グロリア  Gloria (1999)

●「グロリア Gloria(1999)」
1999 アメリカ Columbia Pictures,Mandalay Entertainment. 101min.
監督:シドニー・ルメット
出演:シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーサム、ジーン・ルーク・フィゲロア、ジョージ・C・スコット他
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<評価>★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
1980、ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演で作られた同名の作品のリメイク。
監督と主演の名前に惹かれて観てみたけれど、これが「セルピコ」「狼たちの午後」「評決」の
シドニー・ルメットの作品か?と疑いたくなるような、「スカスカ」な出来だった。

随分昔にオリジナルは観ていて、まずまずな感想を書いている。http://jazzyoba.exblog.jp/3840861/
中身は覚えていないけど、ジーナ・ローランズの凄みは何となく覚えていて、本作を見だして
しばらくすると、黒人の子供との逃避行は観た覚えがあるな、と思い出したのだった。

シャロン・ストーン、ヤクザなねえちゃんだが母性に目覚めるという役どころだが、深みに欠ける。
見事なスタイルと美形だけを理由にキャスティングされたんじゃないかと邪推してしまう。
彼女も作品に恵まれれば「モンスター」のシャーリーズ・セロンみたいになれたんじゃないかなあ。
共演者もパットン将軍(ジョージ・C・スコット)以外ぱっとせず、グロリアが母性に目覚める
シーンも唐突感がある。それぞれのシークエンスも、もう少し短くしたほうが緊張感が出るんじゃ
ないか、と思う。例えば、悪い男たちの服を全部脱がせて子供と共に逃亡するところなど、良い
シーンだけど、長い。そうしてみると、画角もなんかルーズで締まらないんじゃないか、と思えて
来てしまう。子供を学校に預けるのだが、帰りたくないグロリアが学校の前でクルマを行ったり
来たりさせるシーンも長い。カーチェイスなんかも入っているのだが、スリルを感じない。ルメット、
やる気が無いんじゃないか?と思ってしまう。そこに居れば見つかっちゃうだろう、と思うところに
いたり、詰めが甘いところも多い。
えらく腐してしまったが、素直な感想を記しておく。

「グロリア」を観たい人は、カサヴェテスを観ておけばオッケーじゃないかと思う。
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<ストーリー>
ニューヨーク。グロリア(シャロン・ストーン)はフロリダで3年の刑期を終え、恋人ケヴィンの
元に帰るが、そんな彼女を組織の冷酷な裏切りが待ち受ける。グロリアは居合わせた少年ニッキー
(ジーン・ルーク・フィゲロア)を人質に、男たちに銃を向けてそこを脱出。実はニッキーの父親は
マフィアの会計士で、組織の秘密を握るフロッピーを持ち出したせいで一家は惨殺され、父から
フロッピーを託されたニッキーも彼らの手中におちていたのだ。

マフィアの標的にされ窮地に陥った彼女は、絶縁状態にあった姉の元を訪ねるが追い返されて、
仕方なく安宿に身をひそめる。ところがそこにも追っ手が迫り、雑踏でグロリアとはぐれたニッキーは
再びつかまってしまう。かくしてグロリアは、親友ダイアン(キャシー・モリアーティ)の協力で、
ケヴィンら一味のボスであるルビー(ジョージ・C・スコット)にフロッピーとニッキーの交換を
持ちかけ、自らの命を賭けてニッキーを救い出そうと図るのだった。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=85265#1こちらまで。



by jazzyoba0083 | 2017-01-12 22:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)