ジャスティス ・・・and justice for all.

●「ジャスティス ・・・and justice for all.」
1979 アメリカ Columbia Pictures.119min.
監督・(共同)製作:ノーマン・ジュイソン
出演:アル・パチーノ、ジャック・ウォーデン、ジョン・フォーサイス、リー・ストラスバーグ他
e0040938_14465186.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
中々面白かった。今から37年も前の映画だが、「正義」というものは「絶対的」な
ものだと思うので、古さは感じなかった。もちろんアル・パチーノ以下のキャストは
若いし、ファッションやクルマといった風俗的なものには時代を感じるが、今見れば
それはそれで味というものだろう。

本作は決してまともとは言えない弁護士アーサー・カークランド(アル・パチーノ)の目を
通して、この世の正義というものを極めて「斜に構えて」見た作品で、「正義なんてものは」
というある種冷笑的なテイストが横たわる。そうしたテイストにアル・パチーノが良くハマッて
いたと思う。

法律原理主義のような判事に、微罪であるのに実刑をくらって刑務所に入っている依頼人、
黒人のオカマというだけでしょっぴかれ、仲間の弁護士のいい加減な弁護により収監され
てしまう依頼人。前者は、刑務所で銃を奪って抵抗し、射殺されてしまう。後者は収監された
ことで獄中で首吊り自殺をしてしまう。アーサーは嘆く。「いったい正義はどこにあるんだ!」。
そんな中、例の判事のセックススキャンダルが暴かれた。彼が弁護を指名してきたのは
なんとアーサーだった。彼は中の悪いことを利用し、そういう弁護士が弁護するなら無罪なの
だろう、という心象を得るための作戦だったのだ。アーサーは依頼人の再審を取引に
弁護を引き受けるが、判事がしていたことが明らかとなると、弁護士であるのにも関わらず
判事は有罪だ!この破廉恥め!と叫ぶのだった。法廷からつまみ出されるアーサーだったが。

もう一人、昼はビルの手すりのない窓枠で食べたり、ヘリにアーサーを乗せて墜落してしまったり
する判事も出てくるが、こいつもよく分からないやつで、アーサーを悩ませる。
サイドストーリーとして美しい女性弁護士といい仲になり、彼女が彼の味方をしたり、仲間の
一人が弁護して無罪を勝ち取った男が釈放された途端二人の子供を殺したと言ってまる
ぼうずになったり。アーサー弁護士自身と、彼を取り巻く輩の「正義」に対するアプローチが
シニカルに描かれる。そういう点で面白い作品であった。

アル・パチーノの切れ芸は味があるなあ。一番好きなのは「セント・オブ・ウーマン」だけど。
e0040938_14472170.png

<ストーリー>
ボルチモア裁判所の拘置所の暗がりの中に、若い弁護士アーサー・カークランド(アル・
パチーノ)がうずくまっていた。弁護士の彼が拘置されているのは、裁判中にフレミング
判事(ジョン・フォーサイス)を殴ったからだ。

真夜中、拘置所を出た彼に早速仕事が依頼された。彼の妥協を許さぬ熱血漢ぶりは
多くの人々に信頼されていた。今彼は2つの気にかかる事件を手がけていた。1つは、
ジェフ(トーマス・G・ウェイツ)という若者が車の尾灯の故障というだけで逮捕された事件と、
性倒錯の黒人ラルフ(ロバート・クリスチャン)が強盗の仲間として告訴されている事件だ。

ジェフの一件で、法規だけをふりかざす権力主義者のフレミング判事と対立していたのだ。
一方、黒人のラルフは普段女装している気弱者で、囚人になるなら死んだ方がよいとまで
考えているため、アーサーは、彼を何とか保釈させようと思っていた。法を守る筈の裁判所は、
しかし矛盾と不正に満ちており、アーサーの周りには自殺癖という奇妙なクセのある
レイフォード判事(ジャック・ウォーデン)などもおり、フレミング判事ともども法の執行者として
問題のある人間が多かった。

そんなある日、その憎むべきフレミング判事が強姦罪で告訴されるという事件が起き、
事もあろうに、フレミングはアーサーに弁護を依頼してきた。彼の申し出をはじめは拒否した
アーサーだったが、ジェフの保釈を条件に出され、仕方なしに引き受けることにする。
その頃、弁護士の査問委員会に呼ばれたアーサーは、委員の1人で女性弁護士のゲイル
(クリスティン・ラーティ)と知り合い、いつしか愛し合う仲になる。

そんな頃、黒人青年ラルフが刑務所に送られ自殺し、ジェフが所内で人質を取りたてこもると
いう事件が起きた。かけつけたアーサーに、ジェフは自分は無実だと言い続け、しかも、看守
たちがかわるがわる自分を犯し続け暴力をふるうので刑務所には一刻もいることはできない、
と訴えた。ショッキングな事実を聞いてアーサーの怒りは爆発するが、ジェフは立ち上つた
瞬間に、周囲を取りまいていた警察の弾丸に息絶えていった。

そしてフレミング判事の裁判の日が来た。依頼人のジェフが生きているうちはこの悪徳判事の
弁護にも意味があったが、倒錯した性感覚の持主である事実をつかんだ今は、フレミングの
弁護をする意味は何もなかった。そして、アーサーは、フレミングを指さして叫んだ。
“こいつは正義の皮をかぶったケダモノだ!こいつには弁護の余地はない”と。

この映画の詳細はこちらまで。
トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/24240953
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2016-03-19 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)