コードネームU.N.C.L.E. The Man from U.N.C.L.E.

●「コードネームU.N.C.L.E. The Man from U.N.C.L.E.」
2015 イギリス Warner Bors.116min.
監督・(共同)製作、原案、脚本:ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィカンダー、エリザベス・デビッキ、ヒュー・グラント他
コードネームU.N.C.L.E.   The Man from U.N.C.L.E._e0040938_15344889.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

テレビ番組「0011ナポレオン・ソロ」は、中学1年ころリアルタイムで見ていて、ソロの持っていた
ワルサーP38 UNCLE仕様やイリヤが持っていたワルサーPPKには強く憧れて、「MGC」でモデルガンを
買ったな。顎の先が割れたロバート・ボーン、ひょうひょうとした面白さが粋な感じだったデイヴィッド・
マッカラム、そしてウェイバリー課長のレオ・G・キャロルと、矢島正明と野沢那智の声もお洒落で、スパイ
映画といえどもハードボイルではなく、小洒落た出来が好きだった。スポンサーがブリジストンとSONYだった
のもよく覚えている。

そういうドンズバの世代であるので、なんで中身的にあるいはスタイル的にオリジナルと合わないものに
わざわざナポレオン・ソロの名前を出したのかな、と感じた。あたらしい、ガイ・リッチーらしいスパイもので
良かったのに。説明的な前半はいささか眠かったが、後半物語が動き出すと俄然面白くなる。
オリジナルの持つ「思わずニヤリ」なセリフやシーンも出て来始める。主人公2人はちょっとハンサムすぎというか
顔が整いすぎている。特にイリヤはオリジナルのイメージとはかけ離れている。 
全体に音楽の使い方が上手く、既成の曲をいい感じで使っている。個人的にお気に入りだったのが、ボート同士の
追撃のシーンで、海に投げ出されたソロが、停まっていたトラックを敵のボートにジャンプさせて沈ませるシーンで
流れるヒロシのテーマでおなじみ、映画「ガラスの部屋」でも使われたペピーノ・ガリアルディ歌うカンツォーネ
「QUE VEUT CETTE MUSIQUE」が良かった。シュールで雰囲気いい感じ。

東ベルリンで自動車整備工をしているギャビーを演じるアリシア・ヴィカンダーは、この映画のマドンナ的な役割
ながら、スパイ映画として重要なポジションでもあり、美人な役どころは悪のボス的存在のエリザベス・デビッキに
任せ、キュートで役得な存在としてなかなかスパイシーであった。彼女にまつわる謎も映画の終盤に明かされ、
続編の匂いプンプンの中でエンドロールとなる。ウェイバリー課長(映画では局長)のヒュー・グラントは、まあ
あんなものでしょう。
この映画はTVシリーズのソロとイリヤが出会い、U.N.C.L.E.という組織が出来上がる、黎明期の物語であり
映画の人気シリーズ「アヴェンジャーズ」や「Xメン」「スタートレック」などで取られる先祖返りパターンで
ある。しかし、ソロが大泥棒だった、というのは何かピンと来ないなあ。

冷戦が始まるころの東西ベルリンが舞台だが、近い過去なりの難しい小道具の苦労があっただろう。特に東側の
当時のクルマや服装などはゼロから再現しなければ無い状況だっただろう。またローテクのスパイ道具を逆に
お洒落に見せている上手い所もある。
全般のダルさのまま終わったら★は6つ以下だなあ、と思っていたら後半になり面白くなった。アメリカの
TVシリーズの映画版というよりも、イギリスの監督がイギリスの俳優を使って作ったイギリス的匂いのする
ある意味ストイックな雰囲気さえあるスパイ映画である。
コードネームU.N.C.L.E.   The Man from U.N.C.L.E._e0040938_15350361.jpg
<ストーリー>
日本でも人気を博した往年のTVドラマ「0011ナポレオン・ソロ」を、「シャーロック・ホームズ」
シリーズのガイ・リッチー監督が映画化したスタイリッシュ・スパイ・アクション。東西冷戦時代を背景に、
アメリカとロシアのトップ・エージェントが手を組み、互いに衝突を繰り返しながらも世界を揺るがす巨大な
危機に立ち向かう姿を描く。
主演は「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カヴィルと「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマー。
共演に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のアリシア・ヴィカンダー。

 東西冷戦真っ只中の1960年代前半。アメリカCIAの敏腕エージェント、ナポレオン・ソロがベルリンへ
向かう。目的は東ベルリンの自動車整備工場で働く女整備士ギャビーを確保すること。彼女の父親は失踪した
天才科学者ウド・テラー博士で、核兵器を巡る国際的陰謀に巻き込まれている可能性が高かった。

やがて世界の危機を前にアメリカとロシアは協力を余儀なくされ、ソロはKGBのエリート・スパイ、
イリヤ・クリヤキンと手を組まされるハメに。しかし2人は考え方もやり方もまるで水と油。それでも
ギャビーを守り、テラー博士の奪還と大規模テロの阻止というミッションのために、渋々ながらも力を
合わせるソロとクリヤキンだったが…。(allcinema)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352332こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2016-11-10 22:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)