グッド・ネイバー The Good Neighbor

●「グッド・ネイバー The Good Neighbor」
2016 アメリカ Anonymous Content,Ball & Chain Productions and more. 96min.
監督:カスラ・ファラハニ
出演:ジェームズ・カーン、ローガン・ミラー、キーア・ギリキリスト、ローラ・イネス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来、未だに低予算で作ることが出来るため
映画館では掛かりづらいが、WOWOWなどでは良くお目にかかるフェイクドキュメント。
(本作も日本劇場未公開)

本作は全部がそうではなく、法廷のシーンは普通の映画として作られている。が、
やはりどこか、「実在した話」ふうな構成となっている。短い映画なので一気に
見ることは出来るが、やはり底の浅さはいかんともしがたい。一応スジは通っているし
伏線も埋めてあり、回収もされるのであるが、骨子となるテーマが、なんというか
救いがないというか、意外な結末に、おそらく面白いという人もいるでしょう。
好き好きなので別にいいんですが、個人的にはこういう救いのない映画はいわゆる
「読後感」ならぬ「鑑賞後感」が悪い。

気に食わない隣のオヤジを、監視カメラや電化製品の遠隔操作を仕掛けることにより
救いを求めて神を信じるようになるか、という実験を、未成年のガキ二人が
挑戦する。たしかに偏屈親父だが、彼には最愛の妻を無くした悲しみを引きずって
いるんだということをガキらは理解していない。

死の床で、大声を出さずに自分を呼ぶためにと、妻に買ったハンドベル。ガキの
一人がそれを夜中に侵入し、いわれを知らず、地下においてあったものを居間に
置いてくる。妻が呼んでいると思い込んだ老人は、妻のところへと行くために銃で
頭を撃って自殺した。流石に動揺した二人だった。異常警報で駆けつけた警官に
その場で逮捕された。

他愛のないガキのいたずらなんだろうが、裁判になったものの終身刑にも出来る罪
だが、未成年でもあるし、家宅侵入などの軽い刑で、2年間の保護観察と
500日の社会奉仕で決着がついてしまう。裁判所の外には多くのマスコミや
抗議に来た人たちで埋め尽くされていた。ラストシーンはガキの一人がそんな
状況を見て片頬を上げてニヤけるところで終わる。

一つだけ褒めておく点があるとすれば、ガキ二人が撮った映像で構成される
本編が突然裁判のシーンに変わるのだが、「なにかやっちゃったんだな」と
思わせ、「私が入った時には、すでに被害者は血だらけで倒れていた」、と
いうような趣旨を警官が証言しているのだが、その被害者が誰かは明かされ
ない。そこはいい隠し方だったと思う。
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<ストーリー>

この老人、凶暴につき、侮ると後が怖い。ドッキリ用のカメラを仕掛け
られた“良き隣人たる”ひとり暮らしの老人をJ・カーンが不気味に
怪演した低予算B級サスペンス。

近所の独居老人宅にドッキリ用のカメラをひそかに仕込み、あれこれ
いたずらをして老人の反応を楽しもうとした高校生2人組。ところが、
ほんの軽いお遊びのつもりで始めた彼らの“実験”は、次第に意外な方向へ
と向かい、いつしか彼ら自身をも恐怖のどん底へたたきこむことに…。

「ゴッドファーザー」や「ミザリー」で知られるベテランの名優カーンが、
“良き隣人”たる老人に扮して不気味な怪演を披露。

監督は、「マイティ・ソー」などで美術監督を務め、本作で念願の長編
監督デビューを飾ったK・ファラハニ(WOWOW)

<IMDb=★6.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:17% Audience Score:46%>



by jazzyoba0083 | 2017-06-19 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)