アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち Eliza Graves

●「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち Eliz Graves」
2014 アメリカ Icon Productions,Sobini Films.113min.
監督:ブラッド・アンダーソン
原作:エドガー・アラン・ポー『タール博士とフェザー教授の療法』
出演:ケイト・ベッキンセイル、ジム・スタージェス、ベン・キングズレー、マイケル・ケイン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>

ポーの小説がベースになっているので、全体に暗~い雰囲気はしょうが無いし、
それでないとこの映画が成り立たない。で、どんでん返しをした上での、
大どんでん返し。まんまとハマりました。そんな簡単に作者の術中にハマっていて
いいのでしょうか、とは思いつつ思いっきりやられました。その面白さに加点した
次第。配役的にはベン・キングスレーとマイケル・ケインの新旧の医院長が快演でした。
ミスリードを誘うような伏線も冒頭あたりにしっかりと埋め込まれいて、これが
どんでん返しに効いてくるのだな。

時代は間もなく20世紀になろうかとする1800年代最後の頃のイギリス。
冒頭「ヒステリー」について講義するオックスフォード大学の教室。サンプルと
して連れてこられた美しい精神病?患者エリザ(ベッキンセール)。彼女は自分は
正常だというが、教授の手にかかると精神病的発作が起きる。
当時としては最先端の治療についての授業だったわけだ。
このあたりの時代設定からして、この手の映画に向いている。現代の私たちは
その時代をしらないし、特に精神病治療に関しては無知に近いだろう。そうした観客の
無知につけこんで?「知らないものは怖い」という恐怖を吹き込む演出(著作)。

さて、ストーンハースト・アサイラムという精神病院にエドワード・ニューゲート
という若い精神科医師がやってくる。オックスフォード大から推薦状がいっている
はずだと。ラム病院長(キングスレー)は、紹介状など来ていないが、研修をしたい
のなら受け入れてやろうと、引き受ける。
病院内を見学すると、患者が自由に動き回っている。ラムは、拘束したり多量の薬物
を投与する良り、開放して精神を自由にしたほうが治療としては優れているのだと
主張している。ピアノを引く女性は、冒頭の大学の教室で晒し者にされていた女性
じゃないか。確かに彼女も生き生きとしている。ラムは「この病院の特徴は患者が
皆高貴な人、金持ちの家族なのですよ」とか言う。

さてさて、これからがいろいろと大変なんです。観ていない人は読まないほうがいいです

実はこの病院、患者と医師側がまるっと入れ替わっちゃっているんですな。ラム病院長
自身、この病院につれてこられた戦時精神病患者だったわけ。で、当時のソルト病院長
(マイケル・ケイン)らが取り仕切るこの病院で、痛めつけたり、メチャクチャな
治療を受けていた。軍医だったラムは反乱を起こし、ソルトら病院のスタッフを地下に
閉じ込め、ラム自ら病院長となり、それなりの成果も上げていたのだった。

しかし、この状態を見たニューゲートは、一目惚れしてしまったグレイブス夫人
(ベッキンセール)と共に、脱出やら、説得やらやるのだが、ラムには受け入れ
なれない。しかも、当時出始めた電気を頭に通す治療法を入れ、地下の人々を
廃人にする計画に出たのだった。しかし、ニューゲートは捕らえられ、逆に電気攻めに
あう寸前、グレイブス夫人に助けられる。

まだまだ、いろいろと仕掛けはあるのだが、ニューゲートとグレイブス夫人が共に
逃亡した後、二人の男が病院を訪ねてきた。一人はオックスフォード大学の
エドワード・ニューゲート医師を名乗り、もう一人は、隻眼で、グレイブス夫人の
夫だという。なな、なんと、青年医師を詐称していた男は、冒頭の講義の席で
後続の患者のサンプルとして控えていた時、グレイブス夫人を見て一目惚れした
ニューゲート医師の精神病患者だったというのだ!病院からニューゲートのメガネや
銃を持って逃亡していたのだった。(だから紹介状なんか来るわけないのだ)
そして、夫人が旦那の目をくり抜いたという噂も本当だった! ということは、
あの若い男も、夫人も結構強度なキチガイということだ!
ラムは軍医時代、瀕死の兵隊5人を射殺し、自殺を企てたが弾切れとなり、この
罪で病院に入れられた。ニセニューゲートは、ラムが収容されていた独房で殺した
兵隊の写真を見つけ、ラムにそれを見せた途端、フラッシュバックが起きて、正気を
失い、病気再発。➤廃人。

その後イタリアに逃亡した二人は、男はラムを名乗る精神科医師となっていたのだ。
あちゃー。キチガイによる病院乗っ取りでうっちゃられ、さらに主人公の正体で
うっちゃられるという・・・。ガジェットの伏線も効いていて詰めも良かったと
思うけど、最後、キチガイ同士でうまくいくのかなあ。

暗い映画だったけど、なかなか面白かったです。
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<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:52% Audience Score:49%>






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by jazzyoba0083 | 2017-05-11 23:05 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)