プリデスティネーション Predestination

●「プリデスティネーション Predestination」
2014 オーストラリア Screen Australia 97min.
監督:マイケル&ピーター・スピエリッグ 原作:R・A・ハインライン『輪廻の蛇』
出演:イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー、クリストファー・カーヴィー、クリス・ソマーズ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
これは面白かった。オーストラリアの映画って余り見る機会がないのだけど、たまたま
タイムトラベルものが好きでWOWOWでの放送を録画し、鑑賞した。これが中々の
見つけモノだった。映画の中頃でタイムパラドクスの仕組みがなんだか分からなくなってきて、
結局内容が分からないまま終わるのかな、と思っていたら、こんがらがったヒモが次第に
解けるように、「なるほど、こういうことだったのね」と理解出来る仕組みだ。

実際の時間の世界では起きることのないそれこそ原作のタイトルのように「輪廻の蛇」の
ような物語で、セーラ・スヌークが素晴らしい存在感で映画の出来をドライブしている。
最初は会話劇のような塩梅であり、タイムトラベルが始まると、もつれた話が前に進み
始める。こういうタイムパラドクスものは長い時間やると話がわかりづらいので本作くらいが
ちょうどいい長さといえるのではないか。

このブログでスタートから結末まで説明するのは大変難しいし、またこれから観る方の
面白さを削いでしまうと思うのでやりませんが、つまるところ、「鶏が先か、卵が先か」、
「メビウスの輪」、「自分で自分の尻尾を食う蛇」みたいな、あり得るようでありえないだろう
不思議な人間の輪が描かれる。ハインラインの原作が面白いのだろうけど、これをここまで
映像化したスピルエッグ兄弟の手腕は評価されるべきであろう。
よ~く考えると、ありえない話なんだけどね。
繰り返すが、イーサン・ホークもいいけど、何と言っても本作はサーラ・ヌーク抜きには
語れない作品と言える。
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<ストーリー>
1970年11月6日。ニューヨークは連続爆弾魔フィズル・ボマーの脅威にさらされていた。
青年ジョン(サラ・スヌーク)は場末のバーのバーテンダー(イーサン・ホーク)に、女の子と
して生まれ孤児院で育ち、18歳の時に流れ者の男と恋に落ち子供を授かるが相手は蒸発、
生まれた子は誘拐され行方知れずになってしまい、出産時に命の危機にさらされ男性となった
という驚くべき身の上話をする。

彼がジェーンからジョンという名に改めたことをなぜか知っていたバーテンダーは、突如
消えたかつての恋人への復讐のチャンスを与えると言い出す。混乱するジョンを地下室に
連れて行ったバーテンダーは、時標変界キットという携帯型タイムマシンを取り出し作動
させる。

ジョンが目を開けると、そこは1963年4月2日、まだ彼がジェーンだった頃に恋人と
出会ったまさにその日の大学のキャンパスだった。バーテンダーの正体は未来から
やってきた時空警察のエージェントで、自分の仕事を引き継ぐ代わりに復讐に使うための
拳銃などをジョンに渡す。
バーテンダーの言葉を受け入れたジョンは早速あの恋人を探そうとするが、7年前の
まだジェーンだった時代の自分と出会ってしまう。予定通りジェーンが恋人と出会った日に
ジョンを連れて行ったバーテンダーは、1970年3月2日のニューヨークに戻りもう一つの
重要任務である爆弾魔の抹殺に乗り出すが失敗。
さらに1964年3月2日のクリーブランドにある病院の新生児室に赴き新生児のジェーンを誘拐、
1945年9月13日の孤児院にタイムスリップする。一方1963年にいるジョンはジェーンと
恋に落ちていた。

バーテンダー、ジョン、ジェーンの運命がもつれあう中、フィズル・ボマーによる最悪の爆破
事件が起きようとしている1975年のニューヨークに行ったバーテンダーはある真実を
知ることになる……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-01-08 23:15 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)