アンダーカバー Imperium

●「アンダーカバー Imperium」
2016 アメリカ Atomic Fearures and more.109min.
監督・脚本・(共同)製作:ダニエル・ラグシス
出演:ダニエル・ラドクリフ、トニ・コレット、トレイシー・レッツ、サム・トラメル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開作品。WOWOWにて鑑賞。実話をベースにしている。トランプ政権成立後に観たので
ここに描かれる白人至上主義者の主張がある部分トランプの主張にダブって見えて、考えさせられる。

続く緊張、よく出来た脚本がラドクリフの演技を支えた。おどろおどろしくもならず、いい感じの
出来だと思った。だが、潜入捜査が完了した時の、いわば騙し騙された双方の心の動きが弱く、
画竜点睛を欠いた感がある。通り一遍なそこそこの出来の潜入捜査ものになってしまった。そこが残念。
そこまではいい出来の映画だったのに。トニ・コレット扮するサポート側の先輩FBI捜査官にラストで
「結局の原因は、被害者意識ね」と言わせて、騙した側の青年が更生した後、学校で講演して曰く、
「僕は受けてきた被害と同じことを警察や周囲にしていた」と言わしめるだけだったのが物足りない。
ラドクリフの捉え方をもう少し聞きたかった。入れ墨を入れたりしてあれだけ同化の演技を上手く
したのだから。

だが、ブラームスを聴く白人至上主義者ジェリーとは、騙していて悪いなあ、という思いがあった
ように描かれるが、そのあたりの心持ちと、お互いミッションを成し遂げようとする気持ちの相克が
描かれる部分もあったが。付けられた原題から推察されるのは、単なるFBIもの以上に深い心の動きを
捉えた映画を目指していたのだろう。大筋が単純なので、役どころの心の動きが分かりやすく描ける
シークエンスではあったと思うから、よけいに残念だ。

ゲジゲジ眉毛のラドクリフ、坊主頭にして白人至上主義者を良く演じていたと思う。潜入した先の
アーリア人同盟やKKKのやつらがあまり酷く描かれないので、ラドクリフ君、先入先で同化されちゃう
んじゃないか、とハラハラもさせる。
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<ストーリー>
元FBI捜査官の実体験をもとにした、ダニエル・ラドクリフ主演のスリラー。白人至上主義を掲げる
ネオナチ集団が爆弾テロを計画しているとの疑いが持ち上がり、ネイトは潜入捜査することに。
計画を阻止するため、彼らに同調しつつ探りを入れていくが……。
監督は本作が長編初監督作品であるダニエル・ラグシス。脚本にはモデルとなったマイケル・ジャーマンも
参加している。

白人至上主義を掲げ過激さを増すネオナチ集団に、爆弾テロ疑惑が浮上。潜入調査することになった
FBI捜査官ネイト・フォスター(ダニエル・ラドクリフ)は、髪を刈ってネオナチの象徴でもある
スキンヘッドにし、彼らに馴染むよう行動しながらテロを阻止しようとするが……。(Movie Walker)

この映画の詳細はhttp://movie.walkerplus.com/mv61975/こちらまで。


by jazzyoba0083 | 2017-01-25 14:00 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)