ヘイトフル‥エイト The Hateful Eight

●「ヘイトフル・エイト The Hateful Eight」
2015 アメリカ  Double Feature Films,FilmColony. Dist.:The Weinstein Co.168min.
監督・脚本:クェンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、チャニング・テイタム他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
註:以下、決定的な本筋に触れてはいませんが細かいネタバレは含みます。
オスカー発表を日本時間明日朝に控え、それまでに観られる映画は観ておきたい!と
タランティーノの新作に行ってきた。この手の映画は向こう受けするものではないので
早く観ないと終わっちゃうから。作品賞の本命と目される数本は受賞が決まってからの
封切りとなる。残念だ。

閑話休題。本作は色々と話題も多い。美術監督を日本人の種田陽平が務めている、
画面がパナヴィジョンウルトラ70mmで撮られている、日本での公開版はその70mm版
より20分短いデジタル版、などなど。
で、タランティーノ自身が「おそらく自分の最高傑作」と言うほど、さすがの出来であった。
3年前に評判になった「ジャンゴ~繋がれざる者~」も見応え十分だったが、
私としては、同じ西部劇ながら目指す方向がちょいと違う本作の方が好きだった。
何故なら、エンターテインメントに徹しているからだ。
西部劇を借りた現代社会風刺などタランティーノお得意の毒々しさもしっかり
ある。

ストーリーは骨子は単純なのだが、出てくる人物がたくさんいるのでややこんがらがるが
それでも良く整理され分かりにくい、ということはない。三分のニが一つの部屋での
展開なので、会話の練り上げの上手さを初めとして脚本がよく出来ている、ということだ。

まさにこれまでのタランティーノらしさが全部乗せ状態。物語の面白さ(思いがけない展開)、
伏線とその回収、観客へのミスリードの上手さ、容赦無い残虐性、(それがまた乾燥している
のでスプラッタ、とは思えない)時制の構築、画面構成など、映画のエンターテインメント性を
遺憾なく発揮できているのだ。
音楽がこれまたエンリオ・モリコーネと来たもんだ。

そしてタランティーノの演出に応えるサミュエルたち曲者役者の上手さも光る。特に
悪女役を演じたオスカー助演女優賞ノミニーで演技派として知られるジェニファー・
ジェイソン・リー(ヴィク・モローの娘さんだね)の怪演が光った。もう一人の主役と
言える。カート・ラッセルの死んじゃう、サミュエルが撃たれる、最後に残ったゴギンズが
どちらに付くかなどのタイミングが絶妙だ。先述のように長い映画の前半にばらまかれる
ミスリードネタが伏線となって後半に向け回収されていく小気味よさといったら!
そして敵も味方も容赦無い! その割り切りの良さも実に気持ち良い。(残酷さ、非情さがいい、
とかそういうことじゃなくて)

狭い空間を感じさせない種田の美術も見事だ。168分、全然長くない。さてカットされている
20分には何が描かれているのだろう・・・。70mm版を観てみたい。IMAXとはまた違う
迫力なんだろうなあ。そして明日、ジェニファーは助演女優賞を獲るのだろうか??
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<ストーリー>
雪嵐によって山の上のロッジに閉じ込められた、ワケありの男7人と1人の女が繰り広げる
騒動のゆくえを描く、クエンティン・タランティーノ監督・脚本による密室ミステリー。
サミュエル・L・ジャクソンやティム・ロスといったタランティーノ作品ではおなじみのキャスト
たちが、いわくありげなクセ者を演じる。

どこまでも続く白銀の世界。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン
(サミュエル・L・ジャクソン)が、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体を椅子代わりに
座っている。寒さで馬がやられ、誰かが通りかかり拾ってくれるのを待っているのだ。
やがて1台の駅馬車がウォーレンの前で停まる。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・
ルース(カート・ラッセル)。腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ
(ジェニファー・ジェイソン・リー)が繋がれていた。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の
その女は、散々殴られた顔で不敵に笑っている。

迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地でうまいコーヒーに
シチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士用品店へ向かうという。
途中、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)が乗り込み、新任保安官だと名乗るが、
ルースは彼が黒人殺しで名を馳せる凶悪な南部の略奪団の一員だと知っていた。

ミニーの店へ着くと、見知らぬメキシコ人・ボブ(デミアン・ビチル)が現れ、母親に会いに
行ったミニーの代わりに店番をしていると話す。ルースは早速ストーブの上のコーヒーを
飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。

店には3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。絞首刑執行人のオズワルド・モブレー
(ティム・ロス)は、洗練されているがどこか胡散臭い英国訛りの男。カウボーイのジョー・
ゲージ(マイケル・マドセン)は、何を考えているかわからず、母親とクリスマスを過ごす
ために帰る途中だということ以外は一切語らない。そしてサンディ・スミザーズ(ブルース・
ダーン)は、大勢の黒人を虐殺した南部の元将軍。ルースはこの怪しげな男たちに疑いの
目を向けていた。この中にドメルグの仲間がいて奪還するチャンスを待っているのでは
ないか。あるいは1万ドルのお宝を横取りしようとしているのではないか……。偶然集まった
他人同士のはずが、マニックスは父親がヒーローと崇めていたスミザーズとの出会いに
感激し、そのスミザーズの息子の謎の死につてウォーレンが何かを知っていた。

それぞれの過去の糸が複雑にもつれ出した時、コーヒーを飲んだ者が激しく苦しみ、
間もなく息絶える。夜も更け、外の吹雪はますます激しくなっていく……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-02-28 13:00 | 洋画=は行 | Comments(0)