2016年 02月 09日
きっと、星のせいじゃない The Fault in Our Stars
2014 アメリカ Fox 2000 Pictures,Temple Hill Entertainment.126min.
監督:ジョシュ・ブーン 原作: ジョン・グリーン 『さよならを待つふたりのために』(岩波書店刊)
出演:シェイリーン・ウッドリー、アンセル・エルゴート、ローラ・ダーン、ナット・ウルフ、ウィレム・デフォー他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
全女子涙腺崩壊必至な青春悲恋映画。しかし、嫌味なく、泣かせてやろうという魂胆も
なく、ちょっと綺麗にまとまり過ぎたきらいはあるけど、面白く鑑賞できた。★は7,5。
主人公二人が両方不治の難病というのが珍しい。YA小説原作の難病モノの映画ではあるが、
ものごとを明るくポジティブに見つめようとする若い二人に共感を覚え、応援したくなるだろう。
しかし腫瘍で両目を摘出してしまう青年も出てくるが、実際は映画より悲惨なものなんであろうな。
ま、そこは青春映画である。
本作を観た人は一様に思うだろう、この二人、可哀想なのだが、前向きでポジティブ、私も
こういう風に生きられたらと。チキンな私には到底無理で、ガンだと分った瞬間に真っ暗け
になってしまうのだろう。なぜ二人はそうも前向きだったのか、もちろん生来の性格もあった
だろうけど、家族、また最愛の人と過ごす、短くても充実した「無限の時間」は、意味の濃い
もの、であることを悟ったからだ。
二人は大好きな小説を書いた作家に苦労してオランダまで会いに出かけるのだが、いざ
会ってみると、酔っ払ったような偏屈なジジイ。だが寓意的な事をいろいろと吐くのだ。
人と亀の競争、トロッコの理論、など。よく分からないところもあるが、「無限には大小ある」と
いうのは分った。0と1の間には0.1と0,2とか、もっと細かくすると0.001と0.0002とか
無限というのは大きな方向に膨らむだけじゃなく、細かいところにも存在する、ということ。
二人もこの事から、二人の愛情や家族との愛情には長く生きた、長く添えたというとこの
絶対的時間だけではない「無限の愛情」がある、ということを確信し、安寧を得るのだ。
ヘーゼル・グレース・ランカスターという少女とオーガスタスという青年は、不治の病を
抱えながら明るく人生を全うし、心から愛せる人に出会い、良い人生を送れたと言えると
この映画は訴えているようだ。
二人が作家に会いにオランダ・アムステルダムに苦労して行くのだが、いざ会ってみると
作家は酔ったような偏屈ジジイで、ヘイゼルは「パジャマ男」と言い捨てて出てきてしまう。
此の作家、結局いいことを言っているのだが、飛び出した二人を悪く思った作家の秘書が
二人を「アンネの家」に連れて行く。
酸素ボンベが離せないヘイゼルはエレベーターのない高い家は苦手だ。しかし、ヘイゼルは
意を決して登る。苦しくて途中でへたりこんでしまうけど登る。助けるオーガスタス。
そして最後の部屋に行った時、アンネの言葉を読んだヘイゼルは、若くして死んだアンネが
それでも幸せだったということ、あるいは生あるうちに出来ることはしておく、というような何か
を得る。そしてその場でオーガスタにキスをする。
驚くオーガスタスだったが、周囲の客からは拍手が起きた。此のシーン、素敵だった。
主人公の女性ヘイゼルを演じたシェイリーン・ウッドリー、清楚で儚げ、でも勇気を持って
歩こうとする姿が上手く演じられていた。彼女の母親役のローラ・ダーンの顔の演技も
また味わい深いものであった。
<ストーリー>
不治の病を患った若い男女のせつない恋の行方を描く、ベストセラー小説を映画化した
ラブストーリー。末期がんの少女と骨肉腫の少年というカップルに扮するのは、『ファミリー・
ツリー』でジョージ・クルーニー演じる主人公の娘役で注目を浴びたシャイリーン・ウッドリーと
『キャリー』のアンセル・エルゴート。
ヘイゼル・グレース(シャイリーン・ウッドリー)は末期ガンのため学校にも行けず、友達も
なく、酸素ボンベが手放せないでいた。ある日ヘイゼルは、両親の勧めでガン患者の集会に
嫌々ながらも参加。そこで出会った骨肉腫のため片脚を切断したガス(アンセル・エルゴート)に
好意を寄せられるが、ヘイゼルは傷つけまいと彼と距離を置こうとする。
そんなヘイゼルのためにガスが彼女の好きな作家にメールしたところ、返信をもらう。
二人は互いに特別な思いを持ちつつ友達としての関係のまま、小説の続きを教えてもらう
ため向かったオランダで、作家から予期せぬ言葉をかけられる。
そして迎えた旅の最終日、ガスはあることを打ち明ける……。(Movie Walker)
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