戦う翼 The War Lover

●「戦う翼 The War Lover」
1962 イギリス Columbia Pictures Co,. 105min.black&white
監督:フィリップ・リーコック
出演:スティーブ・マックィーン、ロバート・ワグナー、シャーリー・アン・フィールド、マイケル・クロフォード他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想:結末に触れています>

第二次世界大戦、イギリスに駐在したアメリカ空軍爆撃隊を舞台にした、マックィーンとワグナーの
男同士の、また恋人を巡る駆け引きをモノクロで描く。マックィーン主演作品で、この時代のものは
なかなか観る機会がなく、WOWOWで放映してくれたので録画して鑑賞した。

マックィーンは本作製作翌年にジョン・スタージェス作品「大脱走」に主演する。そういう時期だ。
優男ワグナーは人気が出るTVシリーズ「スパイのライセンス」まで、まだ6年を必要としていた。
二人は同じ年に生まれ、マックィーンは残念ながら他界しているが、ワグナーは健在である。
御年87歳になられるはずだ。ワグナーの恋人ダフニーを演じたシャーリー・アン・フィールドも
ご健在で、79歳。以上は映画の出来には関係ない余談。

本作は白黒映画であるが、当時はカラーと白黒が結構入り乱れていた時期のようだ。1962年製の映画を
表彰した第35回アカデミー賞(司会はフランク・シナトラ!)の各賞受賞作を見ると、作品賞の
「アラビアのローレンス」はカラーの大作、一方、主演男優賞に輝いたグレゴリーペック「アラバマ物語」は
白黒だ。美術賞も白黒部門とカラー部門に別れていた。それとこの時代はまだ先の大戦を描いた(特に戦闘)
作品も多かった。先に触れたように「大脱走」「史上最大の作戦」「ニュルンベルグ裁判」「ナバロンの要塞」
などなど。
故に本作も、白黒の欧州大戦もの、という当時としては製作されるべくして製作された作品といえる。
カラーでも良かったような気もするのだが、当時の映像を挿入したりすると白黒のほう粗が見えづらいという
ことでろうか。
内容は先に書いたような、空の男の相克と、恋の鞘当てという単純なストーリーで特に見るべきものはない。
ただ、まだ終戦後17年、「空の要塞」といわれた欧州戦線期待の爆撃機、B-17も沢山実機があったようで、
その編隊の迫力や、実物の胴体着陸などは、好きな人にはたまらないだろうし、実際迫力もある。
冒頭で米英空軍に対する謝辞が字幕で出るが、軍隊全面協力だったのだろう。

物語として一番の見どころは、1000機もの爆撃機編隊で実施したドイツ・ライプツィヒの合成燃料工場
爆撃作戦の帰りの事。迎撃機により6人の搭乗員が死亡し、残りは脱出した後、4発あるエンジンも2つ止まり
爆弾庫に不発弾を抱え、操縦席も機銃掃射でズタズタな愛機を操縦し、なんとかイギリスに着陸させようと
するマックィーン機長が奮闘するところだ。
ワグナーは、機長になる経験も位もある中尉なのだが、マックィーンの男気や腕前に惚れ込んで副機長に
甘んじているが、このマックィーンが、ワグナーの恋人を横取りしようとするのだな。失敗するんだけど。

要するにマックィーンの無頼な魅力が映画の魅力になっているわけ。傷だらけボロボロの期待で帰投する
機内で、マックィーンがワグナーに「死ぬのは怖いか?」と訊くと、ワグナーが「バズ(マックィーン)は
生きるのが怖いんだろう!」と返す。ここが一番のセリフだったな。つまりマックィーンには帰国しても
帰る故郷も家族もない。戦うことそのものが好きで、ワグナーの恋人からは「あなたは破壊し殺すのが
好きなだけよ!」というキツイ言葉を投げつけられる、そういう性格、男なのだな。ラストは有り勝ちな
もので、脱出を止め一人機内に残り、自力で機体をイギリスに戻そうとして、ドーバー海峡はなんとか
渡りきるものの、高度が足りず、イギリス側の岸壁に激突して非業の死を遂げるマックィーン機長。
彼は彼なりの落とし前を付けたのだな。そしてワグナーは恋人と二人で愛を確かめあい、歩き去ると
いうもの。しかしワグナーのイギリスでの恋人は、終戦したらアメリカに渡るのかどうかまでは描かれ
ていない。

マックィーンファンには永久保存作品なんだろうけど、そうでもない人には平凡な戦争&恋愛映画だ。

<IMDb=★6.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:--- Audience Score:48%>
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<ストーリー:結末まで全部書かれています>

アメリカ作家ジョン・ハーシーの「戦争を愛する者」を「女になる季節」のハワード・コッホが脚色し
「俺の墓標は立てるな」のフィリップ・リーコックが監督した戦争映画。

第2次世界大戦の2年目、1942年の冬のある朝。ここは英国にあるアメリカ第8空軍基地。早朝たたき起された
隊員たちは、作戦要領の説明に耳を傾けていた。この日の目標は北ドイツのキール軍港だ。
バズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)を機長とする“女体”号にとっては、8回目の出撃だった。
25回目の出撃が終れば帰国できるのだ。リクソンの部下、副操縦士のリンチ中尉は健全な常識を備えた将校だが、
リクソンは歪んだ人生の持主だった。彼は殺戮と破壊の戦争に生き甲斐を感じていた。

エンジンが唸り、一機また一機、大空へ飛び立った。編隊は目標上空にさしかかったが、一面の密雲に覆われていた。
雲の上からの爆撃は正確を欠く。エメット大佐は帰投を命じた。が、リクソンはこれを無視、編隊を雲の下へ
と移動させた。高度8千5百、目標上空、爆弾室開扉、投下!爆風に機が震動した。

その夜、将校クラブでリクソンとボーランドは、ダフネ(シャーリー・アン・フィールド)という女を知った。
その時、一人の兵隊が飛び込んで来た。爆撃は正確、基地は破壊されていた。いよいよ“女体”号最後の出撃の日が
来た。目標はドイツ本土のライプチヒ石油工場。Bー17爆撃機の大編隊は目標へ飛んだ。途中うんかの如き
敵戦闘機が迎撃して来た。指令官エメット機は撃墜され、リクソンが全編隊の指揮をとることになった。
が、リクソン機もまた被弾、大破した。負傷者と戦死者を乗せ、リクソンは必死の操縦を続け、海峡に達した。

機は1分間に50フィートの高度を失いつつあった。しかも未投下の爆弾が一個ひっかかったままだ。着水すれば
機もろ共吹っ飛ぶことは明らかだった。高度は5百フィート、ドーヴァーの白い崖を越すことができるか…。
だが、リクソンはあくまで帰投するという。過去の自信が彼を半狂乱に追い込んでいた。緊急信号を送り、
救助船の出動を求めた。救助艇が眼下に見えて来た。隊員たちは次々に飛び降りていった。リクソンは
自動操縦装置に切り替えると、最後にボーランドを突き落し、再び操縦棹を握った。が、機首は上がらず震動は
ますます激しくなっていった。白い崖が眼前いっぱいに迫った。次の瞬間、機は絶壁に衝突しぐれんの炎と
化して粉々に砕け散ったのだった。(Movie Walker)
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この映画の詳細はhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14018こちらまで。


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by jazzyoba0083 | 2017-03-02 23:15 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)