2016年 11月 12日
張り込み Stakeout
1987 アメリカ Touchstone Pictures.117min.
監督:ジョン・バダム
出演:リチャード・ドレイファス、エミリオ・エステヴェス、マデリーン・ストー、エイダン・クィン他
<感想>
所謂「バディムービー」は何を以って嚆矢とするのか、色々と調べてみたのだが、どうやら
1982年製作、ウォーター・ヒル監督作品「48時間」が、その後、刑事二人組の活躍を描いた作品の
今のスタイルを作ったとする声が高い。エディ・マーフィーはこの後「ビバリーヒルズ・コップ」と
いう出世作に出演することになり、また「リーサル・ウェポン」などの人気バディシリーズも生まれ
ハリウッドの一つのジャンルとなっていったようだ。異論もあろう。昔をたどればテレビ映画に
「スタスキー&ハッチ」という傑作もあった。
そういう「バディムービー」の傑作は?と問われると大体、ジョン・バダムの本作が入ってくる。
アメリカの批評サイトの評価も高い。allcinemaでも傑作と評する向きが多いのだが、私はそれまで
かなあ、と感じた。面白くなくはないのだけれど。時代も古いのでいささかクラッシックな笑いとか
ストーリーであることは割り引くとしても、刑事モノとしてのスリリングなところがやや薄いと思う。
カーチェイスなど盛り上げるところもあるし、数々の名作に関わってきた撮影監督ジョン・シールの
味わいのあるアングルなどもいいのだけれど。まあ、個人の好みに帰結してしまうのだが。
リチャード・ドレイファスとエミリオ・エステヴェス(マーティン・シーンの息子だけあって良く
似ているし、当たり前だけど弟のチャーリー・シーンにもそっくり)のコンビ、これはなかなか
良かったけど、ややもすると双方がボケになってしまう感じもする。
マドンナ的存在のマデリーン・ストー、今でも十分美しいがこの映画では若々しさが、一層美しい。
この後、続々と作られていく派手な作りのバディムービーに隠れてしまいがちだが、このジャンルの
中では落ち着いた面白さの作品ということが出来るだろう。
アメリカ西海岸の最北端に位置する港町のシアトル。刑事のクリス(リチャード・ドレイファス)と
その相棒のビル(エミリオ・エステヴェス)は、魚加工工場で大立回りをしたわりにまんまと
犯人に逃げられてしまうというドジなコンビ。この2人がFBIを通じて特命を任じられる。
警察官を殺して服役中だった凶悪犯スティック(アイダン・クイン)が脱獄したので、その恋人
マリア(マデリーン・ストウ)の家を24時間態勢で「ステイクアウト(張り込み)しろ!」と
いうもの。仲の悪い刑事コンビとの昼夜交替制で、彼らは夜間の張り込み。マリアの家の向かいの
オンボロ屋敷の2階に、望遠カメラや高性能マイクやビデオなどの“ハイテク盗聴メカ”を備えつけて
ウォッチングの開始。
はじめは、何も起こらないことにうんざりしていたクリスだが、彼女が若くて美人だと判ると
「まんざらでもない仕事だ」と言って、ビルと望遠鏡の奪い合いをする始末。ある日、電話の
盗聴をするために電話屋に扮して彼女の家を訪れたクリスは、実際に彼女を目にして、その
魅力にまいってしまう。彼女の方も彼に好意を持ち、スーパーの買い物で再会した彼らは
恋に落ちてしまう。彼女の家に一泊しての“朝帰り”に犯人と間違えられたりと、刑事と犯人の
恋人との“あぶない恋”。そんな折、一時は警察との銃撃戦で死んだと思われていたスティックが
戻って来た。クリスとマリアは人質として捕われてしまい、スティックはカナダへの高飛びを
図る。しかし、ビルの助けもあって何とか無事に事を終えるのだった。(Movie Walker)
この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=18551こちらまで。