クーデター No Escape

●「クーデター No Escape」
2015 アメリカ Bold Films (presents) Brothers Dowdle, Living Films.103min.
監督・(共同)脚本: ジョン・エリック・ドゥードル
出演:オーウェン・ウイルソン、レイク・ベル、ピアース・ブロスナン、スターリング・ジェリンズ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
小ぶりの作品で、ストーリー的には、驚くような仕掛けもないのだが、ハラハラ
ドキドキ感を演出するエピソードは上手く挿入されていて、★は6個だけど、結構
楽しく見させていただいた。WOWOWにて鑑賞。

水道インフラの整備のため赴任した東南アジアの小国で、行った途端にクーデターが
発生し、自分の会社が国民の怒りを買っていて、反乱民に外国人が殺されている、という
状況下、逃げ場を失ったジャック夫妻と幼い女の子二人一家の決死の脱出行が描かれる。
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エラいところに来ちゃったなあ、という風情の妻と、家族を不便な国に連れて来てしまったな
という風情の旦那。宿泊先のホテルではプール、プールとうるさい幼い娘達。
到着した空港に、出迎えのクルマが来ていない、というところから何かおかしい空気。
空港でピアース・ブロスナン演じるハモンドという謎の男に出会う。

宿のホテルに入ってみても、電気がつかなかったり、テレビが映らなかったり。ロビーには
新聞も売っておらず、近くの売店に出掛けてみれば、自分を見る目がおかしい。
売ってくれた新聞は三日前のものだし。ホテルに帰ろうとすると、道の左と右から反乱軍と
国軍が今や衝突しようとするところに出くわしてしまう。たちまち始まる殴り合い撃ち合い。
双方相当荒っぽい。反乱軍は手当たり次第に住民も殺しているような感じだ。

慌ててホテルに戻るジャック。武器を持った群衆は、アメリカ人がたくさんいるホテルを包囲。
武器を持って建物に侵入して、狼藉を始めた。同宿だったハモンドの手引も有り、屋上へ
避難する。そこには欧米人がたくさん避難してきていた。
待てばやがて欧米軍が駆けつけて助けてくれるだろう、と思っていたところへ、ヘリが登場。
喜ぶみんなだったが、空いたドアからは銃の乱射が降ってきた。そして向かいのビルからの
狙撃。多くが亡くなった。

10歩先を行く、が心情のジャックは、隣のビルに飛び移り、そこから逃げることを決心、
怯む妻を励まし、まず妻がジャンプ。そして二人の娘をひとりずつ投げる。受ける妻は当然
転倒、傷だらけに。そして屋上に出てきた反乱軍にやられる一歩先に、ジャックもジャンプ。
隣のビルに移ることが出来た。しかし屋上のドアは固く閉まっている。そこで一階下に壁
伝いに降りる。やがて戦車も登場。ビルの中に飛び込むと同時にそのビルにも反乱軍が
押し寄せた。また戦車の大砲も打ち込まれた。
ジャック一家は、瓦礫の隙間を死体で塞ぎ、反乱軍の目を避け、九死に一生を得た。
そこで見つけた地図を頼りに、アメリカ大使館を目指すことにした。

現地民の服装をまとい、部屋に転がっていたバイクのキーを持って地下の駐輪場へ行き、
片っ端からバイクの鍵穴に差し込んで見る。途中、反乱軍の一人に呼びかけられるがなんとか
急場をしのいだ。親子4人を載せたカブは、反乱軍の中を塗って数ブロック先のアメリカ
大使館を目指す。途中、一人の男にバレていたが、その男はなぜかスルーした。
なんとか大使館にたどり着くが、大使館はすでに反乱軍に占拠されていた。ジャック一家は
反乱軍に見つかり、逃げる。途中で民家に忍び込み、そこの老人の親切で、なんとか
難を逃れられるか、と思ったが、銃を奪おうとしたジャックが見つかり、それを助けようとした
妻も捕まってしまう。妻がリーダーに乱暴される寸前、なんとハモンドと手下のケニーが
登場、反乱軍を倒し、一家を救った。

ハモンドの忠告で、一家は川の3キロ下流にあるベトナム国境を目指すことになった。
追っ手は更に増える。一家を逃がしたハモンドは、自分が犠牲となり追ってのトラックを転覆
させたが、自分も轢かれて死んでしまう。彼らはイギリスの秘密工作員だったのだ。
イギリスの利権を確保するために影で動いていたわけで、搾取する側として反乱軍の
「国の水道の根幹をアメリカに取られた」という怒りには理解が出来てしまうのだった。

さて、川まですぐそこ、というところで、ボートを見つけ、その所有者の老人に腕時計と
履いていたスニーカーと交換するところまで行ったが、反乱軍が来てしまう。妻と娘二人は
隠れたが、自分は老人に言われるまま穴あきボートを伏せて隠れた。雨の夜である。
押し寄せた反乱軍に、老人は「白人は見ていない」と言ってくれるが、ボスは近くにあった
伏せたボートをめくり上げた。飛び出すジャック、争いが始まるが、なにせ多勢に無勢。
ジャックは捕まってしまう。そこへ、次女のルーシーが「パパ」といって飛びだしてしまう。
ルーシーは捉えられ、手に銃を握らされ、父親を撃てとボスに手を添えられて父に銃を
向ける。その時、走り寄った妻は持っていた棒だか、鉄棒だかをボスにおもいっきり
振り下ろす、怯んだすきにジャックは銃を奪い、反乱軍に発砲、数人の敵を倒すことが
出来た。駆け寄り抱きしめあう家族4人。

急いでボートに乗る。そして川を下り始めるが、ベトナム国境警備隊の目の前で敵に
見つかってしまう。ベトナム兵は「許可のないものは国境を超えられない。引き返せ」と
拡声器で言う。ジャックは必死で無抵抗の市民だと説明、川の流れのまま、やがて
ボートは国境を超える。するとベトナム軍は追ってきた反乱軍に「ボートはすでに
ベトナムに入った。発砲すれば交戦とみなす」と脅した。すると反乱軍は去っていった。
こうしてジャック一家は、絶体絶命のシーンから脱出できたのだった。
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全体の話は以上である。

子供を投げたうえでビルを飛び移るところ、飛び移ったビルで仕方なく反乱軍の一人を殺し
てしまうところ、ハモンドの最期の前後、そしてラスト、銃を握らされたルーシーと、妻の
会心の一撃。結局、大使館に向かおうとか川を下ろうとかの決断をし、最後は旦那の
危機一髪を救った妻こそ、強いなあ、と感じたのだ。しかし、ビルに飛び移るとき、自分の
子供をそう簡単に投げられるものか、あれだけの危機が背後に迫れば、親は一縷の望みを
絶望の中にも見出そうとするのだろうか。男親の決断、親子、夫婦の機微も含め、その辺りも
考えた映画であった。

放題のクーデターはタイトルとしてどうか、と感じた。原題は「逃げ場なし」というニュアンス
なので、そういう方向のほうがいい感じじゃないか。

この映画の詳細はこちらまで。

 
by jazzyoba0083 | 2016-07-27 22:45 | 洋画=か行 | Comments(0)