フェイス・オブ・ラブ The Face of Love

●「フェイス・オブ・ラブ The Face of Love」
2013 アメリカ Mockingbird Pictures.92min.
監督・(共同)脚本:アリー・ポーシン
出演:アネット・ベニング、エド・ハリス、ロビン・ウィリアムズ、ジェス・ワイクスラー、エイミー・ブレネマン他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
大人のメロドラマ。名優が並んだ、という意味で見る価値があるかな。まあストーリーは
分かりやすいが(メロドラマで大事なこと)、ラストの主人公の笑顔には個人的に納得が
いかなかった。せっかくのロビン・ウィリアムズも上手く使えてない勿体なさ。

お金に苦労しない方々のメロドラマなんで浮世離れしてはいるけど、こういうの嫌いではない。
アップと動くカメラを多用し、感情の表出とサスペンス感を醸し出している。何か起きるのでは
ないか・・と。でも意外なことは起こらずに終わる。

結婚30年を迎えた夫妻(アネット&ハリス)がメキシコに記念旅行に出かけ、夫は大波が
危ないというのにマリファナをやったりしてハイになり海に出かけ溺死してしまう。
それから5年。LAの美術館で夫とそっくりな男性を発見する。追いかけてみたり、ネットで
調べてみたりした結果、オクシデンタル大学の美術学部教授のトムという男であることが
判明。

画を習いたい、ということで近づく。自宅で個人レッスンを重ねるうちに、お互いに強く惹かれ
あうようになる。トムも離婚して独り身であった。

アネットには亡夫の友人で向かいに住むロビン・ウィリアムズという友人がいた。彼も、
アネットの事を憎からず思っている。
しかし、夫そっくりなトムの出現に心はすっかりトムのもの。しかし、彼女はトムには絶対
夫の写真を見せないのだった。

やがて、離れて暮らす娘が帰宅、トムと鉢合わせとなり、びっくりする娘は、トムに対し
なぜか激怒する。しかしアネットは娘に出て行け、と言ってしまう。それでも何が何だか
わけがわからないトム。

二人はメキシコに行くことにする。そこでトムはかつてアネットが亡夫と撮った写真を見つけ
アネットを問い詰める。するとアネットは荒れた海に飛び込む。これを助けるトム。
アネットはトムをまるで亡夫のように抱きしめたのだ。

つまり、アネットの愛していたトムは亡くなった夫(ギャレット)の面影に過ぎず、トムという
キャラクターは存在していなかったのだ。それを知ったトムは彼女から離れていく。

そして6ヶ月後、娘と元の生活に戻ったアネットのもとに一枚の追悼展の案内が。それは
トムが亡くなり(彼が長い間重篤な心臓病を患っていたことはかなり前に明らかにされる)
その追悼展が開かれたのだった。会場に赴くアネットの目の前に「The Face of Love」
(愛の肖像)という一枚の絵があった。それは自宅のプールで泳ぐ自分をガラス越しに
見つめるトム自身を描いたものであった。その画を観ているうちにアネットの顔に笑顔が
浮かぶ。
つまり亡夫の面影を追っていただけのアネットではあったがトムは彼女を愛していたのだ。
そして、画の通り、プールで泳ぐ笑顔のアネットであった。

こういうストーリーなんだが、ラストの笑顔が先に書いたように納得いかない。アネットは
あくまでトムは亡夫ギャレットの代替であり、キャラクターの存在しない男。それなのに
彼はアネットを愛してくれた。彼女はトム自身を愛していたのか?あの笑顔はどうなのか?
愛されていたと確信したのはいいけど自分はトム自身を愛していなければ笑っちゃいかんと
思うのだが。まあ、メロドラマに目くじら立ててもしかたがないけど・・・。
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<ストーリー>
結婚30周年を迎えたニッキー(アネット・ベニング)は、建築家の夫ギャレット(エド・ハリス)が
設計した自宅も完成して幸せの絶頂にあった。一人娘のサマー(ジェス・ワイクスラー)は
自立してシアトルで暮らしている。すべてが順調だったある日、結婚記念日を祝うために
訪れたメキシコのビーチ・リゾートでギャレットが事故死してしまう。

それから5年、ニッキーの心は深く沈んだまま。そんな彼女を見守るのは、近所に住む
ロジャー(ロビン・ウィリアムズ)だけ。彼も妻のスーザンを亡くして苦しんでいた。だがある日、
ニッキーは美術館でギャレットに瓜二つの男性を目撃。その男性が大学の美術学部教授
トム・ヤング(エド・ハリス:二役)であることを突き止めた彼女は、彼の授業に押しかける。

容姿だけでなく、柔らかな声も眼差しもギャレットそっくりのトム。トムも、ニッキーの訪問に
何かを感じたようだった。何としてもトムをつなぎ止めたいニッキーは、絵画の個人レッスンを
依頼。半ば強引に自宅に呼び寄せる。
10年前、妻アン(エイミー・ブレネマン)との離婚が原因で絵筆を捨てたトムのアトリエは
荒れ放題だったが、ニッキーとの交流を通じて創作意欲を取り戻し、次々と作品を完成させて
ゆく。次第に距離を縮めた2人はある夜、ベッドを共にする。罪悪感を覚えながらも、トムに
夫の面影を重ねるニッキー。だが、トムにも秘密があった。心臓に持病を抱え、長くは生きら
れないのだ。

互いに秘密を抱えたまま、恋に落ちてゆく2人。やがて、トムはギャレットとは別人である
という当たり前の事実を目の当たりにしたニッキーは、2人を混同するほどの情緒不安定に
陥る。母の異変に気付いてやって来たサマーも、父親そっくりのトムの姿に動揺。しかし、
娘よりトムを選んだニッキーは、2人で逃避行を繰り広げる。
行き先は、ギャレットが亡くなったビーチ・リゾート。やがて2人を更なる悲劇が襲う……。
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-02-18 22:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)