヒトラーの自殺によって全てを破壊しようとするナチの脅威が
待ち受けていた……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-11-08 12:31 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)