天空の蜂

●「天空の蜂」
2015 日本 松竹映画 「天空の蜂製作委員会」:講談社、GYAO! 木下グループ他
監督:堤幸彦  原作:東野圭吾 「天空の蜂」
出演:江口洋介、本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵、國村隼、柄本明、光石研、佐藤二朗、石橋蓮司他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
原作は1995年だから福島よりずっと前のこと。しかし、これを今製作するにあたっては
福島を避けては通れないだろう。さらに、国民の原発を見る目も随分変わったはずで
映画では「新陽」といわれている高速増殖炉は「もんじゅ」であろう。これらの存在を含め
日本の原子力政策は大きく変わってしまったため、原作が出来た頃と中身が変わらざるを
得なかった。
その現在において原発テロを描くということは勇気がいただろうと思う。その点は松竹を
評価したい。故に製作委員会には常連のテレビ局や新聞社の名前はない。

ただ、結局、原発を止めろという犯人の要求、その犯人が事件を起こそうとした動機、
(綾野剛と本木雅弘、仲間由紀恵)片や、自衛隊の最新ヘリ(乗っ取られた)を開発した
江口洋介、(息子は長じて航空自衛隊に入りヘリのパイロットとなり福島で活躍する)らの
相剋は、原発が悪であるかどうか、についての結論を出していない。そこまでが精一杯
だったのだろう。

それであっても、反原発派の動きや主張、犯人の動機の裏側にあるもの、また原発を
止めろといわれて実施した政府の嘘、など今の原発政策(映画のコメントにも出て
来るが、「人の命より電気のほうが大切なんだ」というセリフなどは、日本の映画か?と
驚く。この映画を百田某が見たらどう思うだろうか。

冒頭から緊迫した展開が最後まで続くので、観させ方としては流石に堤監督である。
また大型ヘリを中心としたCGの出来もなかなかで、リアリズムを重要視する堤監督の
拘りであったであろう。綾野剛が手錠を外す痛いシーンも。
ただ、ひとつ残念だったのが、冒頭の子役(江口の息子で乗っ取られるヘリに乗りあわせて
しまう男の子)の演技が満足行くレベルではなかったので、それがとても残念だった。

主役の江口、本木、仲間、柄本、國村、竹中らの芸達者たちの演技については文句はない。
ただ、堤監督の地元であるので名古屋弁をしゃべる刑事が出るのだが、ネイティブからすると
微妙に違うんだよなあ。

自衛隊の全面協力も得られず、もちろん原発施設の協力もない。「亡国のイージス」の
ように海外からのテロではない部分での製作の苦労もあっただろう。
スペクタクルが好きな人は一度見てみるといいと思う。
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<ストーリー>
1995年8月8日、全長34メートル・総重量25トンを誇る自衛隊用超巨大ヘリ『ビッグB』が
遠隔操縦によりハイジャックされ、原子力発電所『新陽』の上空で静止。『天空の蜂』を
名乗る犯人は全ての原発の破棄を要求、さもなくば爆発物を大量に積んだヘリを『新陽』に
墜落させると訴える。ヘリの燃料が尽きるまではわずか8時間。『ビッグB』の機内には
子供が取り残されており、その父で『ビッグB』開発に携わったヘリ設計士・湯原(江口洋介)と
原子力発電所設計士・三島(本木雅弘)は子供の救出と日本が消滅しかねないこの
恐るべき危機を打開するために奔走する。
しかし政府は原発破棄に難色を示していた。タイムリミットが迫る中、見えざる敵との
攻防が始まる――。(Movie Walker)

この映画の詳細は
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by jazzyoba0083 | 2016-06-19 17:30 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)