グリーンマイル  The Green Mile (再見)

●「グリーンマイル The Green Mile」
1999 アメリカ Castle Rock Entertainment,Darkwoods Productions,Warner Bros. 188min.
監督・脚本:フランク・ダラボン  原作:スティーヴン・キング
出演:トム・ハンクス、デヴィッド・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカン、サム・ロックウェル他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
10数年ぶりの鑑賞になると思う。観た当時凄く印象に残っていたので、そのシーンは頭に
あったが、全体のストーリーとしてはだいぶ忘れていて、今回で印象を新たにした次第だ。
原作、監督、脚本コンビで作った「ショーシャンクの空に」と何かと比べられるが、確かに
ファンタジーではないリアルなカタルシスが味わえる「ショーシャンク~」に比べると、お話の
「綾」としての面白さはあちらに挙げざるを得ないかなあ。

本作もオスカーに何部門かにノミネートされたが無冠に終わった。この年はサム・メンデスの
「アメリカン・ビューティー」が席巻した年であった。

閑話休題。本作を観ていて、ダラボンという人は脚本の人だなあ、とつくづく思った。もちろん
キングの小説がベースにあるのだろうけど、山の置き方が絶妙だ。3時間を超える映画だが
それがあるからダレずに観終えることが出来たと思う。だが、無実の黒人の大男が収監され
その能力でトム・ハンクスや所長の奥さんの脳腫瘍や、死んだネズミの再生を果たすという
ファンタジーがメインで、黒人ジョン・コフィが最後に言う「愛を利用して悪いことをするやつは
永遠にいる」というようなニュアンスはそう心に響くものではない。彼はそれで無実の罪を
着せられて刑死するわけだが。

で、これは本当にそうなのかどうかは不明だが、あるブログに書かれていた、ジョン・コフィの
頭文字J・Cはジーザス・クライストの謂であるのは自明だと。キリスト教の人ならピンと来る
ものだろうか。そうすると本作はキリスト教的倫理観に裏付けられた物語ということになる。
それはそれでいいのだけれど。その筋で見てみると、トム・ハンクスは、神の使いを殺した
罰として歳は取るけど死なない人間となり、刑務所のペットだったネズミ、ミスター・ジングルス
はコフィの手の中で永遠の命を吹き込まれた、と見てみれば納得は行く。
それは、冒頭の老人(トム・ハンクスの老人となったすがた=別キャスト)の最後のつぶやきで
知ることが出来る。老人が神様に言うように「私にとってのグリーンマイルは少し長すぎるような
気がするのです」

看守仲間のチームワークが気分いいのだが、それを際立たせる役として、エライさんのコネが
ある虎の威を借る狐ともいうべきパーシー看守(ダグ・ハッチンソン)の存在がとても良い。
そのパーシーがやらかす電気椅子の死刑の(わざとした)失敗がエグいけど、まあ、リアルな
側面として、話を引き締める効果はあると思う。ご婦人などは目を背けるかもしれない。

1935年、世界恐慌から第二次世界大戦に入る頃のアメリカの刑務所で起きた一つの奇蹟を、
今の時代の人物が物語る形で綴られる。これって「タイタニック」や「プライベートライアン」なんか
もそうだったような。この映画から何か教訓を汲もうとせずに、ファンタジーを楽しめばいいと
感じた。
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<ストーリー>
1995年。老人ホームの娯楽室で名作「トップ・ハット」を見たポール・エッジコムの脳裏に
60年前の記憶が甦る……。
大恐慌下の1935年。ジョージア州コールド・マウンテン刑務所の看守主任ポール(トム・
ハンクス)は、死刑囚舎房Eブロックの担当者だった。死刑囚が電気椅子まで最後に歩む
緑のリノリウムの廊下はグリーンマイルと呼ばれていた。部下は副主任のブルータル
(デイヴィッド・モース)はじめ頼れる連中ぞろいだが、州知事の甥である新人パーシー
(ダグ・ハッチソン)だけは傍若無人に振る舞う。

そんなある日、ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)なる大男の黒人がやってきた。
幼女姉妹を虐殺した罪で死刑を宣告された彼は、実は手を触れただけで相手を癒すという
奇跡の力を持っていた。彼はポールの尿道炎を治したのを皮切りに、パーシーに踏み
潰された同房のドラクロアが飼っていたネズミのミスター・ジングルズの命を救った。
ドラクロアはその翌日処刑されたが、パーシーは残酷にも細工をして彼を電気椅子で焼き
殺した。

コーフィの奇跡を目の当たりにしたポールらはパーシーを拘禁室に閉じ込めてコーフィを
ひそかに外へ連れ出し、刑務所長ムーアズ(ジェームズ・クロムウェル)の妻で脳腫瘍で
死の床にあったメリンダ(パトリシア・クラークソン)の命を救わせた。
房に帰ったコーフィは、拘禁室から解放されたパーシーをいきなりつかまえるや、メリンダから
吸い取った病毒を吹き込んだ。するとパーシーは厄介者の凶悪犯ウォートン(サム・
ロックウェル)を射殺し、そのまま廃人になった。
ウォートンこそ幼女殺しの真犯人だったのだ。ポールはコーフィに手をつかまれ、彼の手を
通じて脳裏に流れ込んで来た映像で真実を知った。ポールは無実のコーフィを処刑から
救おうとする。だが、彼は「全てを終わらせたい」と自ら死刑を望み、最後の望みとして
映画「トップ・ハット」に見入ってから死に赴いた。それから60年。あのときコーフィが与えた
奇跡の力はポールに宿り、彼にいまだグリーンマイルを歩かせしめないのであった。
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-03-20 23:20 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)