マジック・イン・ムーンライト Magic in the Moonlight

●「マジック・イン・ムーンライト Magic in the Moonlight」
2014 アメリカ・イギリス Dippermouth Productions,and more.98min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:コリン・ファース、エマ・ストーン、アイリーン・アトキンス、マーシャ・ゲイ・ハーデン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ウディ・アレンの新作は舞台を南仏に変え、時代は1920年代。ローリングトゥエンティ。
自身の出演はないものの、セリフはいつものウィットとアイロニーに満ちたアレン節炸裂
なのだが、本作は、人生の実相みたいなものに直接触るセリフが多く、いつもの回りくどい
セリフ回しと比べると、分かりやすい気がした。ということは、セリフの中身に「なるほど」とか
「いいこと言うなあ」とかの相槌を打ちやすいということ。逆に言うと、それだけアレンっぽさが
少なくなったということでもあるか。
魔術師だから仕掛け、タネがあり、霊視や読心術なんてものはインチキだ、と合理的、
論理的な事だけしか信じず、神の存在さえ認めない男スタンリーと、アメリカ出身の美人
預言師ソフィがインチキであると何とか見破りたいが、次から次へと他人には絶対わからない
ようなことも当ててしまうソフィに、次第に自分の信念がぐらついてくる。
一方、南仏のブルジョアから霊視を頼まれたソフィはそこのボンボンにすっかり気に入られ
結婚を申し込まれていた。が、スタンリーの登場に彼女の心は揺らぐ。

論理的なスタンリーが、恋に落ちるという論理では割り切れない事象に揉まれて
次第に世の中の曖昧なことも理解するようになる一方、インチキ預言師ではあるのだけれど、
ソフィーはソフィーで、論理的、合理的なスタンリーに惹かれていく、という磁石で言うと
NとN、SとSであった関係がNとSという関係に変化していく様子が、洒落た会話の中で提示
されていく。ここが面白いところだ。

エマ・ストーン扮する霊媒師、私は本物なんじゃないか、と思っていたらラストでどんでん返し。
まあ、アレン的なのではあるが、それでもインチキ霊媒師は、正体を見破ろうとやってきた
一流の魔術師との愛を、南仏のブルジョアとの婚約を蹴って成就するという、まあ古典的な
恋愛劇の仕立てでもある。

名優コリン・ファースが語っても、台本があれだとアレンぽくなるから不思議だ。
コリン・ファースが扮する中国人魔術師のまあ、典型的なシナな感じが胡散臭くていい。
彼を含め、目の大きさをあれこれ言われるエマ・ストーンをはじめとするキャスティングも
なかなかだ。中でも、ブルジョアのボンボンでエマの婚約者となるブライス(ハミッシュ・
リンクレーター)がウクレレを弾きながら歌を唄うところがなんともノーテンキでいい感じ
だった。当時のジャズミュージックと、フラッパー的な20年代の女性ファッションや、
当時のクルマの仕立てなどもいい感じで、上映時間も適当、ウディ・アレン映画だなあ、
とつくづく思える作品だ。今回はユダヤネタは出てこない。
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<ストーリー>
頭が固くて皮肉屋のイギリス人マジシャン、スタンリー(コリン・ファース)は中国人に扮装し、
華麗なイリュージョンで喝采を浴びている。
そんなある日、とある大富豪が入れあげているアメリカ人女占い師ソフィ(エマ・ストーン)の
真偽のほどを見抜いてほしいと友人に頼まれ、早速スタンリーはコート・ダジュールの豪邸へ
乗り込んでいく。

ところが実際に対面したソフィは若く美しい女性で、スタンリーに“東洋のイメージが浮かぶ”
などとあっと驚く透視能力を発揮。この世に魔法や超能力など絶対に存在しないという
人生観を根底からひっくり返されたスタンリーは、笑顔も抜群にチャーミングなソフィに魅了
されてしまうのだった。

他人を騙し騙されまいとするマジシャンと、他人の心を見透かし見透かされまいとする占い師の
駆け引きは次第に加速していくが、二人は素直に想いを打ち明けることができない。
やがてその行く手には、大波乱が待っていた……。(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2016-05-01 22:50 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)