ガンズ&ゴールド Son of a Gun

●「ガンズ&ゴールド Son of a Gun」
2014 オーストラリア Altitude Film Entertainment,and more.109min.
監督・脚本:ジュリアス・エイヴァリー
出演:ユアン・マクレガー、ブレントン・スウェイツ、アリシア・ヴィキャンデル、ジャセック・コーマン他
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<評価:★★★★☆☆☆☆☆☆>
<感想>
途中から1,5倍の早送りで観た。つまらない映画だった。WOWOWも、大作を購入するに
あたり、オマケでクズみたいな映画もセットで買わされるのであろうが、そういう映画は
海外の評価などを参考にしてなるべく避けるようにしている。時間が勿体無いから。

で、本作はIMDbで6,5、Rotten Tomatoesで、63%と、そう酷い評価でもないので
ユアン・マクレガーも出ていることだし、上映時間は短いし、観てみることにした。
私としてはとてもつまらない映画だった。

いい機会なので、なんでこの映画がつまらなかったか、自分なりに分析をしてみようと思う。
逆にいい映画というのは、脚本(話の設定)、演出、演者の芝居、キャラクター設定、
プロダクションデザイン、音楽などまあ総合芸術がすべていい方向に揃っている、という
ことなんだけど、その点に照らしてみよう。

まず脚本。この映画は監督さんが本も書いているのだが、この映画で何を言いたいのか、
スカッとしたクライムムービーを作りたかったのか。その辺りが見えてこない。ラストは
一応ハッピーエンドっぽいんだけど。
主人公格の青年JRが刑務所に収容されてくるところから始まるのだが、この青年、何者か
語られない。何の罪で収容されたのかも分からない。で、刑務所の中でユアン・マクレガーと
出会うのだが、ま、こいつは外の悪と通じていて、金儲けを企てるボス格であることは
分かる。このブレンダン(ユアン)がチェスの絡みで仲間に入れることにしたのだが、一見
ヘタレ風の青年をなぜ仲間に入れ脱走のパシリとしたのか不明。
かくのごとし、話が整理されていないので、もやもやしたまま映画は進行する。この辺りから
早見にチェンジだ。

で、ヘリを使って脱獄、大ボスに金の精錬所を襲撃し、金塊を奪う作戦に出る。
まあ、精錬所を襲うのはいいけど、溶けた金がそうそう早く固まるとは思えないし、固まって
も冷めるまで時間が掛かるし、だいたい6個の金塊は重いよ!軽々とは持てない。
その辺りの理論的破綻。

ま、大ボスはブレンダンを利用し、分前をやらないままブレンダンら実行犯を始末しようとする
のだが、いち早くブレンダンはボスを射殺、金の運搬を頼まれたJRは、やばいこと察知して
金を隠してしまう。それはそれでいいのだが、最初のうちJRの行動を見張る役でくっついてきた
女ターシャと出来てしまい、JRはターシャと分け前を貰って海外逃亡するつもりでいたのだ。
まあ、金の半分はめでたく二人のもとに転がり込んだのだが、残りの金を手に入れて楽を
するつもりのブレンダンの元には警察の手が伸びていた。JR、ブレンダンを売ったのか、と
思うとさにあらずで、刑務所のブレンダンの所に、お腹の大きくなったターシャの写真を添えて
JRから手紙が来る。鉄格子の窓のほうを見てにやりとするブレンダン。

なんなの、これ? 

つまり脚本が終始一貫していない、というか話の筋が整理出来ていのじゃないか。すっきり感
まるでなし。

次にキャスティング。オーストラリア映画の常連ユアン・マクレガーは悪人は似合わない。それと
後の俳優さんは知っている人がいない。いないことは魅力を削ぐものではないが、その分脚本や
演出がしっかりしていないと駄目だ。JRを演じたブレントン・スウェイツに魅力がない。また
ターシャ役の女優にも魅力がないし、演技に唸るような点もない。

音楽もやたらに不安や恐怖を持ち上げようとする意図が見え見えなものばかりで、映画を止揚
しているという効果はない。

大体原題が「拳銃の息子」とかいう意味なのだが、JRがそうなの?あるいは「Son of a Bit●●」の
掛け言葉なの?かようにして「安くて」「薄っぺらい」映画が出来上がったという次第だ。

いやあ、時にこういう映画を見て、いい映画とは何か、つまらない映画とは何か、を考えるという
ことも必要だなと思った作品だった。
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<ストーリー>
450万ドルの金塊を巡り、悪者たちの争奪戦が繰り広げられるさまを描く、ユアン・マクレガー
主演のクライム・アクション。マフィアのボスも一目を置く伝説の強盗犯ブレンダンにマクレガーが
扮し、犯罪をチェスに例えて語り、相手の心理を巧みに操るミステリアスさも兼ね備えた強烈な
キャラクターを熱演している。

オースラトリアのパースにある刑務所。軽罪でここに送られた若者、JR(ブレントン・スウェイツ)は、
暴力やレイプが蔓延する獄中生活で窮地に追い込まれていた。
そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、牢名主的な存在のブレンダン・リンチ(ユアン・マクレガー)
だった。彼は、JRが自分に劣らぬ犯罪の才能を持っていることを見抜いたのだ。

こうして、犯罪者としての師弟関係を結ぶ2人。やがてブレンダンは、半年の刑期を経て出所
したJRの協力を得て脱獄に成功。犯罪組織のボスからの依頼を受けて、金鉱の精錬所を
襲撃して金塊を強奪するという新たな犯罪計画に着手する。チームの一員となったJRも、
この計画で重要な役割を任されることに。
その一方で、JRは犯罪組織で働く若い娘ターシャ(アリシア・ヴィキャンデル)と恋に落ちる。
分け前を手に入れたら彼女を連れてどこか遠くへと旅立ち、新たな人生を送る未来を思い
描いていた。やがて訪れる実行の時。仲間のミスによる誤算はあったものの、ブレンダンの
綿密な計画により計画は無事に成功する。だが、組織のボスはブレンダン一味を裏切って、
強奪した金塊の独り占めを画策していた。
さらにブレンダンとJRの関係にもヒビが入り、危機感と混沌は深まってゆく。誰もが無傷では
いられないこの状況を支配するのはブレンダンか、JRか、それとも組織か……!?
運命を決める壮絶な攻防が幕を開けようとしていた……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-15 22:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)