クロッシング Brooklyn's Finest

●「クロッシング Brooklyn's Finest 」
2009 アメリカ Millennium Films (Presents) 132min.
監督:アントアーン・フークア
出演:リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル、ウェズリー・スナイプス、ウィル・パットン
    エレン・バーキン、ヴィンセント・ドノフリオ他
e0040938_11144526.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆。
<感想>
時々、映画を見終わった後、アメリカの批評サイト、IMDbではどんな★が付いているかな、と
当てっこするのですが、私が本作に付けたのが6,7。かのサイトの★もなんと6,7でした。
まあ、たいていの人がそのくらいに思う出来なのでしょう。いわば、普通に面白い。

本作の邦題は原作とはかけ離れて、何かが交差することを匂わせているのだが、これで
ネタが半分バレたようなもの。良いタイトルのようでいて微妙だ。
という具合で、NYPDに勤務する3人の警察官それぞれの人生が、ある1つの犯罪において
重なっていき、あるものは死に、あるものは去る、という骨子の仕立てだ。

イーサン・ホークは貧乏人の子沢山で、さらに双子が生まれようとしている。今住んでいる
家は壁や天井にカビが生えていて、妊婦や新生児に良くない。そこで彼は、犯罪を摘発する
たびにばれない程度に金を盗んだり、情報屋を殺して金をせしめたり、かなりの悪行を積んで
いた。が、心根はクリスチャンで、神に助けをすがっていたりする。良心の呵責に攻められつつ
結局は、悪徳警官の姿で身を滅ぼす。

ドン・チードルは、NYのヤクザに長年潜伏している覆面刑事。周りのチンピラからもも信頼が
厚く、特にチードルの命の恩人でもあり、かつその恩人を高裁で無罪にしてやったキャズ
(ウェズリー・スナイプス)の友情を裏切れず、FBIの汚い捜査に腹を立てつつ一級刑事に
昇進はするが、彼も警官にチンピラと間違えられて命を落とす。

リチャード・ギアはあと7日で定年退職を控え、万事事なかれ主義で、銃にも弾を入れておらず
とにかく事件に関わりを持たず、年金生活に入りたがっていた。そんな彼が新人の教育係を
仰せつかり、事件に巻き込まれていくが、変なところで正義ぶったりするのがちぐはぐだった。
彼は売春宿の女に入れあげていたのだが、所詮売春婦、定年と同時に足抜けさせようと
するが、「帰ってよ」とか言われてしまう。その帰りに、たまたま警察署で見かけた失踪人の
チラシとよく似た女がシャブ漬け状態になってバンで運ばれるところを目撃、それを
追いかけるのだ。もう退職しているというのに。自分の銃には弾を一発、実は自殺用に入れて
あったのだ。

さて、チードルの親友キャズは仲間の裏切りに合い撃たれて死ぬ。その復讐に駆けつけるの
だが、そいつらこそ、ギアが追っていきた売春組織にして麻薬の販売組織であったのだ。
また、イーサン・ホークは、カネ欲しさに自分一人でその組織に踏み込む。途中で仲間に
止められるが、仲間のクルマのタイヤを撃ってパンクさせ、現場へと向かった。

まずビルに入ってきたのはチードル。キャズを撃ったやつを次々と撃ち殺し、最大の悪を
外にまで追い詰める。そこで命乞いをするチンピラを容赦なく射殺。その姿を観たのは
イーサンを追いかけてきた仲間。チードルをヤクザと思い込み、射殺してしまう。しかし
彼の腰には今回は警察のバッジが付いていた。警察としての行動だったのだ。
愕然としながら、イーサンを探す仲間。チンピラがたくさん射殺されいている中で、ポケットに
札束を入れて絶命しているイーサンを発見した。

