2017年 07月 05日
普通じゃない A Life Less Ordinary
1997 アメリカ Channel Four Films and more.103min.
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー、キャメロン・ディアス、ホリー・ハンター、デルロイ・リンドー他
<感想>
ダニー・ボイルの作品は、"たくみなストーリー構成とブラックユーモア"とallcinemaに
は書いてあるように、(私は観た作品が多くなくてあまり全体像を言えないのだが、)
例えば「127時間」「スラムドッグ$ミリオネア」などを思い返すとたしかにうなずける。
本作も、彼としては監督業前半の作品であるが、その構成の巧みさと、ブラック感は
十分に味わえた。ラストの主役二人のカメラ目線の喋りはなんか白けたけど、後は
概ね面白く観た。
天使が地上に降りてある男女をくっつける役割を担うという骨子は既視感あり、だが、
この男女の天使(ホリー・ハンターとデルロイ・リンドー)の役回りが「殺し屋」と
いう立場で、話をややこしくかつ面白くしている役目を担っている。
清掃業をやりながら小説を書く(書いているつもり)のロバート(マクレガー)の
お馬鹿なセリフの数々や、セリーン(キャメロン)の行動やセリフもいい。
今回はボイル監督、脚本を書いていないが、「ザ・ビーチ」などでコンビを組んで
いる作家なので、二人三脚の塩梅は心得たものなのだろう。
ストーリーは単純。清掃マンとして働いていたロバートがロボットの導入で
いきなりクビになり、社長のところに銃を持って文句を言いに押しかける。
社長はと言えば。頭はいいのだが、一切働かない娘セリーヌが、しでかしたこで
喧嘩をしている最中。
ひょんな成り行きから、ロバートはセリーンを誘拐することになってしまう。
社長にしてセリーンのオヤジは結構悪で、セリーンを救出し、ロバートを殺して
来い、カネは回収してこいと、雇った殺し屋が、例の天使の二人だ。
彼らは彼らで、大天使から二人をくっつけてこないと地上に置き去りにすると
云われ、殺し屋というポジションで二人をくっつけるという悪戦苦闘。またそこの
涙ぐましい努力が可笑しい。
まあ、ロバートとセリーンは最後にはくっつくんだろうな、ということは分かって
いても、その二人の道程と、くっつけようと必死になる天使二人、自分のオヤジを
好いていないがカネは欲しいセリーン、彼らのほとんどドタバタの展開が面白く
テンポもよく、やがて物語はハッピーエンドに収束していくわけだ。
ユアンもキャメロンもまだ溌剌としていて、イイ感じ。(一番時間経過を感じさせた
のがスタンリー・トゥッチだった。個人的に好きだったのが誘拐しておいて
身代金を要求しないのは可笑しいでしょ、とセリーンから逆に説教されてしまい、
電話ボックスの中でセリーン指導の元、社長に電話するのだが、その一部始終が
笑える。日本語字幕も良くフォローしていると感じた。
ちょっと古い映画だが、古さは俳優の若さ意外感じない、面白い作品である。
天使の策略で出会った男女の恋の逃避行を、ポップな演出で見せていくオフ
ビートなラヴ・コメディ。
監督は「シャロウ・グレイブ」「トレインスポッティング」の英国の新鋭
ダニー・ボイルで、彼のハリウッド進出第1作。
製作のアンドリュー・マクドナルド、脚本のジョン・ホッジ、撮影のブライアン・
タファノ、美術のケイヴ・クイン、編集のマサヒロ・ヒラクボ、衣裳のレイチェル・
フレミングはボイル作品の常連。
天国の警察署にて、天使のオライリー(ホリー・ハンター)とジャクソン
(デルロイ・リンド)は、署長ガブリエル(ダン・ヘダヤ)からある命令を
受けた。それは、わがままなお嬢様セリーン(キャメロン・ディアス)と、
その父ナヴィル(イアン・ホルム)の会社で清掃員をしているロバート
(ユアン・マクレガー)をくっつけるということであった。
オライリーとジャクソンの策略で、ロバートは仕事をクビになり、ガール
フレンドにもふられ、車も没収されてしまう。怒りが頂点に達したロバートは、
社長ナヴィルのオフィスに乱入、そこにいたセリーンを誘拐して山小屋へと
逃げた。
しかし山小屋では、完全にセリーンのペース。身代金交渉の電話でしどろ
もどろのロバートに、要領を教えるのもセリーンだった。
ふたりは仲良くなり、カラオケでデュエットもした。その頃、天使コンビは
ナヴィルに会って、セリーン救出の報奨金交渉の話をつけていた。
やがてセリーンとロバートはピックアップ・トラックを強奪し、山道で
約束の身代金の到着を待った。ところが天使コンビとの一悶着で、金は
手に入れられなかった。オマケに父親にクレジット・カードの使用を差し
止められてしまったセリーンは、怒って銀行強盗を思い立つ。
ところが、ロバートは警備員に足を撃たれてしまう。セリーンはボーイ
フレンドの歯科医エリオット(スタンリー・トゥッチ)に、ロバートの
足を手術してもらう。
だがセリーンとエリオットがいちゃついているのを見て、ロバートは
腹を立て、ひとりどこかへ行ってしまった。その様子を見て焦った天使
コンビは、セリーンに、ロバートが書いたと偽って愛の詩を送るのだが、
バカ正直なロバートのせいでうまくいかない。だがナヴィルが身代金を取り
戻そうと山小屋でロバートを詰問しているところを、セリーンが救い、
ふたりはめでたく結ばれた。そして結婚。スコットランドの城を買って、
幸せに暮らすことになった。(Movie Walker)
<IMDb=★6.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:39% Audience Score:59%>