ギリシャに消えた嘘 The Two Faces of January

●「ギリシャに消えた嘘 The Two Faces of January」
2014 イギリス・フランス・アメリカ Timnick Films,StudioCanal,Working Title Films.96min.
監督・脚本:ホセイン・アミニ   原作:パトリシア・ハイスミス 『殺意の迷宮』(創元推理文庫刊)
出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト、オスカー・アイザック、デイジー・ヴィーバン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は7,5。面白かった。原作の持つ雰囲気が良いのだろうけど、それを上手く脚本化し
映像化した。主たる登場人物は4人。舞台はギリシアのみ。分かりやすいストーリー。
凝らないが故にすっと入ってくるオシャレなサスペンスといった感じ。どこか懐かしい。
オーソドックスだけど結構いい音楽。ヴィゴ・モーテンセンを始めとした出演者たちも
雰囲気にあっていた。1962年というまだ戦争を引きずった部分もあり、携帯やネットも
無いクラシカルな時代も物語に味わいを添えていたといえる。

大向うを唸らせるような物語ではなく、大きな対立があるわけでもなく、主役の3人が
ただただ、壊れていく様は、まるで音楽を聞いているような味わいだ。好きだなあ、
こういうの。ギリシャの光景が物語を引き立てている。 みんな胡散臭いんだ。その
胡散臭さの中で、みんな滅んでいく。あるものは命を落とし、あるものは救われ。
どんでん返しといえばいえるかもしれないけど、ラストでヴィゴ演じる詐欺師チェスターが
警察に撃たれ絶命する寸前、ライダル青年の胸に付けられた隠しマイクに、ライダルは
一切関係ない、と語るところ、カッコいいです。最愛の妻を不注意で殺してしまったことを
心から悔いていたに違いない、と理解できる。そして身寄りが無かったためギリシアの
墓地の簡単な墓に入ることになるのだ。そんな人生の一コマが、なんかいい感じで
しかも、短い時間で味わえた。こういうのは理屈じゃないんだろう。自分の感性にフィット
した、ということなんだろう。 録画して取っておきたい、と思わせる映画である。
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<ストーリー>
パトリシア・ハイスミスの小説『殺意の迷宮』を映画化したサスペンス。過って殺人を犯し、
逃避行を繰り広げる夫婦とその知り合いの青年が辿る運命を描く。
出演は「危険なメソッド」のヴィゴ・モーテンセン、「メランコリア」のキルステン・ダンスト。
「ドライヴ」などで脚本家として活躍してきたホセイン・アミニが初監督に挑戦。

1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル・キーナー
(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿を訪れた際、優雅な装いのアメリカ人夫婦、
チェスター・マクファーランド(ヴィゴ・モーテンセン)と若く美しいその妻コレット(キルステン・
ダンスト)と知り合う。

コレットの依頼でガイドを引き受けたライダルは、夫妻と夕食を共にして、楽しいひと時を
過ごす。その夜、夫妻の元へ1人の探偵が訪ねてくる。実はチェスターは、ニューヨークで
裏社会の連中を相手に投資詐欺を働き、大金を奪って逃亡中だったのだ。揉み合いの
最中、誤って探偵を殺害してしまったチェスターは、偶然ホテルにいたライダルに嘘をつき、
協力を要請。やむなくライダルは偽造パスポートの制作を知人に依頼し、後日、クレタ島で
受け取る段取りを整える。

アテネを脱出し、船とバスを乗り継いでクレタ島に向かう途中で身の上話を語り合う3人。
しかし、親しげにコレットと接するライダルに嫉妬の炎を燃やしたチェスターは、次第に酒を
飲んで粗暴な言動を繰り返すようになってゆく。
一方、ラジオのニュースでチェスターが探偵を殺害した事実を知ったライダルは、正当防衛が
認められるからと自首を勧めるが、相手にされない。逃亡を助けて共犯者となったライダルも、
既に後戻りできない。そんな2人の男の微妙な緊張関係は、チェスターとコレットの夫婦仲にも
深い溝を生じさせてゆく。

遂に夫婦を殺人容疑で指名手配した警察が大規模な捜査を開始。そのプレッシャーに
耐えかねたコレットは、衝動的にバスを降りてしまう。港を目指して、荒涼とした大地を歩き
続ける3人。ところが夜、雨宿りのため立ち寄ったクノッソスの遺跡で、コレットに悲劇が降り
かかる。やがて厳重な警察の包囲網を潜り抜け、トルコのイスタンブールへ辿り着いた彼らを
待ち受けていたのは、思いもよらぬ残酷な運命だった……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2015-12-19 22:50 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)