チャイルド44 森に消えた子供たち Child 44

●「チャイルド 44 森に消えた子供たち Child 44」
2014 アメリカ Worldview Entertainment,Scott Free,and more.
監督:ダニエル・エスピノーサ 原作:トム・ロブ・スミス『チャイルド44』
出演:トム・ハーディー、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、ヴァンサン・カッセル他
チャイルド44 森に消えた子供たち Child 44_e0040938_11442919.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
WOWOW「W座」で鑑賞。案内人の小山薫堂、長友啓典もサジを投げていたほど、
何が言いたいのかよくわからない作品。レーニン時代のソ連が舞台だが、個人的には
役者が喋るのが英語、という点で、まずダメ。字幕主義の私だが、これなら吹き替え版を
見たほうがましだ。

原作は未読。もっといろんなニュアンスが記されていて、面白いのだろう。日本でもかなり
評判になったと聞く。で、映画のほう。第二次世界大戦末期、ウクライナがソ連に兵糧攻めに
されたおりの(ホロドモール)生き残りでレオと名付けられた少年。彼はその後MGB
(ソ連国家保安省)の捜査官となり、やり手のエリートとなっていた。彼が主人公だ。

映画の冒頭で、「楽園には殺人はない」というソ連の思想が字幕で示されるが、スターリン
時代の恐怖政治、裏切りと密告と理由のない逮捕とラーゲリ送り、というある種の狂気の
時代をレオとその妻によって描こうとしたのか、44人の子供を殺し続けたマレーヴィチと
いうシリアルキラーのサスペンスなのか、その狂気の殺人事件を包含した狂気の時代を
描こうとしたのか、よくわからなかったなあ。

主人公レオは孤児院出身で出世した人物、正義感は旺盛だが、大勢には逆らわず、
自分の都合の良い時は、受け入れがたいものも受け入れるという融通を持つキャラクターだ。
狂気の国の狂気の時代を生き抜く上で孤児時代から自然と身についた習性、個性かも
しれないが、MGBが怖くて好きでないのに結婚してきた妻とともに我が道を見つけていく
生き方は見えるのだが、ともかく全体像が掴みづらい。

カタルシスとしてはレオを貶めようとしていた、かつての部下を殺し、かつての上司は
左遷され、レオはMGBに復帰、妻とも、かつて部下が両親を殺してしまって孤児になった
二人の女の子を引き取って暮らすことになった、というラストには感じることは
出来るのだが、なにせ、閉まらない長い映画になってしまったウラミは残るのだ。

ストーリーについてはこちらのブログが上手くまとめられています。
チャイルド44 森に消えた子供たち Child 44_e0040938_11445241.jpg

<ストーリー>
09年版「このミステリーがすごい!」海外編で第1位に輝いたトム・ロブ・スミス原作の
ミステリー小説を映画化。1950年代、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン体制下の
ソ連で起きた、子供ばかりを狙った連続殺人事件と、その行方を追う捜査官の姿が
描かれる。危険を顧みず、事件の真相に迫っていく捜査官をトム・ハーディが演じる。

1953年、スターリン独裁政権下にあったソビエト連邦で、9歳から14歳の子供たちの
変死体が次々に見つかった。死体は一様に全裸で胃が摘出されており、さらに山間部で
あるのに溺死していると不審な点が多かったものの、理想国家を掲げる体制のもと
犯罪は存在しないとされていたため、事故として扱われた。
親友の息子が死に、秘密警察MGBの捜査官レオ(トム・ハーディ)は真相を追いはじめるが、
国家の妨害に遭い妻(ノオミ・ラパス)には不当にスパイの嫌疑がかけられる……。
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2016-07-25 23:20 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)