そのころ売春の部屋に近づいたギアはシャブ漬けにされ慰めものになっていた少女ら
3人を解放するが、そこに二人の黒人が。一人を制圧し、一人には撃てるものなら撃って
見ろ状態で迫られ、ギアは一発の弾で心臓を射抜いた。しかしこいつそれでは死なず、
ギアに襲いかかる。ギアは棚にあった結束バンドで彼のクビを締めて殺した。
警官になって初めて撃った銃、そして初めて殺した犯人。しかし彼はもうリタイアしていたの
だった。

特に3人が重なるところでは、同じビルで事件が起きるのだが、最初のチードルの銃声に
イーサンもギアも気がつくだろうに、とか、結束バンドが都合よく棚にあるな、とか、その前に
心臓を撃たれて死なない男って・・・。とかいろいろと突っ込みたくなる部分はある。
NYPDの警察官の給料の安さとか、荒廃した部分は描かれていたが詰めにやや甘さを
感じた。キャスティングはまあまあかな。FBIの憎たらしい女特別捜査官を演じたエレン・
バーキンが、まあ憎たらしくて良かった。ドン・チードルに一発張られればよかったのにと
思わせるくらい憎々しい。

麻薬やセックスシーンがあるのでR-15+だが、普通に見られるハードボイルド警察物語だ。
下に書いてあるように、正義とは何か、という大上段なテーマではなく、警官が味わうであろう
善と悪の境界線を歩くような三様の姿を描くことにより、警察官らの職務に対する悩み、大義に
対する悩みなどが垣間見られる娯楽作として見ればいいだろう。
e0040938_11161670.jpg

<ストーリー>
リチャード・ギア、イーサン・ホークら演技派共演によるクライム・サスペンス。犯罪が多発
するNYのブルックリン地区で働く3人の刑事の姿を通して、正義とは何かを問いかける。
監督は「トレーニング デイ」で警察官たちのドラマを描き、デンゼル・ワシントンにアカデミー
賞主演男優賞をもたらしたアントワン・フークア。

ニューヨーク、ブルックリンの犯罪多発地域で警官による強盗事件が発生。被害者は罪の
ない黒人青年だった。真面目な学生が警官に殺されたことで、ニューヨーク市警は激しい
非難を浴びる。上層部はイメージアップのために犯人の逮捕を急ぐとともに、取締りを強化。

この動きは図らずも、同地区で働く3人の刑事の心の闇を浮かび上がらせることとなる。
退職の日まで1週間となったベテラン警官エディ(リチャード・ギア)。波風を立てず無難に
過ごしてきた彼は、人生に空虚な思いを抱えて妻とも別居。唯一の心の拠り所は娼婦の
チャンテルだけだった。最後の仕事は、取締り強化の一環として行われる犯罪多発地区
での新人教育。だが、新人警官との警邏中に起きたある事件をきっかけに、彼の内面は
大きく変化してゆく。

信仰深く家族思いの麻薬捜査官サル(イーサン・ホーク)は、家族のために新居を購入
したいと考えていた。だが、警官の安月給では日々の生活で手一杯。そんな時、麻薬
捜査中に大金を目にして、彼の正義感が揺らぐ。

潜入捜査官としてギャングに潜入するタンゴ(ドン・チードル)は任務のために長い間、
家族を犠牲にしてきた。そして遂に、妻から離婚を迫られる。昇進もなく、人生を犠牲に
する仕事に限界を感じていたタンゴは、潜入捜査から自分を外すよう上司に訴えるが、
聞き入れられない。
そんな時、上層部は警察の成果をアピールする目的で、タンゴにある任務を与える。
それは、ギャングのボス、キャズ(ウェズリー・スナイプス)の逮捕だった。だが、キャズは
タンゴの命の恩人で、心すら通わせるようになった相手。上司の命令に抵抗するが、
上層部は逮捕と引き換えに昇進を約束する。念願だった昇進と、キャズとの友情の間で
揺れるタンゴ。目の前の現実と正義感の狭間で揺れる3人の運命は、警官による強盗事件が
きっかけとなって、思いがけず交わってゆく。その先に待っていたものは……。

この映画の詳細はこちらまで。
トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/24240515
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2016-03-21 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)