靴職人と魔法のミシン The Cobbler

●「靴職人と魔法のミシン The Cobbler」
2014 アメリカ Voltage Pictures,Next Wednesday,Golden Spike and more.98min.
監督・(共同)脚本&製作:トム・マッカーシー
出演:アダム・サンドラー、クリフ"メソッド・マン"スミス、エレン・バーキン、スティーヴ・ブシェミ、
   メロニー・ディアス、ダスティン・ホフマン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
原題の通り、靴職人に纏わるちょいといい話。私は好きでした。特に、ラストの二段構えの
大どんでん返しはびっくりぽんだった。やる気が有るんだか無いんだか判らないアダム・
サンドラー、こういうのに合う。エレン・バーキンやダスティン・ホフマンがキーマンになる
のも短い物語を締めるのに役立っているし、隣人のスティーヴ・ブシェミ、好きな脇役さん
です。

ロウワーイーストサイドのユダヤ人街で4代続く靴の修理屋マックス(サンドラー)が
アダム・サンドラーの役どころ。普段は使わない先祖伝来の古い靴を縫うミシンで靴を
修理すると、その靴を履いた途端、その靴の所有者に変身する、という、まあ、割りと
ありがちな魔法が物語を作る。しかし、本作はそれで終わらないのがいいところだ。
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古いミシンの魔法を知ったマックスは、日々の冴えない生活から一転、たくさんの
靴をバッグにいれて街へ出て、色んな人に変身しては楽しんでいた。無銭飲食したり
イケメンに変身してガールフレンドの部屋でシャワー中の裸を拝んだり・・・。
しかし、ある黒人レオンの靴を履いたことから、悪のトラブルに巻き込まれる。

古い町並みが地上げにあって困っているという地元の運動が伏線になり、レオンと
いう黒人はエレン・バーキン扮する金満不動産屋エレーンの手先として、この街の無茶な
再開発を手げるうえでの汚い仕事を引き受けていたのだ。

一方、マックスの父親は随分前に失踪したまま、母は痴呆が入っていて体も弱まって
いる。ある日マックスは母の願いを叶えるため、父(ダスティン・ホフマン)の靴を履き
母と父とのディナーを演出してあげる。喜んだ母だが、次の朝、亡くなってしまった。

隣で理髪店を営むジミー(ブシェミ)は、毎朝朝刊を交換したり、ピクルスをご馳走に
なったりで、何くれと無くマックスに気を使ってくれている。母が亡くなった葬儀の時、
出来が悪い息子だ、手遅れだ、と嘆くマックスに対し、今にきっと良くなる、時を待て、
早まるな、という忠告をする。(これが結構重要な伏線になっていることが後で分かる)

親戚から母親の墓石をちゃんと買えよ、と言われ、例の黒人に変身し、彼の部屋に
忍び込み、高級な時計を頂いたり、エレンから仕事代(ただ一人ビルに居残った
サイモンというジイさんを追い出すためビルに放火すること)として10万ドルを貰い
トンズラしようとしていた。レオンの部屋でレオン本人に出くわしてしまい、その時に
変身していた大きなオカマが履いていたハイヒールをノドに突き刺し殺してしまったのだ。
警察に自首するマックスだったが、警察とレオンの部屋に来てみると、死体はなく、
じゅうたんも綺麗になり、時計や10万ドルが入ったかばんも無くなっていた。
何が何だか判らないマックス。警官は呆れて帰ってしまう。靴修理店に帰ると、
時計や大金が入ったバッグがそのまま店のカウンターに置かれてあった。一体誰が?

マックスはサイモンじいさんを救うため、地元の街を守る会に加わり、サイモンじいさんを
助け、エレンを懲らしめようと、色んな人に化けて、ついにエレンは逮捕される。

そしてマックスは靴を使った変身を止めようと思ったが、隣の床屋でジミーから
大きな秘密を2つ聞かされることになる。

<ここから先はこの映画の最大の面白さをバラしていますので、ご注意ください>
床屋のジミーこそ、魔法のミシンの秘密を知っていたマックスのオヤジその人だったのだ。
彼は、ジミーに金を与え南国に隠居させて床屋を買い取り、ジミーの靴を履いて彼に成りすまし
マックスを見守っていたのだ。
そして父はマックスを地下に連れて行く。そこには巨大な靴の倉庫があり、初代からあの
ミシンで作った偉人や金持ちやスポーーつ選手の靴が多く飾られていた。
そして、父は裏口から帰ろう、と言うと、そこには運転手付きのリムジンが待機していたのだ。
父は靴を使って財をなし、郊外に豪邸を構えていたのだった。
父によれば靴屋以外にもそういう秘密を持った異業種の職人がいるらしい・・・。

冴えない日々を送っていたマックス、街を守ろうと呼びかけてくれたカーメンとデートの
約束を取り付けるのだった・・・・。
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なかなか夢のある話で、ラストの二段構えの(床屋が父親だった、また大金持ちだった)と
いうどんでん返しは驚かせてもらった。
何より、靴を履き替えると変身するのだが、キャラはマックスのままなので、黒人の
親分も、変身したはいいけどえらいいい人になっちゃったり、色んな人がマックスの
キャラで登場するところが面白い。 出だしはなんかチンケな変身ものか、と思って
いたらいい意味で裏切られた。楽しい映画なんで、お勧めしたいですね。
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<ストーリー>
ニューヨーク市マンハッタン区にあるロウアー・イーストサイド地区で代々続く小さな
靴修理店を営むマックス(アダム・サンドラー)は、年老いた母親と二人、ごく単調な
毎日を過ごしていた。
ある日電動ミシンが故障してしまい、やむをえず古くから伝わるミシンを物置から
引っ張り出して靴を修理したところ、直した靴を履いた途端にマックスは靴の持ち主に
変身する。驚いたマックスは、それからというもの、ミシンの力を使って他人に変身し、
自分の知らない世界を体験していく。やがて親孝行しようと思い立ったことから、
思わぬトラブルを呼んでしまう……。(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-04-05 11:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)