ハイネケン誘拐の代償 Kidnapping Mr.Heineken

●「ハイネケン誘拐の代償 Kidnapping Mr.Heineken」
2014 ベルギー/オランダ/イギリス Informant Europe,European Film Co.,Umedia 96min.
監督:ダニエル・アルフレッドソン  原作:ピーター・R・デ・フリース
出演:ジム・スタージェス、サム・ワーシントン、ライアン・クアンテン、アンソニー・ホプキンス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
1983年にオランダで実際に起きたビール王、ハイネケン誘拐事件の実相に迫った映画。
この映画のポイントは2つ。犯人である幼なじみの5人がどこにでもいる普通の人間であり、
根っからの悪人でないことが、結局は自分たちの破滅を招いていく、という点。
もう一つは、被害者ハイネケンの狡猾さである。アンソニー・ホプキンスが実にハマっていた。

主眼は、普通の男たちである犯人らの、誘拐を犯したばかりにその後の人生がめちゃくちゃに
なっていく様なのだが、実際、だれも悪人ぽくないし、誘拐したハイネケンの健康を心配したり
する奴すらいるわけだ。こうした人間が、悪事を成し遂げることなど出来るわけはないわけで、
結局全員が逃げおおせずに逮捕されてしまう。 それはよく分かるのだが、この事件の謎として、
最初警察でさえ大掛かりな組織の犯罪と見ていた事件が、あっという間に5人に絞られ、逃げている
最中に家族や親族も逮捕されるという急転直下、これには映画でも説明されるが、誰かの
タレコミがあったようだ。誰なのだろう。そして、23億円ともいわれる身代金は未だに行方不明
のまま。実はハイネケンが回収を済ませている、(当然保険金は降りているだろうから、
ハイネケンはボロ儲け)、という噂もある。

最後に犯人たちのその後が字幕で示されるが、意外と短い懲役で出てきているんだな。
一人はその後の別の事件に巻き込まれ死亡したようだが、一人はオランダマフィアのボスと
なった、という。誰だろう・・。結局、仕掛けた誘拐が身の程知らずの人物と身代金だったことが
あの5人のサイズに合わなかったということだろうな。もう少し、小型な犯行にすればこんな
ことにもならなかったかもしれないのに。

昨年の今頃、シネコンで封切られた作品で、ポスターを見た時に、一瞬観に来ようかな、とも
思ったが、やめておいて正解だった。WOWOWで見るのが適当な中程度の出来の映画である。
実話がベースとはいえ、映画としての充実度が今ひとつ、という感じである。
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<ストーリー>
1983年に実際に起きた大富豪ハイネケン誘拐事件の顛末を映画化した実録犯罪サスペンス。
ベストセラー・ノンフィクションを基に、未だ謎多き事件の真相に迫っていく。出演はハイネケン役に
アンソニー・ホプキンス、誘拐犯役で「アクロス・ザ・ユニバース」のジム・スタージェス、
「アバター」のサム・ワーシントンほか。監督は「ミレニアム2」「ミレニアム3」のダニエル・
アルフレッドソン。
 
1983年、オランダ・アムステルダム。コル・ヴァン・ハウトは、幼なじみの仲間3人とともに
経営していた会社が倒産し窮地に陥る。追い詰められた末にコルたちは大胆不敵な計画に
全てを賭ける。
それは、世界的ビール会社“ハイネケン”の経営者フレディ・ハイネケンを誘拐し、莫大な
身代金を手に入れるというもの。綿密な計画を練り上げ、いざ実行に移すコルたち。そして
予定通りハイネケンの誘拐に成功する。全てが順調に進んでいるかに思われたが、次第に
歯車が狂い出す。さらに、老獪なハイネケンの食えない態度にも翻弄され、いつしか
仲間同士で疑心暗鬼に陥っていくコルたちだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-06-29 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)