美女と野獣 Beauty and the Beast

●「美女と野獣 Beauty and the Beast」
2017 アメリカ Mandeville Films,Walt Disney Pictures.130min.
監督:ビル・コンドン アニメ版『美女と野獣』に基づく
出演:エマ・ワトソン、ダン・ステゥィーヴンス、 ルーク・エヴァンス、ユアン・マクレガー
   スタンリー・トゥッチ、イアン・マッケラン、エマ・トンプソン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

"This is Disney!!"という映画だ。本作はこれまでも実写やアニメで幾つか作られて
来たが、ついに本家がアニメ版を基本に実写版を制作した。
劇中の歌も、おなじみのアラン・メンケン、ティム・ライス(アニメではオスカーの
作曲賞と主題歌賞を獲得しているね)らに依るもの。
個人的には劇団四季の公演を何回となく見ているのでスジはしっかり理解している。
演出も大筋、アニメ版に沿ったものだ。エマ・ワトソンのベルは問題なく可愛いし
歌もうまい。メイクしていしまうと誰が誰だか分からないが、しっかりとした配役を
得て、劇としてもちゃんとしている。プロダクションデザインも美しい。

ビル・コンドン監督は、最新のCG、VFXを得て、この物語にダイナミズムを与え、
2時間以上の映画を大いに見どころのあるものに(特に作画的に)仕上げた。
ただ、VFXにかけてしまうと、なんでも出来てしまうので、そのあたりの加減の
難しさはあったろう。華やかな"Be Our Guest"のシーンは、私は劇団四季の舞台の
方が、インパクトがあった。限られた舞台という空間での美術、特効は素晴らしい。
それに比べると映画は何でも出来てしまうからなあ。最後のガストンが城から落ちる
ところも。先にも書いたけど、もう映画や舞台、アニメで完成されたものの実写化の
難しいところだろう。

上記を割り引いても、エンタテインメントとしては上質であり、見応えは十分だ。
日米でもヒットしているのは分かる。大団円では、結末は分かっていても、所詮
童話の世界のことと分かっていても胸が熱くなるのは、今の時代、「愛に対する視界が
くすみ過ぎで」「見を捨てるほどの真実の愛」があまりにも少ないからだろう。
「君の名は。」のラストの純愛と通ずるものを感じたのだった。
みんな本作を見て、濁った愛の洗濯をすると良いだろう。
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<ストーリー>
ある時、ひとりの美しい王子(ダン・スティーヴンス)が、魔女の呪いによって醜い
野獣の姿に変えられてしまう。魔女が残した一輪のバラの花びらがすべて散る前に、
誰かを心から愛し、愛されることができなければ永遠に人間には戻れない。

呪われた城の中で希望を失いかけていた野獣と城の住人たちの孤独な日々に変化を
もたらしたのは、美しい村の娘ベル(エマ・ワトソン)であった。
聡明で進歩的な考えを持つベルは、閉鎖的な村人たちになじめず傷つくことも
あったが、それでも人と違うことを受け入れ、かけがえのない自分を信じていた。

一方、野獣は人と違う外見に縛られ、本当の自分の価値を見出せずにいた。そんな
二人が出会い、やがて惹かれ合っていくのだが……。(Movie Walker)

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:71% Audience Score:85%>



by jazzyoba0083 | 2017-05-14 15:00 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)