007 スペクター Spectre

●「007 スペクター Spectre」
2015 イギリス・アメリカ MGM Pictures,Columbia Pictures,B24.148min.
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、レイフ・ファインズ
    モニカ・ベルッチ、ナオミ・ハリス、アンドリュー・スコット。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
前作「スカイフォール」に軍配を上げる人、本作をダニエル・クレイグ版007最高峰に
上げる人、それぞれだ。私としては少なくとも前作よりは面白く観た。監督は
前作に続いてサム・メンデス。「スカイフォール」からの続きである部分もあるが
本作独立として勿論十分に楽しい。そう、楽しいんだな。これが本来007シリーズが
持っていたものではなかったか、と個人的には解釈した。

バットマンなどのアメコミや007などかつて娯楽作として風靡した作品は時代とともに
非常に内省的になり、活劇としてどうか、とう点ではいささか引いてしまうところもあった。
サム・メンデス、前作でやり残したこと、あるいは007が本来もっていた活劇の楽しさに
目覚め、340億円もの制作費をぶち込んだとしか思えないような吹っ切った作りだったと
思う。 活劇に必要な、強い敵(組織)、強い個人的な敵との戦い、格闘技、カーチェイス、
空の戦い、水上の戦い、派手な爆発、スパイらしいガジェット兵器、かっこいいクルマ、
素敵な女優、仕掛けられた爆弾とカウントダウンするタイマーとの戦い、分かりやすい
ストーリーと世界的な展開、と活劇の王道が全部乗せという塩梅で繰り広げられる。
今回はスペクターと007の関係からジェームズ・ボンドの出生と育ちの秘密も分かり
興味深いという面もある。

そして、前作ではあまり観られなかったユーモアも加えられ、「これぞ007!これ以上
どうせえというわけ??」との出来栄えだ。「そんなアホな」という超絶シーンも含めて。
その分、上映時間が長くなってしまったけど。ただ、ローマでのアストンマーチンとジャガーの
スーパーカー同士のチェイスは前作のチェイスに一歩譲ったと思う。
試作車としてガジェット、ユーモア絡みで面白くはあったけど。

ジェームズ・ボンドはスーツを着たスーパーマンなので、どんな危機も乗り越えるし、弾は
当たらないし、怪我もしないんだ。前作では列車から川に墜ちて大怪我しちゃったけど、
今回はそんなこともなくあくまで強い! 逆にスペクター側が弱すぎたかも知れない。

007映画の法則として、アバンがあり、テーマが流れ(前作ではアデルの歌が素晴らしく
オスカーを獲りました)本編に続くという鉄則は守られている。しかも今回のアバンは
メキシコシティーで繰り広げられる死者の日の大パレードが背景で、その中で流行りの
ワンカット風長まわしに挑戦している。ここは気持ちがいい。メンデスは俯瞰が好きかも
しれない。ローマやロンドンでの公道を使ったチェイスやアクションはVFXを多用したのだ
ろうけどよく出来ていた。

メキシコ、ロンドン、モロッコ、オーストリア、イタリア、東京など世界をまたに掛けたロケも
また楽しい。

さて、キャストについても触れざるを得まい。MI6の00部門のメンバーは前作と同じ。
本作ではMを追い落とそうとするキーとなる人物Cが登場。
ダニエル・クレイグは本作が007最終作と言っている。どんなアクションでもスーツの
前ボタンは外さないかっこよさはあるが、ラブシーンはショーン・コネリーには敵わない。
笑わないし。スペクター=オーベルハウザーのクリストフ・ヴァルツは、優しい顔つきだ
からこその怖さ。次作も出てきそうだ。そして二人のボンドガール。レア・セドゥ。
隙っ歯だし、超美人でもない。そこらにいる美人タイプ。それがまたシンパシーを呼んで
良かったんではないか。そして美しき犯罪者の未亡人モニカ・ベルッチ。大人の色気を
醸し出しいい感じ。007のアイコンであるアストンマーチンDB5、前作で銃撃に遭い
穴ぼこだらけになってしまったが、Qの手でレストアし、ラストシーンで重要なガジェットと
して登場する。

映画を見る人はそれぞれのジェームズ・ボンド像を持って来るので、作品によって、好印象
だったり、「つまんなかった!」と思うなどそれぞれだろう。私としては本作は前者であった。

エンドロール最後に「James Bond Will Return」と出てくる。さて、次作は誰がJB?
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<ストーリー>
少年時代を過ごした“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取ったジェームズ・ボンド
(ダニエル・クレイグ)は、その写真に隠された謎を解明するため、M(レイフ・ファインズ)の
制止を振り切り単独でメキシコシティ、そしてローマへと赴く。

そこで悪名高い犯罪者の未亡人ルチア・スキアラ(モニカ・ベルッチ)と出会ったボンドは、
悪の組織スペクターの存在をつきとめる。だがその頃、ロンドンでは国家安全保障局の
新しいトップ、マックス・デンビ(アンドリュー・スコット)がボンドの行動に疑問を抱き、
M率いるMI6の存在意義を問い質していた。

一方、ボンドは秘かにマネーペニー(ナオミ・ハリス)やQ(ベン・ウィショー)の協力を得て、
スペクター解明の鍵を握る旧敵Mr.ホワイト(イェスパー・クリステンセン)の娘マドレーヌ・
スワン(レア・セドゥ)を追跡。死闘を繰り広げながらスペクターの核心部分へと迫るなか、
氷雪のアルプス、灼熱のモロッコへと飛んだボンドは、やがて追い求めてきた敵と自分自身との
恐るべき関係を知ることになるのだった……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-12-13 12:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)