Winds Of God  ウィンズ・オブ・ゴッド

●「Winds Of God  ウィンズ・オブ・ゴッド」
1995 日本 Team Okuyama  松竹映画配給 97min.
監督:奈良橋陽子 原作・脚色:今井雅之
出演:今井雅之、山口粧太、菊池孝典、六平直政、小川範子、別所哲也、藤田朋子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
昨年、ライフワークである本作を舞台上演中に帰らぬ人となった今井雅之作の
「ウィンズ・オブ・ゴッド」。全編英語版もあるようだが、舞台も映画も未体験。
これはやはり舞台で観るべきもの、と感じた。今井の云わんとしたいところはよく
分かるし、戦争や特攻の非人間性を表現したい、という気持ちは伝わるが、
映画としての出来はどうか、と問われると、残念ながら、褒められるレベルではない。

舞台劇というのは映画とはセリフやアクションの間に独特の差がある。戦争のリアリティを
結構シリアスに描こうとすると映画ではどうしても詰めが甘くなってしまう。舞台ならば
役者のインパクトやセリフ回しで強調出来るポイントも映画ではその通りには行かない。
本作も、現代からタイムスリップした漫才コンビが特攻部隊で憤慨したり苦悩したり喜んだり
するのだが、どうも粗というか、リアリティに欠ける面が出てしまい、「そうじゃないだろう」と
ツッコミを入れたくなるのだ。舞台劇をそのまま映画に持ってきても「作品」にはならないと
いうことだ。その点、脚色を今井本人が手がけてしまった事に難があったのではないか。
今井からの指名でメガフォンを取った奈良橋陽子とて、舞台の演出も手がけたとはいえ
映画のプロではない。その辺りのコンビネーションが、結果として残念なことになったのではないか。
今井自身を腐すつもりはさらさらなく、命がけでこの「反戦舞台」を続けた精神は大いに
買うわけだが・・・。
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>ストーリー・結末まで書いてあります>
平成のお気楽漫才師が、戦時中へタイムスリップ。そこで巻き起こる騒動を綴った
ファンタスティックなコメディ・ドラマ。監督は、舞台版の演出も手掛けた奈良橋陽子。
原作・脚色・主演をつとめたのは「右向け左! 自衛隊へ行こう」の今井雅之。
モントリオール国際映画祭出品。

いつかお笑い名人大賞をこの手にと思っている漫才コンビ・田代と金太は、実際は今夜の
食事にも事欠くような貧乏状態。それでもナンパだけはしたいと50ccの超おんぼろバイクを
駆って、亀有へと出掛けて行くのであった。
ところが、途中でトラックと接触事故を起こしてしまい、二人は病院へ担ぎこまれる。
だが、彼らが運ばれたのは、カミカゼ特攻隊の兵舎だった。なんと二人は事故のショックで
戦争の時代へタイムスリップしてしまったのである。しかも、田代は岸田、金太は福元という
優秀な特攻隊員と間違われていた。
二人はどうやら沖縄出撃途中に機械の不良から接触事故を起こしていた岸田と福元が、
丁度同じ頃別の時代で事故に遭った田代と金太の魂を自分たちの体の中に引き入れた
らしいことを知る。ショックを隠せない二人は脱走すれば銃殺刑という話を聞いて恐れおののくが、
どうせ飛行機の操縦の仕方も知らないのであれば特攻出撃もないだろうと、兵舎生活を
送ることにする。

だが、日一日と戦時状況が悪化する中、仲間の特攻隊員たちが次々とその若い命を
落としていくのを目の当たりにして、田代は何かと上官の山田に食ってかかるが、そのような
行為が通るような時代ではなかった。
そんなことがあってますますこの時代に嫌気がさした田代は、もう一度事故の時のような
ショックを得られれば平成時代に戻れるのではないかと考え、屋根から飛び下りたりして
みるが、どれも失敗に終わる。だが、事態はもっと悪い方へ向かっていたのだ。
金太の中にいる福元の魂がその顔を現そうとしていた。次第にニッポン男児としての意識に
目覚めて行く金太。彼は遂に特攻の命令をうけてゼロ戦に乗り込むことになってしまう。
どうにかしてそれを引き留めたい田代は、金太のゼロ戦を追って自分もゼロ戦に乗る。

だが、田代の説得に耳を貸さない金太は、敵艦に向かって突っ込んで行くのだった。
次に田代が目覚めたのは、平成時代の病院の中。横には息をひきとった金太が安らかに
眠っていた。その後、新しい相棒とコンビを組んだ田代は、今日も舞台に立ってお笑い名人
大賞を目指し、観客を笑いの渦に巻き込んでいくのであった。(movie walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2016-01-06 22:40 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)