2017年 01月 19日
ザ・ブリザード The Finest Hours
2016 アメリカ Walt Disney Pictures,and more.118min.
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:クリス・パイン、エリック・バナ、ケイシー・アフレック、ホリディ・グレインジャー他
<感想>
これ、シネコンの大画面で観たかった。画面の迫力があれば感想も、少しは変わったかも
しれない。もう特撮映画だ。ストーリーは実際に1952年(私が生まれた年)に起きた事件を
元にしている。が、そうであれば面白さに下駄が履けるのが普通だが、本作は細かいところで
詰めが甘く個人的には、ちょっといただけないんじゃないか、と思わざるを得なかった。
例えば、雪の中を走るクルマに付く雪のありよう、救難中、また救助艇に乗せてから
港に向かうまでの登場人物が、真冬の海でしかもずぶ濡れなのに、寒そうでないという
事態、加えて大型タンカーの救助に行くのに小型救助艇って、行って何するの状態の件、
しかも、嵐の中を突撃させる司令官の無能さ、加えてこの司令官、救助艇がタンカーの
乗組員を救助して人の重みで推進もままならない上、羅針盤を無くした、って言っている
のに、近くの僚船にいかせようとする無能の上塗りの件、などなど、これって実際は
どうなの?とか、たまたまタンカーと行き会ったからいいようなものの、運が良かった
向こう見ずの救助が、そう賞賛されることなのかいなあ、と思いながら観ていた。
救いは、半分になっちゃったタンカーを操船したシーバートを演じたケイシー・アフレックの
存在。かれは船長がいるデッキ部分がある前半分がちぎれて沈没したことを受け、後ろ
半分を出力の加減だけで操り、砂州に座礁させたのだ。彼こそ褒め称えられるべきじゃないか?
主役のクリス・パインは動きのある演技ではなかったとは言え、平凡であった。勝ち気の
婚約者ホリディ・グレインジャーは頑張っていたが、底が浅い感は免れない。全体として
巨大な波浪に立ち向かう救難艇のシーン(サーフィンか!)以外は見せ場もなく、しかも
救難艇の先端の見張り役をいつまでも置いているんじゃねえよ、かわいそうに、などと思い
ながら観ていて全体として平凡な出来となった。ディズニーだから?
この直前に観た「白鯨との闘い」の捕鯨基地だったナンタケット島沖の100年後のお話だ。
アメリカ沿岸警備隊の隊員たちが過酷な気象状況下で巨大タンカーの乗組員の救出に挑んだ、
SSペンドルトン号の救出劇と呼ばれる実話を基にしたスペクタクルドラマ。
10年に発表され、話題を呼んだノンフィクション小説を『ミリオンダラー・アーム』の
クレイグ・ギレスピー監督が、クリス・パインを主演に迎えて映画化した。
1952年2月18日未明、超大型ブリザードが大西洋沖を航行中の大型タンカー、ペンドルトン号を
襲った。雪が混ざった強風と大きくうねる波にさらされて、前月に船体を補修したばかりの
継ぎ目が避け浸水。真っ二つに裂かれてしまう。タンカーの構造に精通する一等機関士
レイモンド・シーバート(ケイシー・アフレック)の指揮のもと、船員たちは沈没を食い
止めようと懸命の作業にあたる。
一方、沿岸警備隊チャタム支局にペンドルトン号遭難の知らせが入り、新任の司令官クラフ
(エリック・バナ)は木製の小型救命艇で生存者救出に向かうよう一等水兵のバーニー・ウェバー
(クリス・パイン)に命じる。1年前に似たような状況で8人の命を救えなかったバーニーは、
今度こそ誰も死なせないと心に決め、仲間のリヴシー(ベン・フォスター)やフィッツ、
マスキーとともに救出に向かう。
しかしタンカーの生存者は32人であるものの、小型救助艇の定員は12人。また、コンパスが
壊れてしまい、視界がないにも拘わらず方角もわからなくなってしまう。雨と雪が混じった
風速40mを超える強風と20m超の高波が襲う中、刻一刻とタイムリミットが迫るペンドルトン号の
もとへバーニーらは命がけで向かう。(Movie Walker)
この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354700まで。
アメリカ沿岸警備隊史上最も困難とされた海難事故、SSペンドルトン号の救出劇を映画化。冬の寒さが厳しい北大西洋上で悪天候により遭難した巨大タンカーに残された生存者32人の救助に、4人の沿岸警備隊が定員12人の小型木製救助艇で挑む。監督は、『ラースと、その彼女』...... more