チャップリンからの贈りもの La rançon de la gloire

●「チャップリンからの贈りもの La rançon de la gloire 」
2014 フランス Why Not Productions and more.115min.
監督・(共同)脚本:グザヴィエ・ボーヴォア
出演:ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ、ピーター・コヨーテ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

フランス語の原題と日本語のタイトルを並べると作品のオチが分かる。原題は「名声の値段」。
「贈りもの」が何であるかは映画のラストで語られる。
いかにもフランス映画、という味わい。どこが、と云うと、「間の取り方」「ウィットの加減」
そして全体の「面白うてやがて・・・」という味付け。ハリウッド映画に慣れている身としては
テンポが単調となり、物語が膠着する半ば辺りでは、飽きが来たところもあった。

 実際に有った事件を元にした物語で、チャップリンのお棺を盗み出し、これを人質として身代金を
遺族に要求する、と言うもの。しかし、これを思いついた男が、とにかく場当たりで出たとこ勝負、
無計画この上ない奴で、罪は犯すが憎めないおじさん、彼に巻き込まれる男も、引きずられて大変なのだが、
最後はハッピーエンドとなる。このホノボノ感はフランス映画だなあ、と感じる。こそ泥のような
おじさんがサーカスのピエロになるというのもフランス映画っぽい。

音楽が御大ミシェル・ルグラン。すごい人が音楽なんだなあ、と思っていると、当時のモノクロテレビから
流れてくるのが「ロシュフォールの恋人」の挿入歌だったりする。チャップリンの名作「ライムライト」の
テーマなども上手く取り入れている。一方で分厚いストリングスオーケストラがいささか饒舌すぎやしないか、
と感じた部分もあった。

 チャップリンの遺児(もう立派なオトナだけど)も出演していて、チャップリン家の全面協力の下で
製作されたという。ピーター・コヨーテ以外に出演している俳優さんをあまり知らないが、ヒューモアと
ペーソスという作品の持ち味を上手く引き出していたと思うのでいいキャスティングじゃなかったかと。
チャップリンの棺を盗みだしたはいいが、その後のことを何も考えていなかったため、身代金を盗んだ、
というやつが次から次へと現れたり、舞台となるスイス警察とチャップリン家の秘書の応対が上手いの
で(というか主人公二人がヘタレすぎなんだけど)、身代金が100万ドルから50万ドルになり、しまいには
5万数千ドルまでに引き下げられる。逮捕のきっかけもマヌケなものだし、英語を喋るチャップリン家に
フランス語で電話を入れるとか、その辺りは笑える。結局身代金の値下げ(主人公の片割れオスマンの
奥さんの病気治療費)が、チャップリンの贈りものを呼ぶのであるが。
 フランス映画の持つ、まったり感が好きな方にはお勧めである。
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<ストーリー>
「神々と男たち」のグザヴィエ・ボーヴォワ監督が、喜劇王チャップリンの遺体誘拐事件という当時
世界的ニュースとなった実話をヒントに撮り上げたヒューマン・コメディ。
冴えない2人の男が引き起こした前代未聞の事件の顛末を、チャップリンへのオマージュ満載に、
ユーモラスかつハートウォーミングに綴る。
主演は「ココ・アヴァン・シャネル」のブノワ・ポールヴールドと「この愛のために撃て」の
ロシュディ・ゼム。また、チャップリンの孫娘ドロレス・チャップリンが未亡人役で出演。

 1977年、スイス・レマン湖畔。出所したばかりのお調子者エディは、親友のオスマンとその幼い娘に
温かく迎えられる。しかしオスマンは、入院中の妻の医療費が工面できずに追い詰められていた。
そんな時、テレビでチャップリン死去のニュースが報じられ、2人は遺体が近所の墓地に埋葬されること
を知る。そこでエディは、チャップリンの棺を盗み出し、身代金を頂くことを思いつく。
さっそく、ためらうオスマンを強引に巻き込み、2人で行き当たりばったりの遺体誘拐計画を実行するが…。
(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352889こちらまで。

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by jazzyoba0083 | 2016-09-14 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)