Dearダニー 君へのうた  Danny Collins

●「Dearダニー 君へのうた Danny Collins」
2015 アメリカ Big Indie Pictures,ShivHans Pictures.107min.
監督・脚本:ダン・フォーゲルマン
出演:アル・パチーノ、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナー、ボビー・カナヴェイル
   クリストファー・プラマー、メリッサ・ブノワ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

面白かった。優れた脚本家の監督デビュー作だが、さすがは本業、脚本も手掛けたことだけの
ことはあり、ストーリーがよく練れているし、何より日本人にはなかなか出せない会話の
キャッチボールにおけるユーモアとペーソスがいい感じだ。こういう優れた脚本に対し
演技陣も冴えている。アル、アネット、ジェニファー、それにプラマーなど渋いが光る
配役は観ていてまことに充実し、安心も出来る。適度な長さの作品に対し、起承転結が
上手く転がる。実話をベースにしているとは云え、内容は相当換骨奪胎されているので、そこは
脚本家(+演出)の腕とキャストの演技の巧さ、の勝負なのだ。

主人公のアル・パチーノが、大物ロッカーで大金持ちであるが、実は結構いいやつで人情味が
ある男、そしてユーモアがある、という役どころを実に上手く演じている。大金持ちとは
勢い鼻持ちならなくなるなるものだが、本作では、ラストカットの医師からの呼びかけが名前か
苗字か、というところで収める部分のかっこよさも含め、とても良かった!
加えて、ホテルのマネージャー、アネット、そしてアルの息子の嫁、さらにアルの息子役も
締まった演技で映画を緊張あるタイトな仕上がりにしていた。
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 ツアー三昧の暮らしで、家庭を省みなかったロック界のスーパースター、ダニー・コリンズ(アル)。
彼はデビュー当時、世界で一番敬愛するジョン・レノンから励ましの手紙を貰っていたのだが、当時所属して
いたレコード会社が本人に黙って売りに出してしまっていた。
そんなことも知らず音楽界で生きてきたダニー、今や大ヒット曲の数々を抱える大スターとなり、
ツアーではどこも満員札止めであった。だが、自堕落の生活は、彼を麻薬と酒びたりにしてしまい、
孫娘がいる長男一家とは疎遠になっていた。
そんな彼だがすでに30年以上も新曲を書いていなかった。ベストアルバムを出せば売れる、それも
あった。ライブを開くとかつての大ヒット曲を歌わなければ聴衆は満足してくれなったというもの
あった。
 そんな状況の中、親友にしてマネージャーのフランク(プラマー)が、ジョン・レノンの手紙の
存在を突き止め、自ら探し出し購入し、ダニーにプレゼントしたのだった。驚いたダニー。当時
これを読んでいれば、また変わった人生になっていたかもしれない、とその内容に激しく打たれたのだ。
自堕落な生活を止め、若い娘との暮らしやクスリも断って心を入れ替えることを決め、郊外のホテルに
ピアノを持ち込み作曲に打ち込んだのだった。そして、長らく没交渉だった長男一家の元へも出かけたのだ・・・。
 すると孫娘は元気はいいのだが、「多動性障害」ということで、特別なプログラムがある学校への
転校がマストであったのだが、NYにある有名校は「面談を受けるだけで3年」という超難関であった。
しかし、ダニーは有名人のコネをフルに使って、孫娘の入学を決めてしまう。(学校に多額の寄付を
した)次第に長男の心も溶けていくが、長男は白血病だ、と告白するのだった・・・。

ホテルマネージャーのメアリーに一目惚れしたダニーは「夕食の約束を」と迫るが、メアリーは
なかなか応じない。新曲のライブでそれが聴衆に認められれば、約束に応じる、というのだ。
彼女のヘルプも有り曲は完成し、小さなライブハウスで演奏会を開くが、結局有名曲のリクエストに
勝てず、またビビりの性格が顔を出し、せっかく家族やメアリーも聞きに来てくれたのに、新曲は
歌えずじまいとなった。やけになったダニーはまたクスリに手をだす。
 やがて最新治療を受けた長男トムの治療の結果を聞く時期が来た・・・。
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実際はフォークシンガーに起きたジョン・レノンからの手紙であるが、最近曲作りから遠のいた
ロックのスーパースターとその長男一家に置き換えて、そこに起きる物語を、力まず、洗練された会話と、
魅力的な演技で魅せる。ハッピーエンドも含め、こころが暖かくなり、自ずと笑顔で見終わることが出来る
良作である。アル・パチーノの渋い喉がまたいい感じだ。

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352850#1こちらまで。

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by jazzyoba0083 | 2016-09-19 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)