ハッピーエンドが書けるまで Stuck in Love

●「ハッピーエンドが書けるまで Stuck in Love」
2012 アメリカ Informant Media 97min.
監督・脚本:ジョシュ・ブーン
出演:グレッグ・キニア、ジェニファー・コネリー、リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、ナット・ウルフ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かった。★は7,5。短い時間に複数の登場人物の話を上手く折りたたんで、主張すべき
ところもちゃんと主張し、分かりやすく楽しい映画であった。温かい思いで観終えることが
出来る家族再生の話だ。「きっと星のせいじゃない」をモノした監督さんだけに品のあるシュア
な作りだ。細かいエピソードの積み重ね方が上手いんだな。伏線としても活用されているし。

それにしてもジェニファー・コネリーと、娘役のリリー・コリンズ(フィル・コリンズの娘さん)が
まあ、ホントの母娘のように似ているんだな。眉毛が特に。
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閑話休題。自分の浮気が原因で妻エリカ(ジェニファー)と離婚。しかし未だに未練タラタラで
再婚した家に覗きにいったり、感謝祭では必ず妻の席を用意するという賞も何本か獲った
そこそこ有名な小説家。だが妻と別れて以来、新作が書けていない。
大学生の娘サマンサ(リリー)は、大学生。文学を専攻していて、19歳にして、処女作が
出版されることになったという才媛だが、母の浮気を目撃してしまったことから愛について
懐疑的というか絶望的になり、セックスだけの友達と遊んでいた。
長男のラスティも文才があり、詩を書いたりしていて将来はスティーヴン・キングに憧れ
彼みたいな小説を書きたいと願っていた。同じ英語のクラスに気になるケイトという女の子が
いたが、連れがいるためなかなか思いを言い出せなかった。
別れた妻エリカも再婚したものの、娘との確執が気になり、未だに再婚が正しかったのか
悩んでいる。

そう、原作が表しているように家族4人全員が「愛に立ち往生」してしまっているのだ。
映画では、それぞれがその「立ち往生」を、自分の力で、また他人のアドバイスを受けて
脱していく様をユーモアを交えながら描いていく。

長男のラスティは外へ出て自分を変えろ、好きな女の子がいるなら告白しろ、と言われ
俄然やる気をだし、大量のハッパを持ってパーティー会場に行くが、ケイトがドラッグに
手を染めているところを観てしまい、ラスティは彼女の悪いボーイフレンドにパンチを
食らわせてケイトをつれてその場を脱出、自宅に連れて帰る。それを温かく迎える
父。 ラスティとケイトはそれから恋人の仲になっていく。
その父も近くに住む美人の人妻とあけっぴろげなセフレ関係を結んでいたが
彼女からも3年立ったんだから再婚しなさいよ、とかいって出合い系サイトで女性と
あったりもしていた。しかし、どうしても別れた妻が忘れられない。

長女サマンサを好いて追いかけてくる同じクラスのルイスは、とてもいいやつで、
突っ張ってばかりのサマンサも彼と居ると和むのだった。最初は、付き合う気もなかったが
彼の人柄を知るに及び、また脳腫瘍の母に読み聞かせをする姿をみるにつけ
彼に心を開き、恋人になっていく。

サマンサの処女作の出版パーティーにやってきた母エリカは、勇気を振り絞って
サマンサと話してみようとするが、サマンサはどうしても心を開かない。
やがて、父から、お母さんが浮気をする前に、お前が生まれる前、お父さんが浮気を
して家を出たんだ、その時、母さんはずっと待っていてくれた。許してくれたんだ。
だから、母さんが浮気しても、再婚しても、自分は待っているんだよ、きっと帰ってくると
信じてね、という話を聞くに及び、自分が母を誤解して嫌っていたことを知り、母の
元に行き、和解するのだった。そのパーティーで、長男ラスティの恋人ケイトは酒を
飲んだことからドラッグ症状が出てしまい、知らない男と消えてしまった。
みんなで彼女を探し、彼女は施設で更生を目指すことになった。

長男ラスティのもとにスティーヴン・キングから電話が入った。お姉さが送ってくれた
君の小説、最高だよ。雑誌社に送っておいたからね、というもの。ラスティも小説家と
しての道が開けたのだった。

そして今年も巡ってきた感謝祭。父と娘サマンサ、恋人のルイス(最近母親が脳腫瘍
で死んでしまい、サマンサが彼を支えたことで絆は深まった)、作家デビューが決まり
恋人ケイトの更生も進むラスティ、4人の姿があった。自家製の七面鳥を食べていると
ドアをノックする音が。ラスティは「ケイトを呼んであったから彼女かも」と戸口に出て
見るとそこには母の姿が。彼女も「立ち往生」から一歩前に進んだのだった。

そして5人での感謝祭が始まった・・・。
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というもの。それぞれの「立ち往生」の解決していく様が分かりやすく、優しい目線で
描かれていて、ほんのりしながらエンディングを迎える。最後にケイトの姿が無かったのが
個人的には残念だったが。

出演者たちの役どころが貧乏ではないので、その辺り上手く行き過ぎな恨みもあるし
スティーヴン・キング自身(本物)から個人的に電話が入るなんてのもお父さんが有名な
作家であればこそ、であるわけだし。その手の七光系の雰囲気を割り引いても、
ハートウォーミングなコメデイ・ドラマであった。この手の映画、好きだな。
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この映画の詳細はこちら>/a>まで。
by jazzyoba0083 | 2016-03-29 22:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)