次は、心臓を狙う。 La prochaine fois je viserai le coeur

●「次は、心臓を狙う。 La prochaine fois je viserai le coeur」
2014 フランス Sunrise Films, and more.112min.[
監督・脚本:セドリック・アンジェ
出演:ギョーム・カネ、アナ・ジラルド、ジャ=イヴ・ベルトルート、パトリック・アザン、アルノー・アンリエ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
なんとも物騒なタイトルだが、原題のまま。殺人犯の心境の一端を示すセリフを
そのままタイトルにした。狂気の一コマが現れたもので、生々しいが味がある。
日本では劇場未公開で、WOWOWのジャパン・プレミアにて鑑賞した。

フランスで実際に起きた事件をベースに脚色したもので、実録ものにありがちでは
あるが全体に抑揚に欠けるものの、ある意味全編ピークのまま突っ走る、という
感じがしなくもない。画面は暗く、常に湿り気がある。雨であったり、濡れた車道で
あったり、雨上がり風の森林であったり、水たまり、池、シャワー、氷風呂、などなど、
水っ気が全体のトーンとして貫かれる。もちろん殺される人間の血しぶきも重要な
ファクターとなる。
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ラッタッタ風の原付きバイクに乗って夜遊びに出た二人の若い女性が、犯人の乗る
クルマに次々と跳ねられるシーンから作品が始まる。タダ事ならぬ雰囲気は宜しい
出足である。

此の犯人は、国家憲兵隊所属の憲兵フランク(ギョーム・カネ)。それは最初から
分かっていて話は進む。此の男、いわゆるサイコパスのシリアル・キラーである。
任務上所持する拳銃を使用して、大学や高校の下校途中ヒッチハイクで帰宅しようと
する女性を助手席に乗せ、しばらくすると銃撃して殺し、側道に落とし、盗んだ
クルマは指紋を拭いて逃走する、という事件を繰り返す。

もちろん世間は大騒ぎで、司法警察だけではなく、憲兵隊も捜査に乗り出す。
持ちまわる似顔絵は自分なのが笑える。彼は事件を起こすと自分の心境を書いた
手紙を警察に出したりする。彼は時々目の前がミミズの大群だったりもする。
いわゆる「◯チガイ」なのだな。こうなると殺人の病理とか、何が彼をして殺しに
走らせるか、という意味は無い。ただただ殺人を繰り返すサイコパス。
彼は一応殺して後、後悔らしき衝動は起きるのだが、殺したい、という情動を
抑えることが出来ない。

司法警察は、手紙の中で使われる語句から憲兵隊が怪しいと睨み、隊員の
勤務状況を提出してほしいというが、隊長が断る。沽券に関わるのだ。

彼には付き合っているソフィーという女性がいる。彼女は結婚しているのだが、
ダンナはこれまた精神的に逝かれてしまったヤツで、離婚を考えつつ犯人と
付き合っている。勿論自分の彼氏がシリアル・キラーであることは知らないし、
観ている側には、彼女もいつか殺されるのでは?と思わせるシーンも有る。が、
彼女とは絶望的な別れ方はするが、殺しはしなかった。

警察もバカではないし、フランクの殺しも次第に粗くなり、ついに綺麗な指紋が
車から出た。結局フランクは憲兵隊の自分が属していた隊により逮捕拘束される。
自室の家宅捜索でたくさんの猟銃やナンバープレートを付け替えた時の証拠とか
出てくるが否定するフランク。こいつホントに逝っちゃっているんだな、と思わせる。
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最後に字幕でフランクは責任能力無し、として精神病院に送られた、と出るが、
殺された若い女性は納得しまい。

フランクを理解することは不能であったが、映画全体として「こんな事件があったんだ」と
いう感慨はある。それ以上でもそれ以下でもない。全編叙情的なタッチで、これはある種の
味わいを出してはいるが・・・。

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by jazzyoba0083 | 2016-02-03 22:45 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)